愛盲時報 第217号(テキスト形式・全文)
愛盲時報 平成20年4月25日 第217号
1.笹川会長5期目再選 新役員選出 日盲連理事会・定期評議員会等開く
日本盲人会連合の平成19年度第6回理事会と指導者研修会並びに平成19年度定期評議員会が、3月24、25の両日、東京・芝の東京グランドホテルで開催された。24日の理事会では平成19年度補正予算案、平成20年度事業計画案、同予算案、日本盲人福祉センター建設などについて審議が行われ、第61回全国盲人福祉大会の準備状況などが報告された。同日開かれた指導者研修会では「障害者権利条約 国連総会における採択までの経緯と概要」をテーマに講演と質疑応答が行われた。
25日の定期評議員会では、任期満了に伴う役員改選の結果、笹川吉彦現会長が再選された。笹川会長は5期目。また、3人の副会長には、竹下義樹、時任基清、前川昭夫の3氏が再選され、現執行部体制の継続が決まった。新執行部の任期は平成22年3月31日までの2年間。
そのほか評議員会では平成20年度事業計画案、予算案等を審議。4月末に完成予定の新日盲福祉センターを拠点に、より充実したサービス提供を目指すことや、視覚障害者の自立と社会参加推進に向けた移動支援事業充実などへの取り組みを進めること、また成立後3年を経過した障害者自立支援法の見直しに積極的に取り組むことなどを確認。これらの事業を推進するため、計10億9218万5000円の20年度予算を承認した。
【日盲連新役員の顔ぶれ】
会長:笹川吉彦(東京・再)
副会長:竹下義樹(京都・再)、時任基清(東京・再)、前川昭夫
(広島・再)
常務理事:東山文夫(東京・再)
理事(北から):佐川俊樹(札幌市・新)、小島伸公(岩手・再)、本多操(茨城・再)、渡辺哲宏(東京・再)、岡田正平(千葉市・再)、鈴木孝幸(神奈川・再)、小山尊(福井・再)、内田順朗(三重・新)、田澤勝男(滋賀・新)、柿内健作(大阪市・再)、小川幹雄(島根・新)、久米清美(徳島・再)、染井圭弘(福岡市・新)、石渕貞次郎(熊本・新)
監事:槇野勝信(大阪・再)、齊藤績(札幌市・新)、片石修三(埼玉・新)
*日盲連平成20年度事業計画案の主な項目
1 新日本盲人福祉センター
本年4月末に完成予定の日本盲人福祉センターの運営にあたっては、より充実したサービス提供ができるよう、また移転にあたっては日常業務の中断を最小限度にとどめるよう万全を期す
2 組織・団体活動の推進
(1)障害者自立支援法への対応
(a)市町村が実施主体となったために生じた地域間格差の是正改善要望並びに加盟団体における会員への情報提供
(b)平成19年11月に設置された移動支援事業所等連絡会における情報交換、研修会等開催と加盟団体の増加を図る
(c)移動支援事業及びコミュニケーション支援事業の実施状況等把握のための調査研究
(2)バリアフリーへの対応
IT等を活用した情報機器の研究開発促進及び購入費の補助等要請と、交通機関及び道路環境の更なるバリアフリー化の促進要請、特に科学技術を導入した補助装置開発の促進要請、公共交通機関については弱視者にも配慮を要請
(3)第61回全国盲人福祉大会の開催
全国の視覚障害者が一同に会し、新日本盲人福祉センターの完成を祝うと共に、当面する視覚障害者施策等の諸問題を討議する
(日程等は5.に掲載)
(4)全ての市町村での組織確立と各団体の要求運動の前進を目指す
(5)各種研修大会、スポーツ大会等の開催
○第34回全国盲人文芸大会:
[募集作品]俳句、川柳、短歌、随想・随筆
[募集期間]7月1日~8月31日
[入選作品の発表]11月下旬
○第54回全国盲女性研修大会:7月28日(月)~30日(水)、愛媛県松山市
○第54回全国盲青年研修大会:9月13日(土)~15日(月)、岡山県岡山市
○第5回全国視覚障害者卓球大会:9月14日(日)~15日(月)、東京都多摩障害者スポーツセンター(東京都)
○第8回全国障害者スポーツ大会「チャレンジ!おおいた大会」(後援):10月11日(土)~13日(月)、大分県
○第14回フロアバレーボール大会:平成20年11月2日(日)~3日(月)、神奈川県座間市
○第32回全国盲人将棋大会:11月2日(日)~3日(月)、広島県広島市
○第23回全日本視覚障害者柔道大会(後援):11月24日(月)、講道館(東京都文京区)
○第3回全国視覚障害者スポーツ研修大会:日時・場所未定
○第9回全日本グランドソフトボール大会:日時・場所未定
3 日本盲人福祉センター事業の実施
【第2種社会福祉事業】
(1)全国視覚障害者団体に対する連絡及び助成事業の実施
