障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会
令和7年12月24日、厚生労働省の「第12回今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」が中央合同庁舎5号館18階専用第22~24会議室をホスト会場としてオンライン参加を交えて開催され、日本視覚障害者団体連合からは田中伸明副会長が構成員として出席しました。今回はこれまでの議論を総括する形で論点整理が示されました。項目は次のとおりです。
障害者雇用の質については、1.障害者雇用の質の規定及び質の向上に向けた事業主の認定制度の創設・拡大等(質のガイドライン作成、質の向上に向けた事業主の認定制度の拡大と調整金や報奨金等におけるインセンティブ)、2.いわゆる障害者雇用ビジネスに係る対応(利用企業による報告、望ましい在り方のガイドライン作成)。
障害者雇用率に関しては、1.手帳を所持していない難病患者の位置づけ(就労困難性のある難病患者の個別判定制度の創設及び実雇用率算定)、2.手帳を所持していない精神・発達障害者の位置づけ(精神障害者保健福祉手帳の更新ができなかった場合における雇用率の算定)、3.就労継続支援A型事業所やその利用者の位置づけ、4.精神障害者について障害者雇用率制度における「重度」区分を設けることの是非、5.精神障害者である短時間労働者の位置づけ、6.障害者雇用納付金の納付義務の適用範囲を、常用労働者数が100人以下の事業主へ拡大すること。
以上のように論点は多岐にわたりますが、手帳を所持していない難病患者の雇用率上の扱いについて比較的時間が割かれ、事務局から次の3つの案が示されました。
1.難病に罹患していることが分かる診断書+就労困難性のアセスメント、2.難病の医療費助成の重症度判定+就労困難性のアセスメント、3.難病の医療費助成の重症度判定+就労困難性のアセスメント+国が設置する審査委員会による合議。
これに関して、難病患者の就労困難性をどうとらえるか、雇用率制度に組み入れることが適切かなどについて賛否いろいろな意見が出されました。なお、事務局からは、現行制度において障害者手帳を所持していない障害者が一定の条件の下で雇用率にカウントされているとの説明がありました。
具体的には身体障害の場合は指定医又は産業医の診断書による判定、知的障害の場合は児童相談所、知的障害者更生相談所、地域障害者職業センターなどによる判定によって手帳を持っていなくても雇用率にカウントされることがあるとしています。
雇用の質に関するガイドライン及び障害者雇用ビジネスの望ましい在り方に関するガイドラインは、今後、障害当事者の意見も踏まえながら検討する予定とされていますが、具体的なスケジュールなどは未定。
田中委員は次の2つの意見を述べました。
1.手帳を持っていない難病患者や精神・発達障害者について、雇用率とは別の枠組みで包摂的な就労支援を検討すべきと考える。雇用率だけではその働きづらさを解決することができないのではないか。就労支援をどうするか検討する必要がある。
2.100人以下規模の企業から障害者雇用納付金を徴収することについては、一定の緩和措置を講じながら実施することに賛成だが、その徴収を労働保険事務組合に委託するという方法を検討してはどうか。事務組合は、中小企業の労働保険の適用や保険料の徴収に大きな役割を担っていると思う。納付金の事務についても担当してもらうことを検討してはどうかと考える。合わせて、認可を受けている労働保険事務組合の職員にジョブコーチの資格を取得してもらって障害者の就労支援に当たってもらえば、100人以下の中小企業における障害者の実雇用率の向上、雇用ゼロ企業の割合の引き下げに効果があるものと考える。もちろん、中小企業の方々の意見を聞きながら進めなければならないが、是非検討課題として取り上げてもらいたい。



