「視覚障害者のニーズに対応した機能訓練事業所の効果的・効率的な運営の在り方に関する調査研究事業」報告書

2017年4月7日

 本連合は、厚生労働省平成28年度障害者総合福祉推進事業「視覚障害者のニーズに対応した機能訓練事業所の効果的・効率的な運営の在り方に関する調査研究」を受託し、平成28年度事業として調査を実施しました。
 同調査では、視覚障害者の歩行訓練・生活訓練を実施する訓練施設である機能訓練事業所の実態、そして視覚障害者自身の歩行訓練・生活訓練のニーズ等を調査しました。調査においては、視覚障害者が「いつでも、だれでも、どこでも、同じ質の高い訓練を受けられる」ことが実現されることを目指し、様々な訓練機関、視覚障害者団体、視覚障害当事者にご協力をいただき、滞りなく調査を実施しました。
 そして、この度、調査結果を取りまとめた報告書が完成しましたので、公開をいたします。ご活用の程、よろしくお願いいたします。
 なお、調査にご協力をいただきました皆様には御礼を申し上げます。

1.調査報告書のデータ

 報告書は下記よりダウンロードができます。

(1)墨字版(PDF形式/33.5MB)

(2)墨字版(DOC形式/7.43MB)
   墨字版 別添 現地調査 一覧表(EXCEL形式/42.3KB)
   ※注意 word形式では以下の内容が含まれておりません
          ・ページ番号
          ・資料集(調査1~5の調査票)

(3)点字版 第1巻(BES形式/35.7KB) 第2巻(BES形式/33.3KB)

(4)DAISY版(DAISY形式/159MB)

報告書の写真

墨字版・点字版・DAISY版の報告書の写真

2.調査結果(まとめ)

 調査のまとめとなる「第5章 考察」「第6章 まとめ」を抜粋して紹介します。

第5章 考察

1.視覚障害者のリハビリテーションの現状と課題
(1)施設数の課題
 日本ライトハウスの「視覚障害者の生活訓練の現状(2014年)」では、全国で視覚リハを実施している施設・機関数は71か所で、そのうち、機能訓練事業所は16か所のみとなっている。障害者総合支援法の訓練等給付に位置付けられている機能訓練(視覚障害)は、現在の視覚リハの業界においては少数派である。
 また、今回の調査で、各施設が通所・訪問でカバーできている範囲は概ね45km圏内(東京・京都のように100km以上まで対応している施設を除くと平均は43.9km)ということが明らかになった。人口密度や地形、交通アクセス等も含めた詳細な地域診断は必要だが、現状の施設数では、当事者が求める「全国どこでも視覚リハが受けられる体制」にはなっていない。

