平成医療学園訴訟問題に対する日盲連の取り組み状況(10月14日現在)

2016年10月17日

平成医療学園の訴訟問題について

 平成医療学園専門学校が、あはき法19条による養成施設設置の非認定処分は「職業選択の自由に反している」とし、処分の取り消しを求める訴訟を国相手に起こしました。これは学校側の学科新設の申請に対する、医道審議会の判断を不服としたものです。
 9月5日には、日盲連が主催する「平成医療学園の訴訟に関する対策会議」がホテルグランドヒル市ヶ谷で開かれました。この会議には竹下義樹会長はじめ11名が出席し、今後の対策として有識者を含めたチームを編成し国に対して資料等の提供、裁判の傍聴、裁判官に対するはがき陳情、署名・募金活動を行うことを確認しました。

【写真の説明】平成医療学園の訴訟は、9月4日に開かれた臨時評議員会・第6回理事会においても、大きな懸案事項として報告されました。写真は、理事会の模様です。

 また、9日には大阪地裁で第1回口頭弁論が行われ、法廷傍聴には日本盲人会連合小川幹雄副会長をはじめ、各視覚障害者協会、全日本視覚障害者協議会、日本理療科教員連盟、各視覚特別支援学校の視覚障害当事者・支援者約60名が詰めかけました(傍聴席は35名分)。
 なお、第2回口頭弁論は、11月9日15時から大阪地裁202法廷で行われます。

※東京・仙台における口頭弁論につきましては、下記JBニュースの記事をご参照下さい。
 【9月29日配信】平成医療学園訴訟 東京地裁で第1回口頭弁論/【9月30日配信】平成医療学園訴訟 仙台地裁で第1回口頭弁論

あはき法19条訴訟問題について対策会議を開催

 平成医療学園グループが大阪・東京・仙台の地裁に起こしたあはき法19条違憲訴訟に関する対策会議を10月14日、日本盲人福祉センターを会場に、日本盲人会連合・全日本視覚障害者協議会・日本理療科教員連盟・あはき業界団体・学校教育関係団体など16団体が参加して開催されました。

 冒頭、竹下会長は、視覚障害者を含むあはき業界がどういう立場に立たせられるかが問われる裁判であり、同時に無免許者の横行を含めた現状の中、あんまマッサージ指圧業が視覚障害者の中心的な職業として今後も維持していけるかどうか注目すべき裁判であると述べた。また、今回の非認定処分については国の認可手続きに過ちがなかったという考えのもと運動を進めていきたいとも述べました。

 次に、訴訟に関する研修として、大胡田誠弁護士と理教連・工藤茂事務局長による裁判の内容と争点について説明がなされました。
 続いて、各地裁で行われた第1回口頭弁論の報告の後、今後の対策について、国への情報提供、傍聴への協力、国民に向けての街頭説明と署名活動、はがき陳情、募金活動、声明の発出、あはき推進協議会への協力依頼、国会議員への働きかけ、マスコミへの対応について協議され了承されました。

 最後に、事務局体制について検討され、竹下会長を代表とする全国的な対策組織を立ち上げ日盲連に事務局を設置する、近畿・関東・東北に支部組織を設置し中央組織と連携する、今後は日盲連・全視協・理教連などの代表幹事を中心に対策会議を進め、第1回幹事会では組織の名称・内規・会計監査について検討することで了承されました。

会長ブログ「あはき法19条を死守する」(10月12日公開)から

 ※本文は、10月12日に公開された日盲連会長 竹下義樹による「会長ブログ」から引用したものです。

 昭和39年に視覚障害マッサージ師の経済的地位を確保するため、晴眼者のためのあん摩マッサージ指圧師(以下、「あマ師」といいます)養成施設の設置ないし増員を制限する規定を設けました。そして、今日まで約50年間、あマ師養成施設の新・増設は1件も認められませんでした。

 ところが、本年2月に厚労大臣と文科大臣が平成医療学園のあマ師課程新設の申請を不認定としたことから、仙台地裁、東京地裁及び大阪地裁に裁判を提起しました。

 私たちは、未だ視覚障害あマ師は経済的に困窮し、極めて不安定な経済的地位に置かれていることを踏まえ、あはき法19条を死守し、平成医療学園が提起した訴訟が不当なものであることを裁判所に伝えるとともに、国民に対しても、視覚障害あマ師が置かれた実情を理解していただくための運動を進めなければなりません。

 日盲連は、その運動を視覚障害関係団体の結集によって「オール視覚障害者」の体制で運動を進めるつもりです。そのために、広く関係団体に連帯を呼びかけました。今後、幅広い運動によってこの訴訟の不当性、視覚障害あマ師が置かれた現状を訴えていきたいと思います。

 そのためには、多額の運動資金が必要となります。ぜひ多くの皆さんからこの取り組みに賛同していただき、今後取り組む署名活動にご協力いただくとともに、資金面でのご支援をも心からお願いします。今後カンパの呼びかけを開始しますので、その際はよろしくお願いします。