愛盲時報 第222号(テキスト形式・全文)
愛盲時報 第222号 平成21年6月15日(月)
《1.第62回全国盲人福祉京都大会 視覚障害者文化発祥の地京都で》
日本盲人会連合(笹川吉彦会長)と京都府視覚障害者協会(内野正光会長)の主催による第62回全国盲人福祉大会が、5月25日から3日間、視覚障害者文化発祥の地である京都で開催された。新型インフルエンザ国内感染問題の影響が心配されたが、全国から約2500名の関係者が集まり、25日は理事会、評議員会、あはき協議会代議員会、スポーツ協議会代表者会議、26日は第46回全国盲人代表者会議、そして27日は第62回全国盲人福祉大会の式典と議事が盛大に開催された。
*理事会・評議員会
大会初日の5月25日、京都市北区の京都ライトハウスで理事会と評議員会が開かれた。理事会では笹川会長が「新型インフルエンザの影響を心配していたが、予想以上の出席があったことは、この大会の重要性が認識されているということであり、会員・関係者の意気込みを感じる。これをバネとして大会を進めていきたい」と挨拶。翌日開かれる全国盲人代表者会議提出議案の確認や、大会運営等について協議した。
引き続き行われた評議員会では経過報告に続いて、平成20年度事業報告案、並びに決算報告案を本部提案通り承認した。
また、会議終了後に特別イベントとして、5月21日からスタートした裁判員制度について視覚障害者の立場で考える「模擬裁判」が、約250名の傍聴者を前に開かれ、視覚障害者が裁判員となった場合に必要な配慮などの課題を具体的に検証した。
*あはき協議会代議員会
25日は、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師協議会(久米清美協議会長)の代議員会が、全国各都道府県選出の代議員が参加して京都ライトハウスで開かれた。席上、協議・決定された主な事項は(1)平成20年度事業・運動に関する報告と決算・監査報告の承認(2)平成21年度事業・運動方針、予算などであった。
事業計画では原案に「19条を死守する運動」を加えること、予算では例年、加盟団体が3万円ずつ負担している会計から日盲連本部に対し、120万円の人件費を納入していることへの見直しを含めて決定された。
運動方針の具体的内容は久米会長に委任され、人件費負担問題は日盲連の「財政検討委員会」の議論を含めて解決して行く方向とされた。
*スポーツ協議会代表者会議
25日は、京都市北区の京都ライトハウスで、スポーツ協議会(鈴木(すずき)孝(たか)幸(ゆき)協議会長)の代表者会議が開催された。会議に先立ち、第4回通信競技大会の表彰式が行なわれ、入賞者26人に表彰状並びにメダルが授与された。会議では平成20年度事業、決算報告を承認、引き続き平成21年度事業計画案、同予算案を審議した。そのほか、9月に行われる第4回スポーツ研修大会開催地の長崎県から、その概要が報告された。また、ブロック強化事業では、今年度は中国ブロックの事業が認められ、その内容について各団体でも申し込みができるよう検討することとなり、常任委員会に付託された。なお、ユニフォームの調査に関しては、一般国体と障害者スポーツ大会との違いに関して、全国調査を再度行うこととなった。執行部からはメーリングリスト(supokyou@jfb.jp)を活用して情報交換を推進したいとの呼びかけが行なわれた。
*第46回全国盲人代表者会議
大会2日目の5月26日は、第46回全国盲人代表者会議が京都市下京区のホテルグランヴィア京都で開かれた。午前の全体会議では平成20年度決議処理報告に続いて平成21年度運動方針案を審議、いずれも本部提案通り承認された。
運動方針案の主な項目は、(1)就労と所得保障(2)障害者自立支援法の改正(3)障害者基本法の改正と障害者権利条約の批准(4)差別禁止法の制定促進(5)あん摩師等法第19条の堅持とタイスパセラピー阻止(6)すべてのバリアの解消(7)裁判員制度への対応(8)理療科教員のレベルアップと統合教育の充実(9)災害時への対応(10)組織の拡大強化(11)国際交流。午後からは「生活」「バリアフリー」「職業」の3分科会で、各団体からの提出議案を討議し、再度開かれた全体会議で各分科会報告が行われた。
