八王子市で発生した点字ブロック上での衝突事故に対する声明

2019年7月18日

令和元年7月18日 

 

八王子市で発生した点字ブロック上での衝突事故に対する声明

 

社会福祉法人 日本盲人会連合 
会長 竹下 義樹 

 今月3日朝、東京都八王子市の京王八王子駅前の路上で、視覚障害者誘導用ブロック(以下、点字ブロック)を利用して勤務先に向かって歩いていた同市在住の視覚障害の男性が、通行人と衝突する事故が発生した。
 この時、視覚障害の男性が使用していた白杖は破損して路上に転がった。そして、視覚障害の男性が屈んで転がった白杖を拾おうとしたところ、衝突した通行人から「目が見えないのに1人で歩くな」と暴言を浴びせられた上に、右足を蹴られ、通行人はそのまま立ち去った。被害を受けた視覚障害の男性は、衝突した通行人からスマートフォンのような硬いものが落下した音を聞いたという。

 視覚障害者の自立と社会参加を向上するために活動している本連合としては、この事故に対し大変な憤りと強い悲しみを感じずにはいられない。
 点字ブロックは、視覚障害者が安全かつ確実な移動をするために大変重要なものである。そのため、点字ブロックの上に障害物を置くことや人が立ち止まること等はあってはならないことである。まして、今回の事故のように、自らが前方を見ていないにも関わらず、結果的に視覚障害者の歩行を妨害した上、暴言を浴びせて危害を加えたことは言語道断である。

 ついては、視覚障害者の安全な移動を守るため、以下の3点を強く要望する。

1 警察は今回の事故について、故意に衝突していないことを理由に事故扱いにしないとしている。本件は、少なくとも器物損壊ならびに暴行罪に相当すると考えるのが妥当であることから、本件に対する捜査を実施し、被害当事者への丁寧な対応を行うことを求める。

2 歩きながらのスマートフォン使用などによる前方不注意は、視覚障害者だけでなく子どもや高齢者にとっても危険な行為である。また、その前方不注意をする者自身も負傷する可能性がある。そのため、全てのスマートフォン利用者が、歩きながらのスマートフォン使用を自粛することを求める。

3 国や地方行政機関、各道路管理者、警察関係者、各公共交通機関は、歩きながらのスマートフォン使用の禁止を徹底し、点字ブロックの正しい理解を促すための啓発の実施を求める。

※資料
 「八王子市で発生した点字ブロック上での衝突事故に対する声明」(DOC形式/31KB)