あはき等法制定から70周年を迎える~記念の集い、開かる~

2017年11月16日

 11月5日、東京有明医療大学を会場に「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等法(以下、あはき等法)制定70周年記念の集い」が開催されました。
 これは1947年12月20日にあはき等法が制定され今年で70周年を迎えることから、節目の年を記念すべく、あはき等法推進協議会が主催したものです。

第1部 式典

謝辞を述べる河野紘氏

【写真の説明】謝辞を述べる山口県鍼灸師会前会長 河野氏

 式典では、記念の集い実行委員長の大口俊徳氏の開会の辞に続き、主催団体である あはき等法推進協議会7団体を代表して全日本鍼灸マッサージ師会会長の伊藤久夫氏が挨拶を行いました。
 また、厚生労働省からは大臣官房審議官の椎葉茂樹氏が臨席し、加藤勝信厚労大臣の祝辞を代読しました。

 式典内では厚生労働大臣表彰の授与が行われ、受賞者88名を代表して山口県鍼灸師会前会長の河野紘氏が謝辞を述べました。
 河野氏は、治療効果や副作用のなさを特徴とする伝統医療の素晴らしさを称え、「(伝統医療を)発展させ守り抜くことは我々自身だと思っている」とあはき業への誇りを示します。また、伝統医療の国際化や東洋療法の役割の増大に対応することが、現在の枠組みでは困難であると法の問題点を指摘、それぞれの療法の特徴を伸ばすような法体系にし、しっかりと医療として位置づけられることを願うと述べ、謝辞を締めくくりました。

 式典において厚生労働大臣表彰を受賞した88名のうち、日本盲人会連合からは15名が表彰されました。受賞者を以下に掲載します(順不同・敬称略)。
 及川清隆(岩手県)/鈴木孝幸(神奈川県)/衛藤良憲(大分県)/北上光雄(北海道)/佐藤捷洋(北海道)/森山忠次(青森県)/池田信義(神奈川県)/岡田勝夫(石川県)/竹川三男(福井県)/坂部登志治(福井県)/中村秀文(山梨県)/高橋嘉範(愛知県)/小川正次(三重県)/片岡美佐子(岡山県)/渡邉清恵(広島県)

表彰された日盲連関係者たち

【写真の説明】表彰された日盲連関係者たち

第2部 シンポジウム「あはき師の過去・現在・未来」

竹下会長のスピーチ

【写真の説明】竹下会長のスピーチ

 記念の集いは第2部へ。全日本鍼灸学会顧問の後藤修司氏進行の下、シンポジウム「あはき師の過去・現在・未来」が開かれ、シンポジストたちの発言を通し、伝統医療のこれからについて認識を深める機会となりました。

 登壇したシンポジストは、厚生省入省時にあはき等法の改正に関わった元参議院議員 阿部正俊氏、「鍼灸マッサージを考える国会議員の会」小委員会メンバーであはき師の現状に精通する衆議院議員・元厚生労働大臣 田村憲久氏、弁護士として昭和35年の最高裁判決について言及した日本盲人会連合 竹下義樹会長、知的財産という観点からあはき業の業権保障について見解を述べた東京農業大学客員教授 森岡一氏、以上の4名です。

 田村氏は、「来年のWHOの総会で、疾病分類に伝統医療を位置づけることが決まる。国民の医療の中にも位置づけられている中で、さらに質の担保が必要になる。カリキュラムの見直しで、最低履修時間の設定・単位数の引き上げ、さらに保険制度や職業倫理についても学ぶようにする。受領委任払いについては不正防止策について検討し、できることが前提となるが、今年度中に制度設計を終え、30年度からスタートする」と述べ、続く竹下会長は無免許問題について「処罰されるかされないかが、後になってからでないと分からないというのは刑事法としておかしい。国民の安全という見地から考えるなら、取り締まる体制をもう一度考えないとあはきの発展はない」と力強く訴えました。

登壇したシンポジストたち

【写真の説明】登壇したシンポジストたち。左から順に日盲連 竹下会長、隣が森岡氏・田村氏・阿部氏。