*大会式典
「第62回全国盲人福祉大会」最終日の27日は、京都市左京区の国立京都国際会館に、全国から関係者約2500人が集まり、盛大に大会式典が開かれた。内野正光京都府視覚障害者協会会長の歓迎の言葉、笹川吉彦日本盲人会連合会長の主催者挨拶に続いて、山田啓二京都府知事、門川大作京都市長から祝辞が述べられた。続いて日盲連顕彰等受賞者に表彰状、感謝状が贈呈され、厚生労働、文部科学両大臣の祝辞が代読された。
大会議事では、平成20年度決議処理報告、平成21年度運動方針案を執行部の報告・提案通り全会一致で可決した後、宣言・決議も全会一致で採択された。続いて、秋田県視覚障害者福祉協会の煙山貢会長より、来年度の第63回全国盲人福祉大会を同県で開催する旨の報告がなされ、3日間にわたる大会の幕を閉じた。
《2.大会宣言》
歴史に輝く千年の古都、ここ京都に全国から2500名の視覚障害者が相集い、第62回全国盲人福祉大会京都大会を盛大に開催し得たことは望外の喜びであります。これは京都府、京都市をはじめ、行政機関のご援助、市民のご理解、開催準備に当たられた社団法人京都府視覚障害者協会のご尽力の賜物であることに参加者一同、心から感謝申し上げます。
日盲連は結成以来、60年余、視覚障害者の様々な要求を実現すべく活動して参りました。未だ不十分な点も多く、更に強力な運動展開が求められます。
まず、昨年5月3日、発効した国連障害者権利条約の批准に向けて、国内法整備を急ぎ「障害者差別禁止法」制定と、各自治体の「差別禁止条例」制定運動が必要です。又、平成18年10月完全施行「障害者自立支援法」の見直しで、私たちにとって不可欠な移動援助、コミュニケーション支援が十分得られるよう、又、障害程度区分に於いて不利とならないよう、完全な経済的自立と社会参加が得られるよう、運動を強化しなければなりません。
視覚障害者唯一の職業とも言える鍼灸マッサージを守る為、この法制度を根本から揺るがすタイスパセラピー導入、無資格・違法類似業者の氾濫を全力で阻止しなければなりません。これ以外の職域開拓、中途障害者の元職復帰も重要な課題であり、その職業訓練、職業リハビリテーションの充実が急がれます。
バリアフリー新法による整備にも関わらず毎年、多くの視覚障害者がホーム転落、転落死に見舞われています。建築物、交通機関の完全バリアフリー化を運動して参ります。
全てのIT情報の視覚障害対応化、情報の点訳・音訳、音声コード化等、情報バリアフリーに努めるとともに、人々の心に潜む差別観の解消等、内なるバリア解消に努めます。
視覚障害児が地域の学校で専門性ある教育を受けられるよう、センターとしての視覚障害特別支援学校の専門性充実を要望します。
高齢化の進む中、各地域に於ける視覚障害者団体組織強化と情報共有化に努めます。
私たちは社会を構成する一員として、社会に貢献し、生きがいのある生活を送ることを目標に、本大会を契機に力強く前進することをここに宣言します。
《3.大会決議》
1.世界的な経済恐慌から生活を守るため、働く場を保障するとともに、障害基礎年金を1級は月額12万円以上に、また、2級は月額8万円以上に引き上げるよう強く要望する。
1.障害者自立支援法改正後は、可及的速やかに各施策が実施され、その趣旨が十分生かされるよう強く要望する。
1.障害者基本法の改正にあたっては、障害者権利条約の理念が十分反映されたものとなるよう、また、障害者権利条約が早期批准されるよう強く要望する。
1.障害者問題を根本的に解決するため、障害者差別禁止法の制定を急ぐよう強く要望する。
1.はり、きゅう専門学校におけるあん摩マッサージ指圧科併科を認めないよう当局に強く求めるとともに、タイスパセラピーの導入を阻止するよう当局に強く要望する。
1.裁判員制度の実施にあたっては、視覚障害裁判員が他の裁判員と同等の条件のもとで参加し、的確な判断が下せるよう資料の点字化、音声化などの条件整備を強く要望する。
