厚労省に診療報酬改定に対する要望書を提出

2019年8月20日

 日本盲人会連合は8月7日、厚生労働大臣に対して、令和2年度における診療報酬改定に向けて、「診療報酬改定に対する要望書(ロービジョンケアの更なる充実)」を郵送により提出しました。

日盲連発第78号 
令和元年8月7日 

 厚生労働大臣
   根本 匠 殿

 

社会福祉法人日本盲人会連合 
  
  会長 竹下 義樹 

 

診療報酬改定に対する要望書
(ロービジョンケアの更なる充実)

 晩夏の候、貴職におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 また、日ごろ視覚障害者福祉にご尽力いただき厚く御礼申し上げます。
 さて、今般、眼科医療の分野での診療報酬の見直しにおいて、視覚障害者の生活の向上のために、下記要望についてご配慮いただきますようお願いいたします。

                    記

【要望内容】
1 平成24年4月から実施されている「ロービジョン検査判断料」につきまして、これが算定できる施設基準を緩和していただきたい。すなわち、算定できる眼科医が「厚生労働省主催視覚障害者用補装具適合判定医師研修会(眼鏡等適合判定医師研修会)を修了した眼科を担当する常勤の医師」であるとされているところを、常勤の医師でなくてもできるようにしていただきたい。

2 眼科のリハビリテーションに関して、現行の「弱視視能訓練」「斜視視能訓練」に加えて、「ロービジョン訓練」を新たに追加していただきたい。

【要望理由】
1 私どもは、平成20年4月より「ロービジョン検査判断料」が認められたことを心から歓迎し、大変喜んでおります。このことは、本連合としても、当時から要望していたことです(別添参考資料参照)。また、近年スマートサイト(ロービジョンケアネットワーク)が各地域の眼科医会を中心に構築されており、本連合としても積極的に参加しております。さらに、本年5月には、札幌にて開催された本連合の全国大会でも、「ロービジョンを考える」フォーラムを開催し、眼科が連携の入り口を担うことの重要性を確認しました。このようにして、ますます眼科におけるロービジョンケアへのニーズが高まっているにもかかわらず、希望してもロービジョンケアを受けられない実態があります。その大きな理由の一つに、せっかく所定の研修を終了しても、常勤の医師でないため、算定できる施設基準に該当しないからです。

2 何よりも重要なのは、ロービジョン検査判断から引き続き、実際のロービジョン訓練が受けられるようにすることです。そのことにより、ロービジョン検査判断料の一層の効果が発揮できます。現行のままでは、必要に迫られてロービジョン訓練を行っても、診療報酬に算定されないため、単なるサービス提供に終わってしまうことがあります。それゆえに、ロービジョン訓練が診療報酬にしっかり位置づけられることが、車の両輪として不可欠であると考えます。

   以 上 

 

別添 参考資料

                         平成20年2月18日 

 厚生労働大臣
   舛 添 要 一 殿

 

                        社会福祉法人日本盲人会連合 

                       会 長  笹 川 吉 彦 

  診療報酬改定に伴う新項目の追加について(要望)

 梅香の候、貴職におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 また、日ごろ視覚障害者福祉にご尽力いただき厚く御礼申し上げます。
 さて、今般、診療報酬の見直しにあたり、眼科医療の分野におきまして、診療報酬に位置づけられております「指導管理料」の中に、視覚障害者が受診した際、職場復帰・社会復帰に向けての相談が位置づけられておらず、必要な指導が行き届いておりません。
 そこで、眼科受診の際、ロービジョンケアなどを行う診療に対しても対象としていただき、視覚障害のある者が安心して、眼科における相談ができますよう次の点を要望いたします。

                    記

【要望内容】

1 眼科の診療報酬として指導管理料の中に、眼科的リハビリテーション(ロービジョンケア)を加えていただきたい。
  また、視覚障害者補助具関係の情報提供、視覚障害者用補助具の選定を含めていただきたい。

2 中途視覚障害者への職場復帰・社会復帰に向けての相談を「指導管理料」に加えていただきたい。

※資料
「厚労省 診療報酬改定に対する要望書(ロービジョンケアの更なる充実)」(docx形式/16KB)