(2)視覚リハ導入の課題
 今回の調査では、施設を利用している視覚障害者の95%以上が在宅の視覚障害者であった。また、紹介元については、医療・教育・行政が全体平均でそれぞれ10%前後になり、紹介元は多岐に渡っていた。この結果は、視覚障害者の場合、他の身体障害や先天性の障害のように、医療分野や教育分野からの紹介で福祉サービスを受けるという流れになっていないことの表れである。例えば、紹介の橋渡しとして期待される医療分野でのスマートサイトは、医療機関から福祉施設へ繋ぐ流れができつつある地域も一部あるが、まだ全国的には殆ど確立されていない。
 また、視覚障害者の相談・支援には、視力・視野の状況や受障時期等による困難さの内容・質の違い、訓練内容や機器・用具の特殊性等、かなりの多様性がある。しかし、視覚障害を専門としていない福祉専門職(相談支援専門員・生活支援員・就労支援員等)では、その障害発生率の低さから、支援に関わるケースが少なく、経験も蓄積されにくいため、有効な関わりができる支援者が限られているのが現状である。
 在宅で生活している視覚障害者の中で、実際に訓練等のリハビリテーションを必要とする視覚障害者の掘り起こしや動機付けを「誰が、いかに行うか」は大きな課題であり、機能訓練の利用者が低迷している原因の1つとなっていると考えられる。医療機関からの紹介ルートの確立、地域の視覚障害者に対する相談支援体制の強化が鍵となる。
(3)訓練と専門職の課題
 視覚障害者の支援では「訓練」が中心になることが少なくない。視覚リハを実施していない施設においては、その施設職員も視覚障害者の訓練には専門的な知識・技術が必要と考えられており、その訓練には歩行訓練士等の養成施設を出た専門的な知識を持った職員が中心的に関わっていることが今回の調査でも明らかになった。特に歩行訓練やロービジョン訓練でその傾向は強く、調査1と調査2の対象12施設においては、11施設が養成施設出身者のみが実施していた。
 また、「訓練ごとの対応人数」の結果から、席についたまま行えるパソコンや点字等の訓練では、視覚障害当事者の訓練員や養成施設出身ではない職員が関わっていた。そして、利用者に対する複数同時の訓練も実施しているが、訓練時の安全確保が重要な歩行訓練やADL訓練、個別性の強いロービジョン訓練等ではマンツーマンでの訓練が行われていることが分かった。
 視覚障害者が訓練の成果を実生活で活かすためには、施設での基礎訓練だけでなく、自宅や生活している地域での訓練が不可欠であり、訪問での訓練は欠かせない。だが、施設数が少ない現状では、1つの施設がかなり広域をカバーしており、移動に係る時間によってさらに訓練は非効率にならざるを得ない。そのうえ、歩行訓練士等は相談・訓練・ケースワーク・記録や計画作成・就労支援・広報や啓発活動・行事や講習会の開催等、多くの役割を担っており、勤務時間の中で訓練に割ける時間は機能訓練事業所の職員で40.8%、非機能訓練事業所の職員では32.9%となっていた。訓練を実施する事業所等においては、その中で重要な役割を占めている専門職の配置を明記する必要がある。
 ただし、養成施設出身者の数は限られており、新規に養成されている数も乏しい現状にある。各地域の視覚リハの担い手となる専門職をいかに確保するか、養成施設の在り方の検討も含め考えていく必要がある。

(4)交流の場の課題
 多くの視覚障害者は「周囲に他の視覚障害者がいない」や「他の視覚障害者と会ったことがない」という状況で生活しており、精神的に孤立している場合が少なくない。同じ障害を持った仲間との出会いが意欲向上や新たな目標の発見に繋がることが多く、「集まれる場があることが重要である」という声も今回の聞き取り調査で確認できた。

2.視覚障害者のニーズ
 今回の当事者調査の結果では、訓練・支援で解決できる可能性がある生活上の困りごとについて、6割以上の視覚障害者が「満足していない」「改善したい」と回答していた。また、訓練を受けたことがない視覚障害者のうち、22%がその理由として「訓練を知らない」、20%が「効果が分からない」と回答していた。今回の調査の対象者は当事者団体に繋がっていて、ある程度情報を受け取れている視覚障害者であることを踏まえると、実際には、当事者団体に繋がっていないために訓練のことを知らない視覚障害者の割合は更に高くなると想定できる。そのため、潜在的な歩行訓練に対するニーズは、本調査で判明した割合よりも更に高くなると考えられる。この点を把握するためには、対象を更に広げたニーズ調査が必要になる。
 また、今回の調査1と調査2の利用者実態では、機能訓練事業所で4割近く、非機能訓練事業所で5割以上の利用者が60歳以上となっており、これは他の障害と異なる視覚リハの大きな特徴であると考えられる。当事者調査の結果から、身近な地域に施設があること、手続きが簡便で費用負担が少ないこと等が訓練を受けやすい条件として挙げられているのは、視覚障害ということだけでなく、高齢の利用者が多いことにも起因していると考えられる。

3.機能訓練事業所と非機能訓練事業所の違いと課題
 障害者総合支援法の中の「機能訓練」でサービス提供している機能訓練事業所と、それ以外の形でサービス提供をしている非機能訓練事業所についてそれぞれ調査を行った結果、以下のような特徴の違いがあることが明らかになった。