1.視覚障害者の社会への完全参加と平等を実現するため、交通機関等の音声システムの導入をはじめ情報の点字化、音声化、テレビ放送の副音声化、利用しやすいICT機器の開発など、全てのバリアを解消するとともに、基本となる心のバリア解消のための積極的な方策を講ずるよう強く要望する。
1.視覚障害者の重要な職種である、はり、きゅう、マッサージ師の資質向上を図るため、筑波技術大学学部の上に2年間の特別専修科を設置し、理療科教員のレベルアップを図るとともに、統合教育の一層の促進を強く要望する。
1.各自治体が災害時に際し、障害者や高齢者に対し的確に対応するための体制づくりを推進するよう強く要望する。
《4.日盲連顕彰等受彰者の方々》
(敬称略)
【村谷昌弘福祉賞】板垣成行(鳥取県)
【礎賞(組織功労)】山内清一(青森県)、及川久雄(仙台市)、海老原長臣(茨城県)、横井由夫(名古屋市)、村上理(京都府)、安武慶吉(音楽協)、
【青い鳥賞】松嶋文雄(埼玉県)、戸栗すず子(山梨県)、森田和子(石川県)、竹内紀子(福井県)、点訳グループむつみ会(熊本県)、西表孫称(沖縄県)
【ブライトスター賞】南舘輝夫(青森県)
【光の泉賞(内助等功労)】大浅馨(北海道)、野口總子(千葉市)、太刀川道子(新潟県)、佐藤叡子(静岡県)、清水正美(大阪市)、中神裕見子(広島市)、武智登喜子(愛媛県)
【光の泉賞(福祉貢献)】三浦ツエ(岩手県)、阿部央美(群馬県)
【永年勤続表彰】永井麻美(日盲連・東京都)、塚田まゆみ(日盲連・東京都)、譜久島和美(日盲連・東京都)
【感謝状】社団法人京都府視覚障害者協会
《5.点字ビッグイベント開催》
ルイ・ブライユ生誕200年石川倉次生誕150年
日本盲人会連合では、今年が6点点字を考案したルイ・ブライユ(フランス)の生誕200年、その点字を日本語に翻案した石川倉次の生誕150年という点字の歴史における大きな節目に当たることから、関係団体と協力して「点字ビッグイベント」を開催することとなりました。
*開催概要
【主催】社会福祉法人日本盲人福祉委員会(全国盲学校長会、社会福祉法人日本盲人会連合、社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会)、日本点字委員会
【会期】平成21年10月31日(土)~11月1日(日)
【各イベントの日程】
(1)作文コンクール:募集・5月1日~9月5日
(2)点字競技会:10月31日13時~11月1日11時30分(戸山サンライズ2階・大中会議室)
(3)点字資料等の展示:10月31日14時~11月1日16時(同2階・中研修室)
(4)記念式典:11月1日13時~15時(同2階・大中会議室)
(5)海外点字普及支援
※各イベントについての詳細と、申し込み方法等は次の通りです。
《6.点字競技会の出場者を募集します!!》
【主催】日本盲人福祉委員会、日本点字委員会
【会期】平成21年10月31日(土)~11月1日(日)
【会場】全国障害者総合福祉センター「戸山サンライズ」
東京都新宿区戸山1-22-1
地下鉄東西線「早稲田駅」から徒歩約10分
地下鉄大江戸線「若松河田駅」から徒歩約10分
【参加資格】視覚障害者で身体障害者手帳所持者(中学生以上)であり、点字触読者であること
【競技種目】第1日目:聞き書き、写し書き(いずれも2分間一斉)第2日目:速読み(1分間個別)
※使用筆記具は標準点字盤(18行32マス)
【申込受付】平成21年5月1日~平成21年7月31日(必着)
※参加者100名の先着順となりますので、締切日前に申込受付を終了する場合がありますが、ご了承ください。8月以降に申込者全員に決定の可否を連絡します。
【成績発表・表彰】各種目別及び3種目総合で上位の成績を収めた方を、記念式典で表彰
【宿泊費等】主催者指定のホテルに宿泊する場合は、参加者1名と付添者1名の計2名分まで主催者が負担します。指定ホテル以外の宿泊については、参加者側でご負担願います。