点字日本、日盲連アワー(録音テープ)、点字JBニュース(電話ナビゲーション含む)、愛盲時報による定期的情報提供、厚生労働省等他団体からの情報を提供、ブロック大会等への役員を派遣し意見交換、組織の連携強化を図る
(2)更生相談所の設置経営
更生相談のほか更生労働省委託事業である全国盲人生活相談事業の継続、法律相談、眼科相談、生活相談の実施
(3)点字図書館の設置経営
蔵書の拡充と登録者の拡大、「図書館ニュース」の発行等情報提供、デイジー図書の充実、ないーぶネットとの連携強化
(4)点字出版所の設置経営
厚生労働省委託事業の「点字厚生」「ワールドナウ」発行、自治体の広報点字版作成、パンフレットや点字表示の受注、点字選挙公報の提供
【公益事業】
(1)福祉一般に関する調査、研究、改善普及、情報宣伝活動及び文化向上に関する事業
(2)あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう等の生業の安定及び職域拡大のための調査研究、改善普及並びに医療保険取り扱い等経営の指導普及事業
あん摩師等法第19条改正要望、無資格者一層運動、健保請求事務代行、研修会開催、機能訓練指導員への優先採用働きかけ、タイ・スパセラピー反対運動など
(3)国内及び海外の関係団体との相互交流、協力事業
関係省庁の審議会等に代表者派遣、国際活動への参画と海外団体との交流、WBU(世界盲人連合)総会等への役員派遣など
(4)その他の事業
点字ニュース即時提供事業(厚生労働省補助)、電子メール配信等による情報提供、「声の広報 厚生」(厚生労働省委託)等作成・配布、JBS日本福祉放送番組「セブンデイズ日盲連」作成等、盲人用具販売斡旋事業(厚生労働省委託)、福祉関連機器の情報収集と取り扱い商品の拡充推進、東京都委託による広域ガイドヘルパーネットワーク事業並びに点訳・朗読奉仕員指導者養成事業など
*あはき協議会委員会
日本盲人会連合のあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師協議会(あはき協議会、桜井俊二協議会長)の委員会が3月25日、東京・芝の東京グランドホテルで開かれ、笹川吉彦日盲連会長、桜井協議会長他、
各ブロック代表委員などが出席した。
会合では、東京モード学園のあん摩マッサージ指圧科反対運動、国民を無資格類似業者から守るビラ配り運動などについて熱心な討議が行われた。また、平成19年度事業中間報告並びに会計中間報告を承認、平成20年度事業計画(運動方針を含む)と平成20年度予算を決定した。
*女性協全国委員会
日本盲人会連合女性協議会の常任委員会、全国委員会、研修会並びに代表者会議が3月25、26の両日、東京・芝の東京グランドホテルで開かれた。平成19年度事業並びに収支決算報告(中間)、平成20年度運動方針案、事業計画案、予算案についてはいずれも原案通り承認。そのほか6月に開かれる日盲連の第61回全国盲人福祉大会提出議題、7月に開催予定の第54回全国盲女性研修大会の研修テーマなどについても審議を行った。任期満了に伴う役員改選では、新協議会長に新城(しんじょう)育子(いくこ)氏を選出、加賀谷(かがや)睦子(むつこ)氏が新たに副協議会長に選出された。
【日盲連女性協議会新役員の顔ぶれ】
協議会長:新城育子(熊本・新)
副協議会長:煙山秋子(秋田・再)
前田美智子(神奈川・再)
加賀谷睦子(東京・新)
2.ようこそ新センターへ!! 視覚障害者福祉の新たな拠点西早稲田に
(1)はじめに
新日本盲人福祉センター建築工事は、平成19年8月に着工し、本年4月末には竣工する運びになりました。現在、工事は予定通り順調に進んでいますが、一足早く皆様方に新しいセンターの概要をお知らせします。なお、工事施工業者は熊谷組、設計監理は小野富雄建築設計室です。
(2)建物の所在地について
所在地は、現施設から北東方面に300メートルの住宅地にあります。住所は、新宿区西早稲田(にしわせだ)二丁目18番2号となります。現在、明治通りに沿って池袋と渋谷を結ぶ東京メトロ副都心線(埼玉県和光市(わこうし)から直通あり)の工事が行われており、本年6月14日に開通する予定です。副都心線の最寄駅は西早稲田(にしわせだ)駅で、新センターからは100メートルの距離になります。
さてここからは、竣工後の新センターの姿をイメージしていただきながら、詳しくご案内することにしましょう。建物の東側には民家が3軒隣接し、北側はインド大使官邸があります。西側は教龍寺というお寺と、空き家の民家があります。なお、本年6月ごろから1年間、道路をはさんだ南側で5階建ての民間マンション建築工事が行われますが、歩行者の安全確保には、十分な配慮を行うようお願いしています。