(1)機能訓練事業所の特長と課題
 機能訓練事業所の特長として、①一定数の職員(常勤換算で6名以上)が確保されており、1日に対応できる人数が多い、②利用者は週に複数日利用することができ、複数の訓練を同時に受けられるため、集中的な訓練が受けられる、③他の利用者との交流による心理面へのケアが期待できる、④他の障害同様、個別支援計画やモニタリングに基づく訓練が実施されている等が挙げられる。これらの特徴は、就職や復職、盲学校への進学、そして、急激な視力低下等によりすぐに単身生活を送ることが困難な視覚障害者の地域移行に適した訓練スタイルであると言える。
一方、課題として、①人員配置基準(看護師必置)や利用者との比率(職員:利用者=1:6)が実情と合っておらず、経営的に採算がとれない、②必要な個別対応や訪問での訓練の実施が困難、③利用手続きが複雑(特に短期間あるいは少ない回数での訓練を希望する視覚障害者)、④入所利用者の経済的負担が大きい、⑤現状のままでは新規の参入が見込めない等が挙げられる。

(2)非機能訓練事業所の特徴と課題
 非機能訓練事業所の特徴としては、①利用手続きが簡便、②費用負担がない(少ない)、③実生活に直結する訪問での訓練を中心に実施している、④年齢や手帳所持等、利用に係る制約が少ないことが挙げられる。その結果、非機能訓練事業所は、今回の当事者アンケートでも確認することができた「視覚障害者が求める手続きが簡単、費用負担がない、訪問での訓練」というニーズに近い形で訓練を実施することができている。そのため、これらの訓練は、交通網が発達しておらず通所が困難な地域での訓練、施設に通うことや福祉サービスを使うことに抵抗感の強い動機付けが必要な視覚障害者(特に高齢者)、多くの回数や高頻度での利用を求めない軽度の視覚障害者、利用目的が限定的な視覚障害者等に適した訓練といえる。
一方、課題としては、①訪問中心のため訓練が非効率的で、対応できる人数に限りがある、②人員配置や職員の待遇、利用頻度・期間・回数等の条件が地方自治体の判断に任されるため地域間格差が大きい、③他の利用者との接点が持ちにくい、④利用者への複数同時の訓練や密度の高い訓練ニーズへの対応が困難等の課題が挙げられる。県もしくは市の事業として実施されていることが多いが、県単位だと広域すぎて十分回りきれず、市単位だと利用者を安定的に確保するのが困難な状況が聞き取り調査から伺えた。

4.機能訓練で視覚リハが選択されない理由
(1)機能訓練事業所(視覚リハ未実施)の場合
 今回の調査では、視覚リハを実施していない機能訓練事業所にもアンケートを実施している。視覚リハを実施しない理由として、「訓練に関する専門性を有する職員がいない」を8割以上の施設が挙げている。これは視覚リハを実施していない機能訓練事業所から見た視覚リハの特殊性を裏付ける結果となっている。また、「サービス対象地域に対象者がいない、あるいは少ない」は9.1%の施設のみが挙げており、地域に視覚リハのニーズがあることを認める形になっている。その一方で、「経営的に採算がとれない」を4.5%しか挙げていないのは、現実的に事業を行うことを考えていないことの表れではないかと思われる。

(2)非機能訓練事業所の場合
非機能訓練事業所が機能訓練で視覚リハを行わない・行えない理由として最も多かったのは「人員配置基準を満たしていない」(71.4%)であった。そして「施設設備基準を満たしていない」、「今の報酬体系では採算が見込めない」が57.1%であった。現状のサービス提供スタイルと制度との間の乖離があることが伺える。
また、「利用手続きが実態と合わない」も57.1%あったのは、訓練の動機付けが必要な視覚障害者、多くの回数や高頻度での利用を求めない軽度の視覚障害者、利用目的が限定的な視覚障害者、期間を限らない継続的な関わりが必要な視覚障害者等、機能訓練の中では対応が困難な利用者を想定していると考えられる。