【申込方法】葉書、Eメール、FAX等の文書により、次の事項を墨字でご記入の上、ご送付下さい。
1.氏名(漢字・ふりがな)、年齢、性別、郵便番号、住所、電話番号
2.付添者の有無(有りの場合は氏名)
3.宿泊の有無及びツイン、シングルの希望
4.その他(以下の該当項目があれば記載)
(1)過去の点字競技に関する参加状況や、成績
(2)車いす使用・盲導犬使用
【問い合わせ先】日本盲人会連合 組織部団体事務局
〒169-8664東京都新宿区西早稲田2-18-2
電話:03-3200-0011/FAX:03-3200-7755
Eメール:jim@jfb.jp
《7.海外の視覚障害者に点字器を贈ろう!!》
日本盲人会連合では、発展途上国の視覚障害者を支援するため、不要となった点字器または懐中定規などをお持ちの方に、寄付をお願いしております。ご提供いただいた点字器は、同イベント実行委員会が責任をもって海外の発展途上国の方々にお送りします。
なお、ご寄付いただく点字器・懐中定規は点筆付きで使用可能なものに限らせていただき、送料はご負担下さいますようお願い申し上げます。
【送り先】日本盲人会連合総務部
〒169-8664 東京都新宿区西早稲田2-18-2
電話:03-3200-0011
《8.海外点字普及・支援事業へ募金のお願い》
日本盲人福祉委員会では、発展途上国の視覚障害者支援のための点字器・点字用紙寄贈の経費について広く募金を行います。経済情勢厳しい折ですが、趣旨にご賛同の上、ご協力賜わりますようお願い申し上げます。
【期間】平成21年5月1日~平成21年9月30日
【募金単位】1口1000円
【送金方法】郵便振替
口座番号:00190-2-701753
加入者名:社会福祉法人日本盲人福祉委員会 理事長 笹川吉彦
【問い合わせ先】日本盲人福祉委員会
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-18-2
日本盲人福祉センター内
電話:03-5291-7885/FAX:03-5291-7886
Eメール:welblind@nifty.com
《9.各省庁に一斉陳情 大会決議事項まとめ要望書》
日本盲人会連合は6月3日、東京・西早稲田の日本盲人福祉センターで総合企画審議会と理事会を開き、第62回全国盲人福祉大会における決議処理に基づく要望項目をとりまとめ、翌4日に東京・霞が関(かすみがせき)の厚生労働省ほか関係各省庁に一斉陳情した。主な項目は次の通り。
【厚生労働省】
A.あん摩マッサージ、はり、きゅう関係:(1)無資格類似行為者の徹底取り締まり(2)新しい晴眼あん摩師養成施設を認可しないよう要望(3)柔道整復師による保険不正請求を厳しくチェックし療養費を健全化(4)はり、きゅう専門学校におけるあん摩マッサージ指圧科併科を認めないよう要望(5)タイスパセラピー導入絶対阻止
B.雇用・就労:(1)ハローワークで施術所等の無届け業者から求人票を受理しないよう要望(2)重度視覚障害者の雇用率を明らかにするとともに、公的施設及び一般企業等に視覚障害マッサージ師優先雇用を指導(3)就労・就業支援のためにガイドヘルパー及びヒューマンアシスタントを利用できるよう制度改善(特にあはき開業者の事務、往療)(4)視覚障害者就労支援対策の具体化、とりわけ三療を含む視覚障害者の適職を就労支援事業として位置づけ(5)高齢者施設等の機能訓練指導員は有資格者と定め、視覚障害者枠を設ける等、雇用促進(6)ロービジョン対策として、視能訓練士の活動範囲を福祉施設や医療機関にも拡大(7)障害者自立支援法見直しにあたり、視覚障害者のための職業訓練及び、就労支援の具体化(8)中途失明者の社会復帰を円滑に進めるため、医療機関、リハビリテーション機関及び福祉機関の連携を強化し、職業的自立を可能に
