音声コードに関する都道府県及び政令指定都市への要望書提出について

2018年10月5日

 10月3日、日盲連は全国の加盟団体に対して、都道府県及び政令指定都市に対する標記要望書(資料1参照)の提出を依頼する要請文書(資料2参照)を発出しました。視覚障害者の利便性に配慮した情報提供のあり方を求める要望書になり、各地で運動を行うためのものとなります。ご理解の程、よろしくお願いいたします。


資料1 要望書(案)

〇〇〇発第  号 

平成30年〇月〇日 

 〇〇〇知事 〇〇〇〇 殿

社会福祉法人 日本盲人会連合 
会長 竹下 義樹 
〇〇〇〇〇〇協会 
会長 〇〇 〇〇 

要望書(案)

 視覚障害者の福祉の増進、とりわけ視覚障害者の情報保障のための諸施策を講じていただいていることに敬意を表し、心から感謝申し上げます。
 さて、近年は、ITやICTを活用し、さらにはさまざまな技術を駆使した情報支援や音声による外出支援などが研究・開発されています。そうした研究や開発は、私たちに新たな期待や可能性をもたらすものです。ところが、そうした開発が、私たちの声とは無関係になされたり、私たちの求めるものとは異なる方向でなされることによって、新たな困難が生ずることもあります。その結果、そうした開発商品の普及が視覚障害者に有用な環境を作り出すものと誤解を与えることがあります。そこで、そうした誤解を生じさせないために、あるいは新たな危険を惹起させないために、貴自治体に対し以下の内容を要望します。

1 SPコード、Uni-Voiceといった「音声コード(※1)」を刊行物あるいは公的機関から配布される文書に添付するだけでは、視覚障害者全体にとって的確な情報保障とはなりえないので、たとえ「音声コード」を添付する場合でも、点字・録音及び拡大文字などの媒体による情報保障と併せて情報提供をするようにしてください。

2 前記の「音声コード」を添付する場合には、必ず当事者団体の意見を聴取した上で、その妥当性を判断してください。なお、これらの情報保障に係わる機器やシステムの開発においても、必ず当事者の意見を聴取してください。

(※1)視覚障害者用活字文書読み上げ装置等を用いて、文字情報を読み取るために紙に印刷されたバーコード状の模様を指す


資料2 日盲連加盟団体への要請文書

日盲連発第105号 

平成30年10月3日 

 日盲連 加盟団体長 各位

 

社会福祉法人日本盲人会連合 
会長 竹下 義樹 
  (公 印 省 略) 

音声コードに関する
都道府県及び政令指定都市への要望書提出について
(お願い)

 平素は本連合の活動に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、昨今、各地の自治体や公共機関からの情報提供において、音声コード(※1)が導入される事例が散見されます。音声コードについては、メーカーや商品によって共通性がなかったり、一部の自治体等では、地域で情報提供を受ける視覚障害当事者の意見を聞かずに音声コードが一方的に導入され、他方で点字や録音及び拡大文字による情報提供が縮小・廃止されるなど、各地で混乱が生じています。本連合としては、視覚障害者への情報提供は、地元の視覚障害者に意見を聞き、さらには、視覚障害当事者が希望する媒体で情報提供が行われることが望ましいと考えております。
 ついては、今後、各地で当事者団体の意見を聞くことなく、音声コードが導入されたり、視覚障害当事者の希望する媒体で情報が提供されない事態を防ぐため、各地の団体において都道府県ないし市町村との話し合いを求める取組を行っていただきますよう、本連合としてここにお願いします。別添の要望書(案)と事務連絡をご確認頂き、必要に応じて本連合との連名の要望書を所管の都道府県または政令指定都市等にご提出ください。
 ご協力の程、よろしくお願いいたします。

(※1)音声コード(SPコード、Uni-Voiceなど)

 視覚障害者用活字文書読み上げ装置等を用いて、文字情報を読み取るために紙に印刷されたバーコード状の模様を指す。