5.機能訓練の課題(安定的に効果的・効率的な視覚リハを行うために)
 今回調査した機能訓練事業所5か所のうち、4か所が「利用者の確保が困難」と回答している。その理由として、①通所利用希望者の通所手段が確保できない、②人員配置の問題で密度の濃い訓練が提供できていない、③報酬の問題等で移動に時間のかかる訪問訓練が実施しにくい、④利用手続きが煩雑、⑤入所利用者の経済的負担が大きい等の声が聞き取り調査も含めて挙がっている。
 ①の「通所手段が確保できない」については、「同行援護の利用制限の問題が大きい」と今回の調査で4施設(80%)が回答している。現在のルールでは「長期的かつ継続的な外出」に対する同行援護の利用制限があり、自治体ごとにその判断基準が異なっており、市外への外出や施設通所には全く認めないという自治体も多い。移動が困難な視覚障害者にとって、頼れる家族や友人がいなければ訓練を受ける場まで行けないというのは非常に大きな問題である。適切な計画の下で、本人が通所できるようになるまでの期間(例えば概ね6か月以内の期間を設定する等)に同行援護が利用できるよう、通所利用が可能となるような制限の緩和が必要である。
 ②の「人員配置」については、先に挙げた視覚障害者への訓練・支援の特殊性から、今回調査した機能訓練事業所では、通常の1:6よりも手厚い人員配置をして対応している(常勤換算職員数と利用定員では平均で1:2.4。常勤換算職員数と請求実績利用者数で計算した場合では平均で1:1.6)。しかし、調査した事業所からは、すべての利用者の1日の訓練メニューを埋めることが困難、訪問での訓練が困難、という声が現地調査で挙がっており、その対応として、訪問訓練は別の事業を使って行っている施設が2施設あった。以上を踏まえると、視覚障害者の支援をしている事業所については、実情に合わせ人員配置基準を1:2.5以下とすることが必要である。また、経営的に採算がとれるよう、報酬単価も人員配置基準にあわせた見直しが必要である。
 そして、現状の機能訓練事業所では、看護師の配置が義務付けられているが、今回調査した5施設のうち看護師が視覚障害者支援に直接的に関わっている施設は2施設のみで、そこでも看護業務ではなく、訓練業務を中心とした関わりをしていた(業務時間の50.5%が訓練)。視覚障害のみを対象としている施設については、現在の「看護師必置」を免除できるようにすることが必要である。
③の「訪問訓練が困難」については、まず、前提として、訪問での訓練は移動に制限のある視覚障害者からのニーズは高い。移動距離や交通費の負担を理由に利用を断念しているケースも多く存在すると思われる。ただ、訪問での訓練は現地までの移動に時間がかかることから、非効率になりやすい。また、今後、機能訓練での事業展開を考えた場合に、交通網の発達した都市部以外では訪問での訓練が中心になると思われる。新規参入を促す意味でも訪問訓練については報酬単価に移動時間を加味すること、または距離に応じた加算等の検討が必要である。
 ④の「利用手続きが煩雑」については、特に多くの回数・期間を要しない軽度の視覚障害者、訓練目的が限定的な再訓練の視覚障害者、必要性はあるが動機付けが十分でない視覚障害者、手続きの理解が困難な視覚障害者、キーパーソンがいない視覚障害の単身者等に対する利用の足かせとなっている。訓練を受けることに対する負担感を軽減し、スムーズに利用移行できるようにするためには、通院時や手帳申請時に聞き取り調査を同時に行う等、機能訓練利用にあたっての利用手続きの簡素化が必要である。
 ⑤の「利用者負担が大きい」については、現に収入がない視覚障害者について、通常の前年度所得から算出するという方式以外の救済措置等を検討し、費用負担を理由に利用をあきらめる視覚障害者を減らす必要がある。
 さらに、機能訓練の「基準該当サービス」の規制(施設の要件)を緩和することも可能であれば、視覚リハへの新規参入に対する敷居はさらに低くなるのではないかと考える。

第6章 まとめ

 視覚障害者の多くは手帳取得時に在宅で生活を行っている。そして、それらの視覚障害者は、視覚リハについての情報が本人の耳に入らない場合、情報が入ってもその効果が分からず動機付けが十分でない場合、そして、身近に相談や訓練を受けられる機関がない場合は、生活を改善できる可能性を知らないまま在宅での生活を継続することになる。
今回の調査では、訓練に繋ぐ流れを作ることが重要なこと、機能訓練の人員配置基準等が実際の訓練・支援と合っていないことが明らかになった。そして、非機能訓練事業所においては、訓練前の動機付けや短期間・少ない回数の支援、期間を限らない継続的な相談対応のように、利用者ニーズに応えた訓練を実施し、機能訓練では対応しづらい臨機応変な支援を行っていること等が明らかになった。

