選挙権の18歳引き下げに伴う教材について緊急に要望

2015年12月18日

 日盲連は、選挙年齢が18歳に引き下げられたことに伴い、11月27日(金)、高市早苗総務大臣と馳浩文部科学大臣に対して、選挙年齢引き下げに伴う高校生等のための副教材製作について、特別支援学校及び高等学校等に在学する視覚に障害のある生徒のために点字や拡大文字などでも配布するよう要望した。
 総務省には同日午前、及川清隆副会長と鈴木孝幸副会長が、文科省には午後から、藤井貢組織部長、工藤正一情報部長が要望書を持参し、それぞれの担当官と意見交換した。
 その中で、総務省の担当官からは視覚障害のある生徒のための教材作成の必要性があり、現在文科省の関係部局と検討に入っている旨回答があった。
 また、文部科学省からは、障害の有無に関わらず、参政権を得るということに関して、特別支援学校等で主権者として力を育むことを指導することは重要であると捉えており、措置を検討中との回答があった。
 日盲連からは、特別支援学校以外も含めて、視覚に障害のある全ての生徒に必要な副教材が行き渡るようにすること。また、教員が視覚障害者である場合、指導用教材についても、同様の配慮をすることなどを要望した。文部科学省側からは、初等中等教育局特別支援教育課並びに教育課程課の担当官が出席した。
 なお、文科省の副教材「私たちが拓く日本の未来」は以下のURLに掲載されている。

  http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shukensha/1362349.htm

 

文部科学省への陳情の様子

文部科学省への陳情の様子

(1)総務省への要望書

日盲連発第96号 
平成27年11月27日

 総務大臣 高市 早苗 殿

社会福祉法人 日本盲人会連合 
会  長  竹下 義樹  

選挙年齢引き下げに伴う「高校生等のための副読本」製作について

 秋冷の候、貴職に置かれましてはますますご健勝の事とお慶び申し上げます。
 また、これまで視覚障害者の選挙権の行使、並びに情報提供に対する特段のご配慮をいただき厚く御礼申し上げます。
 さて、この度選挙権を行使できる年齢が18歳に引き下げられることに伴い、在学中の(あるいは来年度入学する)高校生等のための副読本が配布されることとなったとお聞きしております。
 しかし、特別支援学校及び高等学校等に在学する「視覚に障害のある生徒のために配慮された」副読本は用意されておりません。
 このことは、憲法で定められた選挙権の行使と法の下の平等に照らした場合、「基本的人権の侵害」になるおそれがあり、既に批准された障害者の権利に関する条約及び来年4月より施行される障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律に示されている「合理的配慮の不提供」であると言わざるを得ません。
 つきましては、前記の副読本の一般生徒への配布にあわせて、視覚に障害のある生徒のための点字・拡大文字版の副読本を作製し、配布していただきますよう、特段のご配慮よろしくお願いいたします。

 

(2)文部科学省への要望書

 

日盲連発第96号 
平成27年11月27日

 文部科学大臣 馳 浩 殿

社会福祉法人 日本盲人会連合 
会  長  竹下 義樹  

選挙年齢引き下げに伴う「高校生等のための副読本」製作について

 秋冷の候、貴職に置かれましてはますますご健勝の事とお慶び申し上げます。
 また、これまで視覚障害児童・生徒に対して積極的な教育活動を実施していただいていることに厚く御礼申し上げます。
 さて、この度選挙権を行使できる年齢が18歳に引き下げられることに伴い、在学中の(あるいは来年度入学する)高校生等のための副読本が配布されることとなったとお聞きしております。
 しかし、特別支援学校及び高等学校等に在学する「視覚に障害のある生徒のために配慮された」副読本は用意されておりません。
 このことは、憲法で定められた選挙権の行使と法の下の平等に照らした場合、「基本的人権の侵害」になるおそれがあり、既に批准された障害者の権利に関する条約及び来年4月より施行される障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律に示されている「合理的配慮の不提供」であると言わざるを得ません。
 つきましては、前記の副読本の一般生徒への配布にあわせて、視覚に障害のある生徒のための点字・拡大文字版の副読本を作製し、配布していただきますよう、特段のご配慮よろしくお願いいたします。