愛盲時報 第199号(テキスト形式・全文)
愛盲時報 第199号(平成15年11月25日)
1.WBU-AP総会シンガポールで開く 沖縄プロジェクト来年
スタートへ
2003年世界盲人連合東アジア太平洋地域協議会(WBU/AP)
総会が11月17、18の両日、シンガポールのスイソテル・マーチ
ャント・コートホテルで開催された。
来年1月にスタートするアジア太平洋マッサージ治療プロジェクト
を中心に、参加各国代表による活発な論議が交わされた。
日本からは日本盲人福祉委員会の笹川吉彦理事長(日本盲人会連合
会長)はじめ、日本盲人会連合国際委員会の竹下義樹委員長、指田忠
司事務局長等オブザーバーを含め19名が出席し、諸案件について審
議決定した。
総会には、オブザーバーとして出席した東ティモールを含む16か
国・地域が参加した。
プログラロム(表1)の中で特に活発な質疑が行なわれたのは、来
年1月からスタートするアジア太平洋マッサージ治療プロジェクト
(沖縄プロジェクト)と来年12月6日から10日までの間、南アフ
リカ共和国のケープタウンで開かれるWBU第6回総会のスケジュー
ル、WBU/AP並びにWBUの憲章改定問題だった。
沖縄プロジェクトはアジア地域を対象としてJICAの援助の下、
沖縄県視覚障害者福祉協会が中心となって来年1月からアジア各国の
リーダーを招き、視覚障害者にとって自立生活する上で最も有力な職
種とされているマッサージのリーダーを養成しようというもの。既に
申し込み期限が迫っており、手続きや人選などについて発展途上国か
ら色々な要望が出された。
また、WBU/AP並びにWBUの憲章の改正については重要課題
の多くが保留となったため、一部の改正にとどまった。特にWBU憲
章では現在会長の任期は一期4年とされているものを改め、就任期間
を延長しょうというもので、今後各国間で活発な論議が交わされるも
のと見られている。なお、実務会議の席上、南アフリカ共和国のウィ
リアム・ローランドとクワ・チェン・ホックの両氏が早々と会長選挙
に立候補する旨の意思表示を行なった。
総会は5回の実務会議を経て、14項目の決議を採択し、閉幕した。
次期WBU/AP総会は来年12月に南アフリカ共和国ケープタウン
で開かれる第6回世界盲人連合総会の期間中に開かれることになった。
女性フォーラム開く
総会開催に先立ち11月15日には女性フォーラムが開かれ、日本
からは日盲連の名取陸子女性協議会長と同国際委員の田畑美智子両氏
が出席、これまでの経過を確認すると共に、今後一層連絡を密にし情
報交換をはかることとし、日本の女性代表委員に田畑美智子氏を候補
者として指名。16日シンガポールに到着した笹川理事長の承認を得
て正式決定した。
青年委でも交流協議
また、16日には青年委員会も開かれ、日本からは日盲連国際委員
の中根雅文氏が出席し、WBU/APの青年交流プログラムなどにつ
いて協議した。
17日の実務会議に先立ちアメリカのべネテック・ブックシェア社
代表者ジム・フルヒターマン氏が基調講演を行い、最近における著し
い科学技術の進歩から、5年乃至10年後には携帯電話を中軸とした
情報社会が実現するものと期待されていると延べ、その機能の中に視
覚障害者に必要な機能を組み込むよう、視覚障害者自身が積極的に要
望を出して行くべきだと強調していた。
総会に引き続き19、20日の両日には情報アクセス及び環境と交
通のアクセシビリティの現状報告が行われ、活発な論議が交わされた。
(表1)2003年WBU―AP総会プログラム
【17日】
・WBU/AP代表歓迎挨拶…クア・チェン・ホック会長(シンガ
ポール)
・WBU会長挨拶…キキ・ノードストローム会長代理・ジェフリー