 各地域における視覚リハ前後の相談機能の充実、そして、訓練が受けられる機関の数の確保を行い、訓練を受ける必要のある視覚障害者が身近な視覚リハを実施する訓練施設に繋がるシステムを作る必要がある。
 また、平成28年度はホームからの転落死亡事故が相次いで起こり、特にハード面の整備が整うまでの歩行訓練の重要性・必要性に対する認識は高まっている。全国どこでも必要な人が必要な訓練を受けられる体制になることが強く望まれる。

 そのためには、次のような方策が求められる。

(1)相談機能の充実 
福祉サービス利用開始前に必ず視覚障害者と接触する医療機関・行政機関・相談支援事業所・介護保険ケアマネージャー等からの紹介をワンストップで請け負う「視覚障害専用の相談機関」を各地域に設置(指定)する。
 専用にすることの意味は2つある。
1つは、視覚障害が故の固有の問題があることを考慮するためである。それは、視覚障害者は他の障害と比してその絶対数が乏しいこと、支援の専門性・特殊性が高いことから支援者の経験が蓄積されにくいこと等があり、また、ワンストップの窓口を作ることで周知もしやすく、かつ紹介元にとっても対応がしやすくなることが挙げられる。
もう1つは、視覚障害者固有の支援を行う必要があるからである。それは、訓練以前の動機付けも含めた相談への対応、機器・道具の情報提供や操作説明の対応、単発あるいは短期間で支援が終わる視覚障害者への対応、障害・介護保険の日中サービスの施設職員への助言等の間接的な支援対応、訓練終了後の継続的な相談対応等が挙げられる。これらは、現在は非機能訓練事業所がある地域では、主に同事業所がこれらの役割を手弁当で担っているが、視覚リハの中にきちんと位置付け、必要な人件費等報酬が出る仕組みにすべきである。

(2)訓練機能の充実
肢体不自由を中心とした機能訓練とは訓練・支援の内容・方法が全く異なる視覚リハを、同じサービスとして扱うことには無理がある。現在の機能訓練の人員配置基準の緩和(看護師必置の免除、職員配置1:6を1:2.5以下にする)、報酬単価の改定(職員配置基準に見合った報酬、訪問訓練に対する加算)を行い、現状の機能訓練事業所(視覚リハ実施施設)の運営実態に合わせることが必要である。
また、視覚リハを行う施設については、基準該当サービスの規制も緩和し、既存の機能訓練事業所やその他の機関が新規参入しやすい条件を作ることが、数の確保に繋がると考える。そこでは、適切に視覚リハが行われるよう、訓練を主に担う養成施設出身者の配置を明記することも求められる。
そして、通所手段がないことが足かせとならないよう、同行援護利用についての規制緩和も必要である。一方で、今回の調査では、各施設がカバーできる範囲は概ね45km圏内となっていたが、相談機関・訓練施設をどう配置するかは、人口密度、地形、交通アクセス、手帳取得者数、既存の施設等、各地域の地域診断をしたうえで、検討することが必要となる。

3.シンポジウム

 日本盲人会連合主催「シンポジウム 視覚障害者の生活訓練(歩行訓練)のあり方を考える」が、2月25日、日本盲人福祉センターにおいて開催されました。

 このシンポジウムは、厚生労働省 平成28年度障害者総合福祉推進事業「視覚障害者のニーズに対応した機能訓練事業所の効果的・効率的な運営の在り方に関する調査研究」のなかで実施されたアンケート・現地調査などの結果を踏まえ、機能訓練事業所の現状と課題を整理、視覚障害者への訓練が全国で安定的に実施されるためには何が必要かを考える場として設けられ、当日は全国から関係者ら約80人もの参加者がありました。

シンポジウムの報告はこちらから見ることができます。