日盲連発第94号
平成30年9月7日
日本盲人会連合
加盟団体 団体長 各位
社会福祉法人日本盲人会連合
会長 竹下 義樹
(公 印 省 略)
旧優生保護法に基づく強制不妊手術等の調査に関するお願い
日頃より、視覚障害者の福祉の向上にご尽力されるとともに、本連合の活動にご協力いただきありがとうございます。
さて、基本的人権のとらえ方や個人の尊厳に対する内容が時代によって変遷することは、障害に対する社会の理解や考え方が変化してきたことからも、十分に理解できるところです。旧優生保護法が施行されていた当時において、優生思想に対する批判があり、それを受けて法改正もされてきましたが、被害者に対する救済までには至っていませんでした。ところが、日本弁護士連合会が、旧優生保護法に基づき強制的に不妊手術を強要されたことに対し、国の責任を問う旨の意見書を発表し、それを受けて強制不妊手術を強要された被害者が国家賠償請求訴訟を提起してからは、同法に基づく不妊手術や断種手術、あるいは妊娠中絶手術が全国各地で実施されていたことについて大きな社会問題となっています。本連合としても、旧優生保護法の下で遺伝的原因とされる眼疾患についても不妊手術等の対象病名とされていたことを踏まえ、同法に基づき不妊手術や断種手術、あるいは妊娠中絶手術を強要された者がいたのではないかと思われるので、その実態を調査することにしました。
つきましては、本連合として、以下3点の調査を実施したいと思いますので、各団体のご協力を賜りますよう、ここにお願いする次第です。
ちなみに、以下の3項目の調査は、各団体において同封の調査報告書を参考に聞き取り等を実施していただき、貴団体から頂いた調査報告書に基づき、さらに本連合本部の担当者が、地域団体とともに被害者または施設から詳細な聞き取りを行う予定です。
記
1.調査内容
調査1 都道府県(政令指定都市)に対する調査
調査2 地域の視覚障害当事者に対する調査
調査3 視覚障害者入所施設に対する調査
2.調査詳細
別添の実施要綱をご参照下さい。
以上
別添
旧優生保護法に基づく強制不妊手術等の調査 実施要綱(抜粋)
1.調査目的
旧優生保護法の下で遺伝的原因とされる眼疾患(遺伝性視神経萎縮、網膜色素変性、全色盲、先天性眼球震とう等)であることを理由に、不妊手術や断種手術、あるいは妊娠中絶手術を強要された視覚障害者について、その実態を把握し、国等に対し必要な救済措置を求めるため調査を実施する。
2.調査内容(依頼内容)
(1)調査1 都道府県(政令指定都市)に対する調査
都道府県(政令指定都市)に対して、旧優生保護法の下で視覚障害者への不妊手術や断種手術が実施された事例が記録上残っているかどうかの事実確認を行う。併せて、貴団体の属する都道府県(政令指定都市)内の病院ないし診療所において、同意の有無にかかわらず、妊娠中絶手術を強要された事例に関する記録が保管されているかどうかについても、都道府県(政令指定都市)から問い合わせてもらう。記録がある場合は、その記録を入手し、情報のとりまとめを行う。
(2)調査2 地域の視覚障害当事者に対する調査
貴会の会員または元会員(既に死亡した者を含む)に対して、遺伝的眼疾患を理由に不妊手術や断種手術、あるいは妊娠中絶手術を強要された人の有無を確認し、被害者が存在した場合は、その被害者の情報を取りまとめる。なお、貴会の地域の非会員であっても、情報があれば、可能な限りの聞き取りを行うこととする。
(3)調査3 視覚障害者入所施設に対する調査
貴会の地域に存する視覚障害者を対象とする施設(ハンセン病療養施設を除く)に対して、遺伝的眼疾患を理由に不妊手術や断種手術、あるいは妊娠中絶手術を強要された人の有無を確認し、被害者が存在した場合は、その被害者の情報を取りまとめる。特に、盲重複障害者の入所施設が存在する場合は必ず事実確認を行うこととする。
3.実施期間
平成30年10月末まで
4.情報管理について
頂いた回答は、本連合において厳正に管理し、回答者が特定出来ない状態で調査結果として公表を行います。
5.問い合わせ先
社会福祉法人 日本盲人会連合 組織部 団体事務局
〒169-8664 東京都新宿区西早稲田2-18-2
電話 03-3200-0011
FAX 03-3200-7755
e-mail jim@jfb.jp
【参考資料】
旧優生保護法に基づく強制不妊手術等の調査に関するお願い(PDF形式/182KB)
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