・ギブス財務官(ニュージーランド)
・WBU事務局長挨拶…エンリケ・サンズ氏財務官(スペイン)
・基調講演…ジム・フルヒターマン氏(ベネテック・ブックシェア
社代表)
・岩橋武夫賞贈呈式…岩橋明子氏
《実務会議1》
1.2001年総会(バンコク)の議事録
2.議事に於いて問題となった点
3.WBU/AP代表による発表
4.財政問題に於ける財務官の発表
《実務会議2》
1.東アジア地区代表報告…笹川吉彦氏
2.太平洋オセアニア地区代表報告…アンジェリン・チャンド女史
3.WBU/AP女性会議代表報告…ジャスミン・クー女史
4.青年会議代表報告…ダレン・フイットラー氏
5.WBU/APマッサージ委員会報告…グレース・チャン女史代理
6.アジア太平洋ブラインド・サミット報告…山口和彦氏、モンテ
ィアン・ブンタン氏
7.2002年アジア太平洋地区における盲人の状況及び勤労実態
…アイバン・ホ氏
【18日】
《実務会議3》
1.WBU/AP憲章の改定理由等説明…グリアム・イネス氏(オ
ーストラリア)
《実務会議4》プロジェクトを進展させるためのパートナーシップ
1.アジア太平洋マッサージ治療プロジェクト(沖縄プロジェクト)
発表…笹田三郎氏(日盲連)
2.WBUと国際盲人スポーツ連盟(IBSA)との了解事項
3.WBU/APの青年交流プログラム
4.他のプロジェクトの提案等
《実務会議5》
1.第6回WBU総会(南アフリカで開催予定)の情報報告…WB
U副会長ウィリアム・ローランド氏(南アフリカ共和国会長)
2.WBU憲章改定提案の説明…マリアンヌ・ダイアモンド女史
3.決議案の提案及び採択…モンティアン・ブンタン氏
4.閉会の挨拶…WBU/AP会長クア・チェン・ホック氏
2.全日本視覚障害者柔道大会 アテネパラリンピック候補選手決
定 都道府県対抗戦 熊本県が初優勝
第18回全日本視覚障害者柔道大会並びにアテネパラリンピック出
場候補選手選考大会(日本視覚障害者柔道連盟、全日本柔道連盟、日
盲連等主催)が11月2日、東京都文京区の講道館で開かれ、61選
手が参加、熱戦を繰り広げた。
都道府県対抗戦では熊本県が初優勝を飾った。2位は徳島県、3位
は大阪府。
各個人種目の入賞者は次の通り(優勝、準優勝、第3位の順。3位
は2人の場合あり)。
【60kg級学生】田村竹晃、森善勝、品川友之。【同一般】広瀬
誠、礎眞一、後藤吉則。【66kg級学生】平井孝明、白木勝、望月
貴仁、田村友一。【同一般】藤本聰、安藤大輔、青木忠男、汪徳慧。
【73kg級学生】飛田功平、田米真暢、松阪英紀。【同一般】伏貫
将光、日高道広、鷲山良。【81kg級学生・一般合同】加藤裕司、
稲葉統也、木村崇之、大野錦治。【100kg以下級学生・一般合同】
松本義和。【100kg超級学生・一般合同】天川敬史、大久保悟、
只野伸二。【女子の部】赤塚正美。【シニアの部】伊藤友治、福山洋
二、山本正浩。
アテネ大会出場候補7選手決まる
8月にカナダのケベック市で開かれた第2回IBSA(国際視覚障
害者スポーツ協会)世界選手権で、日本は2004年にギリシャで開
かれるアテネパラリンピック大会柔道競技の出場枠を7階級(男子6、
女子1)で獲得。日本視覚障害者柔道連盟は今大会、出場枠7階級で
優勝した次の選手をアテネ大会の出場候補と決定した(敬称略)。
【60kg級】広瀬誠
【66kg級】藤本聰
【81kg級】加藤裕司
【90kg級】宮内栄司
【100kg以下級】松本義和
【100kg超級】天川敬史
【女子の部】赤塚正美
3.静岡の10会場で13競技の熱戦 全国障害者スポーツ大会
「静岡で かなえよう夢 つたえよう感動」をスローガンに、第3