C.障害者自立支援法:(1)ガイドヘルパーの利用可能要件拡大と地域間格差解消。とりわけ時間制限を撤廃し、通院時のガイドヘルパー利用を(2)移動支援事業を自立支援給付事業に移行する場合は、あらゆる社会参加に利用できるよう支給量を保障(3)視覚障害者を介助する移動支援者に代筆、代読を認める(4)代筆・代読サービスをコミュニケーション支援事業に位置付け(5)障害者自立支援法における障害支援区分項目には視覚障害の特性を加え、状況を正しく反映させる(6)障害等級1級は障害支援区分3以上に位置付け、デイジー録音再生機を補装具として個別給付(7)日常生活用具の給付対象品目や、移動支援等地域生活支援事業の地域間格差をなくすため一定の指針を(8)重度視覚障害者にも点字ディスプレイを日常生活用具として支給。音声体温計・体重計・火災報知器などは、晴眼者と同居している場合も日常生活用具として給付。プレクストーク等情報機器を3級以上の視覚障害者に日常生活用具として支給(9)障害者自立支援法が改正された場合は、可及的速やかに各施策が実施されるだけではなく、視覚障害者の意見の聴き取りを
D.障害者権利条約:(1)障害者権利条約締結にあたって国内法規等を整備し、障害者差別禁止法制定を(2)障害者権利条約の合理的配慮義務にかかわる分野の協議に視覚障害者の参加を(3)障害者基本法改正にあたっては障害者権利条約の理念を十分反映
E.その他:(1)世界的な経済恐慌から生活を守るため、雇用の保障とともに、障害基礎年金1級月額12万円以上、2級月額8万円以上に引き上げ、無年金障害者手当の増設を(2)障害者自立支援法見直しにあたっては、歩行訓練指導員、生活指導員のレベルアップと増員を(3)視覚障害者または家族が入院した際、ホームヘルパーを利用できるように(4)家族の急病等で視覚障害者が病院に付き添う際に時間帯を問わず移動支援サービスを(5)盲養護老人ホームへの入所を身障1・2級に限定する旨の取扱い(通達)はやめて(6)商品価格や賞味期限などを大きな文字で表示(7)視覚障害者情報支援センター(仮称)設置を都道府県に義務付け、運営を日盲連加盟団体が優先的に受託できるようにし、コーディネート事業を同センターで実施(8)高齢者施設等における機能訓練指導員は有資格者と定めるとともに、視覚障害者枠を設ける等、雇用促進。あはき以外の職種開拓へ施設整備(9)障害者自立支援法見直しにあたっては、視覚障害者のための職業訓練及び、就労支援の具体化(10)情報の点字化・音声化等、テレビ放送の副音声化、利用しやすいICT機器の開発など、全てのバリアを解消し、心のバリア解消のための積極的な方策を
【外務省】(1)障害者権利条約締結にあたっては、国内法規等整備、とりわけ障害者差別禁止法制定を(2)障害者権利条約の合理的配慮義務にかかわる分野の協議に視覚障害者の参加を(3)タイスパセラピーの導入を絶対阻止
【法務省】(1)障害者権利条約締結にあたっては、国内法規等整備、とりわけ障害者差別禁止法制定を(2)障害者権利条約の合理的配慮義務にかかわる分野の協議に視覚障害者の参加を(3)タイスパセラピーの導入を絶対阻止
【内閣府】(1)大災害時の避難場所は障害別に確保し、障害者の救助は消防署員・警察署員・自衛隊員など専門の方が当る(2)各自治体が災害時に障害者・高齢者に的確に対応するための体制づくり推進
【金融庁】金融機関のATMを音声化し、窓口での行員による代筆・代読、本人確認が身体障害者手帳の提示で認められるよう要望
【経済産業省】(1)地上デジタル放送完全移行に当たり、視覚障害者が全ての機能を使えるような機器の開発と、通常価格での購入(2)トイレ内操作ボタン等の配置は標準化(JIS規格化)し周知徹底。ガス器具、自動販売機、電化製品、リモコン等の点字表示義務化と、説明書を点字または音声化するよう行政指導(3)商品価格などを大きな文字で表示するように販売業者を指導(4)情報の点字化、音声化、テレビ放送の副音声化、利用しやすいICT機器の開発など全てのバリア解消と心のバリア解消のための積極的な方策(5)ハイブリットカーのメーカーに車の接近を知らせる方法についての呼びかけ(6)タイスパセラピーの導入を絶対阻止
【財務省】消費税を仮に増税する場合は、障害基礎年金増額など所得保障と併せて