(3)建物の規模構造について
敷地面積は818.84平方メートルで、現在地の約2倍になります。建物は、鉄筋コンクリート造り、地上3階建て、建築面積474.78平方メートル、延べ床面積は1309.95平方メートルです。現在の建物の約1.5倍の床面積になります。
(4)施設の各室配置について
玄関は南面になり、二重の自動扉(中間は風除室)を入るとエントランスホールです。右側(東側)は受付カウンターがある総務課の部屋になっており、反対の左側(西側)には点字案内板が設置されています。
建物の平面配置は、基本的に南北の廊下を挟み、東側に事務室・執務室を配置、将来の模様替え等に対応できるようOAフロアーとしています。西側は、南から北に向かって階段室・エレベーター室・トイレ・湯沸し室を設置。各部屋の出入り口は、衝突防止のため引き戸になっています。
玄関の入り口は建物の中央部分になりますので、用具購買所までの通路は直線になります。西側の階段室・エレベーター室・トイレ等の部屋は、面積を要しませんので、用具購買所から左折・右折の通路となっています。1階のエントランスホール奥には、正面に用具購買所のカウンターがあります。その奥(北側)には点字出版所があります。
次に2階をご案内します。エレベーター室・階段室は隣接しており、エレベーター室の前は、待合室を兼ねたロビーホールとなっています。その奥(東側)には、会長室と会計課の部屋があります。
南側は団体事務局・情報部・日マ会の事務室になっています。北側は約100名収容の会議室兼研修室があり、3部屋に仕切って使うこともできます。2階奥(北側)には更衣室、コンピューターサーバー室があります。
次に3階をご案内します。廊下の西側は1階・2階と同様、階段室等があり、南側は点字図書館、北側は録音製作所が設置されています。
点字図書館には、音訳ボランティアが使用する録音ボックス2室のほか、点訳・音訳ボランティアの部屋も設置されています。録音製作所には、編集事務室、ダビング室のほか、録音室(ブース)を3室設けています。3階奥(北側)には、点字校正室があります。
屋上をご案内します。屋上へは外部階段で昇ります。電気関係、消防関係の機器を北側に設置しますので、この部分は立ち入り禁止です。従って、南側約120平方メートルが憩いの場となります。危険防止のためアルミの手摺りを設置し、周回用に点字誘導ブロックが敷設されています。
(5)設備関係について
最初に省エネ関係について説明します。ランニングコストの節約のため、各セクションの照明器具等のスイッチは、各室単位で切り替を行います。階段室は常時点灯しますが、人が通ると照度がアップします。
トイレは、人間の出入りを感知する人感(じんかん)センサーにより照明を点灯。トイレ手洗い場及び便器の排水も自動センサーで行われます。2階男女トイレの間には、車椅子使用者等に対応するため、多目的トイレが設置され、ベビーチェアーが付設されています。
次に火災予防・防犯事故対策等について説明します。各室には煙感知器等が設置されています。各階の湯沸し室の熱源は、危険防止のため電気を使用。外部からの不審者侵入対策として、正面及び非常階段付近には監視カメラが設置されています。各室の人感(じんかん)センサーが休日や夜間に不審者の行動を察知すると、警備会社による見回りが行われます。
非常階段は、各階とも北西角地に設置されています。エレベーターは11人乗りで、障害者対応の機種です。
(6)資金計画について
建設工事費、初度設備費、竣工式経費及び引越経費等、すべての総事業費は5億3400万円を見込んでいます。これらの財源は、会員及び経済界等の寄付金1億4500万円、日本自転車振興会補助金7700万円、現在地の売却費3億1200万円としています。
(7)引越計画
建物の竣工は4月末日を予定し、5月初旬には引渡しを受けます。第1週は、別業者による電話機器の設置、LAN機器工事、ブラインド取付け工事、図書館電動書庫の解体移設工事、録音ボックスの解体移設工事及び新規備品の搬入等を行い、その後、約1週間にわたり引越作業を行う予定です。この期間中は、通常業務の一時中断や遅延が予想されます。
皆様方にはご迷惑をおかけしますが、ご理解ご協力をお願いする次第であります。
3.新センターへの移転に伴う臨時業務態勢
新センター竣工後の日程等は下記の通りです。
業務開始日:平成20年5月1日(木)
移転作業期間:平成20年5月1日(木)~10日(土)
新住所:〒169-8664 東京都新宿区西早稲田(にしわせだ)2-18-2 (電話番号、FAX番号の変更はありません)
