日盲連と都盲協がJR東日本に要望
6月28日、日本盲人会連合 竹下義樹会長と東京都盲人福祉協会 笹川吉彦会長が、JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)に対して「視覚障害者の駅ホーム転落事故防止に係わる要望書」を提出しました。
今回提出した要望書は工事中の駅に関するものであり、内容は以下のとおりです。
1.工事中の駅構内や駅ホーム等においては、視覚障害者に対するより一層の声掛け等の配慮を要望する
2.工事期間中の駅利用者に対しては、工事に関する注意を更に強めることを要望する
この要望に対して、JR東日本からは昨年12月に国交省で取りまとめられた「駅ホームの安全性向上のための中間取りまとめ」等を踏まえ、ハード・ソフト両面の取り組みを進めており、視覚障害者への声掛けもさらに強化していくと回答がありました。
さらに駅構内での工事箇所については、駅の形状や乗客の利用状況を勘案して、(1)警備員の配置・(2)点字ブロックの敷き直し・(3)駅構内放送の強化・(4)自動音声装置の設置・(5)工事詳細のポスター掲出などにより注意喚起を行っていくと述べました。
竹下会長は「工事中の駅では足元が不安定なため、移動がより不安に思う当事者が多くいる。ぜひ人員のさらなる配置をお願いしたい」と述べ、笹川会長は「工事中は普段利用している駅であっても状況の変化により移動等に困難を来すため、工事が予定された際には事前に情報を提供してほしい」と要望しました。
要望書全文
日盲連発第58号 東日本旅客鉄道株式会社 社会福祉法人 日本盲人会連合 視覚障害者の駅ホーム転落事故防止に係わる要望書 昨年度に頻発した視覚障害者の駅ホームからの転落事故に対する、貴社の迅速かつ的確な安全対策の実施には、心より感謝を申し上げます。 今回、事故が発生した駅は工事中であり、誘導や声かけの配慮等が足らなかったと考えられます。特に、通勤通学等で普段から利用している駅において工事を行った場合、普段利用をしている移動経路が使えなくなる、安全確認の判断をしている駅構内の音や床が確認しづらくなる等、様々な要因で移動が困難になります。そのため、工事期間中は通常の環境下よりも誘導や声かけの配慮が更に必要になります。 いつまで続くホームからの転落事故。私たちは普段から危険な環境の下で鉄道駅を利用しています。特に、通勤通学等で利用している慣れた駅ホームであっても、注意を払って利用せざるをえません。また、駅ホームの安全対策は視覚障害者のみの課題ではなく、国民全体の課題であると言わざるを得ません。 1.工事中の駅構内や駅ホーム等においては、視覚障害者に対するより一層の声掛け等の配慮を要望する 2.工事期間中の駅利用者に対しては、工事に関する注意を更に強めることを要望する |