回全国障害者スポーツ大会「わかふじ大会」が11月8日、全国から
選手・役員約5500人が参加して開幕、10日までの3日間、静岡
県内6市、10会場で13競技が行われ、熱戦が展開された。
8日は袋井市の静岡スタジアム「エコパ」で開会式が開かれ、シド
ニーパラリンピック水泳の金メダリスト河合純一選手(28)が炬火
に点火。皇太子さまが「参加された1人ひとりの夢がかない、感動が
広く伝わる素晴らしい大会となることを願います」と挨拶された。
徳島県が3連覇 グランドソフトボール
大会3日目の10日、掛川市のエコパグラウンド2でグランドソフ
トボール競技の決勝戦が行われ、徳島県が4対1で三重県を破り、3
連覇を達成した。3位決定戦は岡山県が9対1で埼玉県に圧勝した。
対戦成績は次の通り(カッコ内は得点)。
【1回戦】埼玉県(5)対静岡県(5)、仙台市(0)対徳島県
(2)、京都府(0)対三重県(7)、長崎県(0)対岡山県(2)。
【準決勝】埼玉県(0)対徳島県(1)、岡山県(3)対三重県(6)
。【決勝戦】徳島県(4)対三重県(1)。【3位決定戦】岡山県
(9)対埼玉県(1)。
4.フロアバレーボール 男子は東京、女子は群馬がV
第10回厚生労働大臣杯全国フロアバレーボール札幌大会が、日本
盲人会連合と札幌市視覚障害者福祉協会の主催で9月13日~15日、
札幌市の札幌市厚別区体育館をメーン会場に開かれ、5都道県と5市
から男子8チーム(選手97名)、女子6チーム(同67名)が参加
し、熱戦を繰り広げた。
決勝戦で、男子は東京都のバトラーが名古屋市のキングシャッチー
をセットカウント2対1で破り、5度目の優勝。3位は北海道の北海
道連合チーム。女子は群馬県のOLIVE群馬が神奈川県のマリーン
フェアリーズをセットカウント2対0で破り、5度目の優勝を飾った。
3位は東京都のスカーレット。
5.全国社会人卓球大会 団体戦、ST・卓球ともに札幌V
第22回厚生労働大臣杯全国視覚障害者社会人卓球大会(日本盲人
会連合、仙台市視覚障害者福祉協会他主催)が9月19日~21日、
宮城県仙台市の仙台市体育館で開かれた。全国から27団体、113
人の選手が参加、サウンドテーブルテニスの部と卓球の部に分かれ、
団体戦と個人戦に熱戦を展開した。成績は次の通り。
サウンドテーブルテニスの部:【団体戦】優勝・札幌市、準優勝・
山梨県、3位・青森県、北海道。【個人戦男子】優勝・井口靖也(山
梨県)、準優勝・平子浩(愛媛県)、3位・大内敏治(名古屋市)、
開田正一(石川県)、フェアプレイ賞・村山真人(山形県)。【個人
戦女子】優勝・高橋ミヤ(神奈川県)、準優勝・赤松千鶴(兵庫県)、
3位・天野めぐみ(名古屋市)、浅野杞美江(岡山県)、フェアプレ
イ賞・中島幸子(名古屋市)。
卓球の部:【団体戦】優勝・札幌市、準優勝・岡山県、3位・京都
府。【個人戦男子】優勝・中島史(札幌市)、準優勝・長谷川芳孝
(京都府)、3位・岡眞太郎(岡山県)、フェアプレイ賞・小野寺慎
治(宮城県)。【個人戦女子】優勝・宮崎たかこ(大阪府)、準優勝
・大水裕子(岡山県)、3位・音喜多眞美子(札幌市)、フェアプレ
イ賞・光島逸子。
6.グランドソフトボール 愛知県チームが3連覇飾る
第4回全日本グランドソフトボール選手権大会(日盲連スポーツ連
盟協議会、全日本グランドソフトボール連盟主催)が、10月11日
~13日の3日間、栃木県宇都宮市の柳田緑地ソフトボール場他を会
場に開かれ、全国各ブロックから予選を勝ち抜いた代表12チームが
熱戦を繰り広げた。
12日は4ブロックに分かれてのリーグ戦が行われ、その順位によ
って13日のトーナメント戦の組み合わせが決まった。13日の決勝
