ボディーソープ容器の識別化に関する感謝状贈呈
平成27年10月7日(水)、日盲連はボディーソープの容器において容器の側面か上部、又はその両方に「直線状の凸線の印」を配置することでシャンプーやリンスの容器との識別が視覚障害者にも容易におこなえる商品が流通しはじめたことを受け、そのボディーソープ容器の識別化に尽力を頂いた日本化粧品工業連合会に対して感謝状を贈呈しました。
ボディーソープの容器については、かねてより視覚障害者から形が似ているシャンプーやリンスの容器と識別がしづらいという意見があり、改善を求める声がありました。その声を受け、日本国内における化粧品の製造販売業者等の連合体である日本化粧品工業連合会は、会員企業との調整を行い、指で触って分かるようにボディーソープの容器の側面か上部、又はその両方に「直線状の凸線の印」を配置すること推し進め、2014年には日本工業規格(JIS)に採用され、この容器の導入に尽力を頂きました。また、同連合会からは会員企業に対してその容器の準拠要請を行い、既に複数の企業においては容器に直線状の凸線の印が入ったボディーソープを市販し始めており、その普及においても尽力を頂いています。
当日は日盲連からは竹下義樹会長が出席をし、日本化粧品工業連合会・山本順二専務理事に対して感謝状を贈呈しました。竹下会長からは、困難であったボディーソープの識別が容易になった事は大変嬉しいことで、視覚障害者の日常生活の維持と更なる生活の向上を与えてくれたことに感謝の弁を述べられ、この試みをきっかけに他の商品等においても視覚障害者が識別出来る仕組みや工夫が施されるように影響が広がって欲しいと感想を述べられました。
<参考>
ボディソープに、触覚記号がつくまでのパッケージ識別表示の工夫の経過
年 | 事項 |
1992 |
・側面にギザギザがつき、目の不自由な人が、リンス容器と識別できるシャンプー容器の第一号が発売された。 |
1995 |
・缶アルコール上部に点字で「おさけ」と表示された第一号が発売され、各社に広がっていった。 |
1998 |
・家庭用ラップの側面に、Wrap(ラップ)の頭文字”W”が、凸文字で表示され、アルミホイルと触って区別できるようになり、各社に広がった。 |
2000 |
・高齢者・障害者配慮設計指針 -包装・容器 JIS S 0021制定 |
2001 |
・牛乳パック上部に、触覚識別のための切り欠きがつき他の紙パック飲料と触って区別できるようになった。 |
2007 |
・ 高齢者・障害者配慮設計指針 -包装・容器 触覚識別表示JIS S 0022-3制定 |
2010 |
・包装・容器JIS S 0021 国際規格として制定 |
2013 |
・ボディソープの触覚識別の検討を、日本化粧品工業連合会、日本包装技術協会、日本ホテル協会、日本旅館協会、日本盲人会連合、日本点字図書館等で開始した。最終的に日本化粧品工業連合会が提案した、ボディソープ容器側面又は(及び)上部に直線状の凸線をつける案を日本工業規格(JIS)S0021「包装-アクセシブルデザイン-一般要求事項」改定案に推奨することとなった。 |
2014 |
・ボディソープ容器側面又は(及び)上部に凸線をつけることを推奨 |
2015 |
・容器側面又は(及び)上部に凸線がついた第一号のボディソープが発売された。 |