【文部科学省】(1)視覚障害者三療師の技術向上のため、盲学校での卒後教育を(2)はり、きゅう、マッサージ師の資質向上を図るため、筑波技術大学学部の上に2年間の特別専修科を設置し、理療科教員のレベルアップを(3)統合教育の一層の促進
【国土交通省】
A.安全な移動の確保:(1)新幹線「のぞみ」をジパング倶楽部の適用範囲に加え、JR特急料金5割引と単独割引の距離制限撤廃を(2)有料道路の料金割引を視覚障害者が同乗する全ての車両で身体障害者手帳の提示のみで(3)JR駅構内の誘導ブロック敷設の際は事前に地元視覚障害者(団体)の意見聴取を。列車内、鉄道施設等のトイレ、エレベーター、エスカレーター等に音声案内設置(4)視覚障害者が介助者と公共交通機関に同乗する際にICカードなどで障害者割引を利用できるシステムを全国的に実施(5)鉄道ホームの列車発着案内放送で「黄色い線の内側に」を「黄色い誘導ブロックの内側に」に(6)エレベーターの音声案内マニュアル作成をメーカー及び施設設置者に指導(7)ハイブリットカー等のメーカーに視覚障害者に車の接近を知らせる施策を講ずるよう指導(8)音声案内や拡大文字掲示を標準化するための法的整備を
B.情報技術に係わるバリアフリー:(1)交通機関等の音声システム導入など全てのバリア解消と心のバリア解消のための積極的な方策
【警察庁】(1)大災害時の避難場所は障害別に確保し、障害者の救助は消防署員・警察署員・自衛隊員など専門の方が積極的に行うよう指導(2)無資格、無免許者の徹底取り締まり(3)エスコートゾーンを横断歩道に必須と位置づけ、音響式信号機と併せて普及(4)自転車の夜間無灯火走行取り締まり徹底
【日本郵政株式会社】(1)全ての葉書に切り込みを(2)第3種・第4種郵便悪用の煽りを受けて盲人用郵便の無料配達制度が廃止されないよう制度継続
【最高裁判所】(1)視覚障害裁判員、裁判員候補者の安全な移動の保障と文書等資料の点字・音声での提供(2)視覚障害裁判員が同等の条件のもとで参加し、的確な判断が下せるよう資料の点字化、音声化など条件整備
【総務省】
A.情報技術に係わるバリアフリー:(1)地上デジタル放送への完全移行に当たり、解説放送充実、テレビの緊急字幕放送副音声化、文字放送音声化またはその他の手段による視覚障害者への情報保障(2)視覚障害者のデータ通信に割引制度を実施するよう指導(3)NTTの光電話でナンバーアナウンスサービスを
B.その他:(1)選挙公報全文を点訳、音訳、拡大文字、音声コード化し、視覚障害有権者の選挙権を保障(2)ラジオ難聴地域解消(3)地方公共団体からの発行物に総て音声コード貼付、あるいは点訳文書添付(4)大災害時の避難場所は障害別に確保し、障害者の救助は消防署員・警察署員・自衛隊員など専門の方が積極的に行うよう指導(5)情報の点字化、音声化、テレビ放送の副音声化、利用しやすいICT機器の開発など、全てのバリア解消と心のバリア解消のための積極的な方策を
《10.短信》
厚生労働省人事
社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室長に矢田宏人氏が就任
加盟団体新会長就任(敬称略、カッコ内は前会長)
特定非営利活動法人山形県視覚障害者福祉協会:山内文夫(渡辺敏蔵)
社団法人福島県盲人協会:阿曽幸夫(柏谷勲)
社団法人山梨県視覚障害者福祉協会:長澤誠(相吉堯春)
社会福祉法人富山県視覚障害者協会:中西美雄(二口伸幸)
財団法人愛媛県視覚障害者協会:惟任力義(楠本光男)
社会福祉法人大分県盲人協会:衛藤良憲(吉野英明)
春の叙勲・褒章
千葉市視覚障害者協会の岡田正平会長(77、日本盲人会連合理事、元千葉県視覚障害者福祉協会会長)が旭日双光章を受章
訃報
日本盲人会連合元参与・牧田克輔氏が5月29日、逝去された。73歳。告別式は31日、東京・外神田の千代田万世会館でしめやかに営まれた。喪主は妻の新子さん。『点字毎日』編集長を経て日盲連情報部長に就任、『日盲連五十年史』の編纂、『愛盲時報』や点字・録音版広報誌等の企画・編集を通じて、視覚障害者への情報提供推進に尽力した。