戦では愛知県チームが優勝、一昨年、昨年に続いて3連覇を飾った。
準優勝は近畿ブロックの京都府チーム、3位は北海道ブロックの札幌
MAXと関東ブロックAの埼玉ナタク。
7.猪股副会長が逝去 あはきに懸ける情熱最後まで
日本盲人会連合の猪股功忠副会長(あはき協議会長、横浜市視覚障
害者福祉協会会長)が10月14日、逝去された。69歳。お通夜は
16日午後6時から、告別式は17日午前10時から、いずれも横浜
市の上大岡奉斎殿でしめやかに営なまれた。喪主は妻の重子さん。自
宅は横浜市南区井土ヶ谷下町5―10―202(電話045―721
―6322)。
故猪俣功忠氏を偲んで 日盲連会長笹川吉彦
日盲連副会長として本年4月1日から活躍しておられた故猪俣功忠
氏が、去る10月14日に逝去されました。現役の副会長としては初
めての事であり、皆様共々今日までのご功績に対し感謝申し上げ、心
からご冥福をお祈り致したいと思います。
故猪俣氏は、副会長に就任して以来、日盲連が今最大の課題として
取り組んでいる、鍼師・灸師養成施設の新増設阻止問題に、あはき協
議会長として積極的に取り組み、保留とはなったものの257件もの
衆議院議長宛の請願提出を、各団体のご支援を得て実現されました。
「鍼師・灸師の養成施設が激増することは、視覚障害者の生活権を脅
かすことはもちろんのこと、鍼師・灸師の資質を低下させ、鍼・灸の
将来を危うくする」というのが持論で、「これからが勝負だ」と情熱
を傾け、真剣に取り組んでおられました。さぞかし心残りであったこ
とと思います。
本年春の褒章では、長年のご功績により黄綬褒章を受章され、6月
22日には盛大な祝賀会が、関係者の方々によって開かれたばかりで
した。その席で謝辞に立たれ、「この褒章は決して私一人が頂いたも
のではなく、これまで私を支えて下さった全ての人々と、とりわけ大
変苦労をかけた家内と共に頂いたものです。皆々様に心から感謝申し
上げます」と挨拶されました。彼のお人柄がにじみ出たご挨拶でした。
日盲連は、猪俣氏のあはきに賭ける情熱と意志を引き継ぎ、来るべ
き第159通常国会に向け、再度衆院議長宛の請願運動を各団体のご
協力のもと、強力に展開して行く決意です。
8.東北盲人福祉八戸大会開く 無資格者取締など7項目決議
第45回東北盲人福祉大会八戸大会が東北盲人会連合と青森県視力
障害者福祉連合会(内田利男会長)の主催で10月25、26の両日、
八戸市の青森厚生年金休暇センター(ウェルサンピア八戸)で約18
0人が参加して開かれた。3つの分科会と代議員総会での討議に続い
て行われた大会式典では笹川吉彦日本盲人会連合会長が「視覚障害者
を取り巻く中央情勢について」を講演、7項目の決議を採択し閉幕し
た。
決議された要望事項は(1)あはき無資格業者への徹底取締(2)
支援費制度における地域格差是正のため、監督官庁の強力な指導(3)
ガイドヘルパー・ホームヘルパーの用務に視覚障害者に対する代読・
代筆サービスを加える(4)すべての宿泊施設、レストラン等へ盲導
犬(補助犬)を出入り自由に(5)視覚障害者にとって「ペン」の役
割をするパソコンを日常生活用具に(6)音声の色識別装置を日常生
活用具に(7)重度心身障害者医療費助成事業を現状よりも後退させ
ないよう要望。
9.全国各地で加盟団体福祉大会
●第51回千葉県視覚障害者福祉大会
千葉県視覚障害者福祉協会(室岡正司会長)の第51回千葉県視覚
障害者福祉大会が10月3日、350人余りが参加して千葉市中央区
の千葉市民会館で開かれた。午前の大会式典では、功労のあった方の
表彰や奉仕者への感謝状贈呈などを行い、大会宣言と11項目の決議
を採択。午後は、婦人部による第14回白い杖の文化祭で、寄席演芸