移転作業期間中も平日は業務を行いますが、ご不便をおかけする場合もあるかと思われます。通常業務への影響は最小限にとどめるよう極力努めますが、一部業務に下記の通り休止などが見込まれます。皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解ご協力を賜りたくお願い申し上げる次第です。
【点字図書館】
4月1日(火)~6月30日(月)を休館期間とし、貸し出しは休止しますが、予約済みの図書についてはできる限り対応します。また、読み終わった図書は速やかにご返却下さいますようお願い致します。
雑誌の貸し出しは「日盲連アワー」5月号と6月号を6月に同時発送、「声の広報厚生」は通常通り貸し出し、他の雑誌は一時休止させていただきます。
なお、新センターのIT環境整備に伴い、3月10日よりメールアドレスは toshokan@jfb.jp となりました。旧アドレスは停止されましたのでご注意下さい。
【用具購買所】
5月1日(木)~5月14日(水)を業務停止に致します。期間中は、商品の注文受注、発送作業など、全ての営業活動を停止とさせていただきますので予めご了承下さい。
また、移転前の最終営業日・最終出荷日は「4月30日(水)」になり、移転後の営業開始・出荷開始は「5月15日(木)」になります。
【情報部】
システムの移設および再立ち上げ作業に伴い、5月7日(水)~9日(金)の3日間「点字JBニュース」を休刊とさせていただきます。
また、5月3日(土)~11日(日)は、サーバーへのアクセスができない場合がありますので、その旨ご了承下さい。
4.日盲福祉センター建設2億円募金
ご寄付いただいた方々のお名前(平成19年12月21日~平成20年3月20日)
3月20日現在 総額1億4471万7657円
※お名前の読み方については、確認が間に合わない場合もありますので、その旨ご了承下さい。(敬称略)
*会員及び一般個人・団体
【100万円】伊藤孝之(札幌市)、株式会社アクティリンク(東京都)
【39万円】高柳周子(東京都)
【24万2760円】笹川吉彦(東京都)
【10万円】レハ・ヴィジョン株式会社(石川県)
【8万7791円】株式会社アクティリンク社員一同(東京都)
【5万円】匿名1件(広島県)、新城育子(熊本県)
【4万4000円】川崎市視力障害者福祉協会有志(川崎市)
【2万円】馬場久子(富山県)
【1万2000円】布尾英二(富山県)
【1万1111円】本山裕志(島根県)
【1万円】新沼政徳(岩手県)、小松環(宮城県)、鈴木惇子(山形県)、原康博(茨城県)、大滝明(栃木県)、土屋浩一(東京都)、谷内清治(神奈川県)、宮本和子(川崎市)、浅野貢男(神戸市)、石原照幸(広島県)、臼井利明(広島市)、石上巌(福岡県)、中島誠(大分県)、清藤郁雄(鹿児島県)
【5000円】田端節男(青森県)、冨手勇次郎(岩手県)、北片弥一(秋田県)、大塚郁代、野田一郎(以上東京都)、荻田保元(千葉市)、谷内キヨエ(神奈川県)、玉川清(長野県)、野村妙子(石川県)、森元賢治(奈良県)、入江一晴、安井文夫(以上兵庫県)、川本敏子、川本正行、清田郁也、新浜チエ子、中神誠、橋本正彦、松田鈴子、村井一文(以上広島市)、野口弘子、野口福雄(以上福岡市)、伊野幸子(熊本県)
【その他】計1万1000円/5件
*経済界
アルプス電気、沖電気工業株式会社、株式会社ルネサステクノロジ、日本(にっぽん)電気株式会社、富士通株式会社、株式会社ブリヂストン
5.第61回全国盲人福祉大会は東京で 新センター落成並びに結成60周年記念
主催:社会福祉法人日本盲人会連合/社団法人東京都盲人福祉協会
会期:平成20年6月9日(月)~11日(水)
日程及び会場
【第1日目】6月9日(月)
・理事会:東京都盲人福祉センター(新宿区高田馬場1-9-23)
・評議員会:新日本盲人福祉センター(新宿区西早稲田2-18-2)
・あはき協議会代議員会:新日本盲人福祉センター
・スポーツ協議会代表者会議:東京都盲人福祉センター
【第2日目】6月10日(火)
・第47回全国盲人代表者会議:東京ドームホテル
(文京区後楽1-3-61)
【第3日目】6月11日(水)
・第61回全国盲人福祉大会:東京体育館
(渋谷区千駄ヶ谷1-17-1)
主管団体事務局
社団法人東京都盲人福祉協会
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-9-23
電話:03-3208-9001
FAX:03-3208-9005
Eメール:nmr015@mub.biglobe.ne.jp)