やハープの演奏を楽しんだ。
採択された要望事項は(1)千葉県視覚障害者福祉協会に対し、安
定した事務所の取得と専従事務員確保のための公的援助(2)支援費
制度の中で、移動介護の利用料、利用時間等の見直し(3)路線バス
停留所での外部スピーカーによる行き先案内(4)点字誘導ブロック
上に自転車等障害物を置かないよう指導(5)交通機関や公共施設の
階段段鼻への色付け(6)歩車道の区別を表す白線をはっきり(7)
金融機関窓口での自筆署名について早急に改善(8)心のバリアを取
り除くための一声運動展開(9)福祉タクシー券の利用域拡大(10)
公文書にスピーチオ(墨字文書読み上げ器)を導入(11)あはき無
資格業者の急増に徹底した法的措置。
●平成15年度滋賀県視覚障害者福祉大会
滋賀県視覚障害者福祉協会(田澤勝男会長)主催の平成15年度滋
賀県視覚障害者福祉大会が10月10日、滋賀県彦根市のひこね市文
化プラザで、約400人が参加して盛大に開催された。
午前の大会式典では功労のあった方々などへの表彰と感謝状贈呈に
続き、笹川吉彦日本盲人会連合会長による特別講演「最近の中央情勢」
の後、宣言決議を全会一致で採択した。午後は特別講演をもとに約1
時間に渡り笹川会長との懇談会が行われ、活発な質疑応答が交わされ
た。特に支援費制度について多くの問題が指摘され、改善が強く求め
られていた。
決議された要望事項は(1)あんま師等法第19条にはり師・きゅ
う師を加えるとともに、無資格類似行為者の徹底的な取り締まり(2)
支援費制度実施に当たり、障害者福祉、特に移動介護(ガイドヘルパ
ー派遣)事業を後退させないようにし、適正な制度の運用や苦情・要
望を受け付ける機関を充実(3)視覚障害者にも適したパソコンソフ
ト・周辺機器を日常生活用具給付対象品目に加え、視覚障害者向けI
T講習会の充実と、サポーターの継続雇用(4)全ての市町村で各障
害者別代表者を加えた障害者施策推進協議会を早急に設置し、各自治
体間に格差が生じないような障害者計画を策定。
●第11回千葉市視覚障害者福祉大会
千葉市視覚障害者協会(岡田正平会長)の第11回千葉市視覚障害
者福祉大会が10月17日、千葉市中央区の千葉市ハーモニープラザ
多目的ホールで約130人が参加して開かれた。大会式典では功労者
の表彰などが行われた後、9項目の大会決議を採択。インストラクタ
ーとして自分と同じ視覚障害者にパソコンを指導する体験を書き、昨
年「心の輪を広げる体験作文」最優秀賞を受けた中村和子氏が「私ら
しく生きる」を講演した。
決議された要望事項は(1)三療有資格者のヘルスキーパー雇用に
際し、視覚障害者の優先的採用と音声機器導入などによる一般職への
参入促進(2)階段段鼻の色付けと誘導ブロックを識別しやすく(3)
利用者が送信機を作動させた時のみ使用可能な音響式信号機を導入し、
設置範囲拡大(4)支援費制度において、ガイドヘルプサービスの時
間延長や宿泊など利用者ニーズに配慮し、利用者負担額の算定基準を
本人所得のみで(5)活字文書音声読み上げ装置の日常生活用具指定
に伴い、行政から発送される文書をすべてSPコード化(6)国の障
害者施策が障害種別を超えて統合化されるが、本市においては個々の
障害者の置かれた立場を尊重した施策を展開(7)行政から発送され
る郵便物の差出人点字表示(8)高齢者給食サービスを単身障害者に
も(9)駅前放置自転車一掃への取り組み。
●第45回岡山県視覚障害者福祉大会
岡山県視覚障害者協会(井上孝昭会長)の法人認可50周年記念第
45回岡山県視覚障害者福祉大会が10月26日、岡山市の福祉文化
会館他で約200人が参加して開催された。式典では貢献のあった方
々の表彰や奉仕者への感謝状贈呈などに続く議事で5項目の決議を採
択した。
決議された要望事項は(1)晴眼鍼灸師養成施設の新増設に強く反
対し、無資格医業類似行為業者の取り締まり(2)歩道の整備と歩車
道の段差2cm確保、安全誘導システムの国内規格統一(3)福祉施
策実施に当たっては市町村間格差を生じさせない(4)ガイドヘルプ、
ホームヘルプサービスの充実、強化。特にガイドヘルプサービスにお
いては緊急事態に迅速に対応できるよう法的整備(5)点字や音声に
よる情報保証と視覚障害者情報提供施設の充実。
●都盲協結成100周年記念第35回福祉大会
社団法人東京都盲人福祉協会(会長・笹川吉彦日盲連会長)の結成
百周年記念第35回東京都盲人福祉大会が10月30日、東京・千代
田区の日比谷公会堂で約1500人が出席して開かれた。同協会は明
治36年、自由民権運動で有名な板垣退助の指導のもとに結成され、
以来100年視覚障害者の権益をまもるための活発な運動を展開して
きた。
第1部の大会式典では笹川会長の挨拶に続き、協会を支えてきた方
々への表彰状、感謝状の贈呈が行われた。第2部の議事では次の6項
目の決議を採択した。
(1)100周年を契機に先人達の打ち立てた障害者福祉を更に発
展させるため、総力を結集し、前進(2)はり師、きゅう師養成施設
新増設を阻止すると共に、無資格業者を一掃(3)支援費制度の抜本
的改正(4)歩行の安全を確保するため音響式信号機、各種音声案内、
駅ホームの転落防止可動柵、歩車道の段差2センチ確保、点・線ブロ
ック敷設、階段段鼻の色付けなど万全の対策(5)ITを含む全ての
バリアの排除と、「心のバリア」を取り除くため幼児教育段階から統
合教育を実施し「共生社会」を実現(6)視覚障害者を中心とした通
所授産施設の早期開設。
●鳥取県視障協法人認可30周年
社団法人鳥取県視覚障害者福祉協会(板垣成行会長)は10月26
日、鳥取県倉吉市の伯耆しあわせの郷で「法人認可30周年記念式典」
を兼ねた平成15年度文化祭を挙行した。県内各地から約100名が
集い、倉吉市教育委員会文化課課長・真田廣幸氏の記念公演「重要伝
承建築物保存地区(白壁土蔵郡)」やカラオケ大会を楽しんだ。また、
中国ブロック将棋・オセロ大会の予選会も併せて開催され、熱戦が展
開された。
10.九盲連三療研修会 鹿児島県で開く
第16回九州盲人会連合会三療研修会(日盲連、日マ会、九州盲人
会連合会の主催)が鹿児島県視覚障害者団体連合会(森永速雄会長)
の主管で10月4日、5日の両日、鹿児島市のステーションホテルニ
ューカゴシマで、各団体から会員、関係者ら120名が参加して開か
れ、講演と熱心な意見交換が行われた。
4日の講演は、鹿児島県立鹿児島盲学校教諭・武元光廣先生の「ス
トレス学の基礎から臨床まで」と笹川吉彦日盲連会長の「最近におけ
る『あはき業』の現状と課題」。5日は鹿児島生協病院整形外科部長
・重盛廉先生の講演「脊椎疾患・関節疾患に対する整形外科的アプロ
ーチ」に続き、閉会式が行われ、参加者に受講証明書を授与、盛会の
うちに幕を閉じた。
11.秋の叙勲・褒章
政府は11月3日付で2003年秋の叙勲と褒章受章者を発表した。
今回の叙勲から勲1等、2等といった等級が廃止され、褒章は年齢の
制限を撤廃、休止していた「緑綬褒章」はボランティア活動などへの
功績に授与することになった。日盲連関係では次の方々が受章された
(敬称略)。
旭日双光章・齊藤績(73、札幌市)、本多操(70、茨城県)、
永井昭二(76、新潟県)。藍綬褒章・田代浩司(61、福岡市)、
高野宗吉(66、埼玉県)。黄綬褒章・山下玉吉(76、富山県)。