厚労省・こども家庭庁の障害児・者に係る会議

2025年1月21日

 令和6年12月23日、社会保障審議会障害者部会(第144回)・こども家庭審議会障害児支援部会(第9回)合同会議がベルサール六本木(地下1階ホール)においてオンライン参加も交えて開催され、日本視覚障害者団体連合からは竹下義樹会長及び大胡田誠将来ビジョン推進委員会委員長が構成員として出席しました。

今回の主な議題は、前回に引き続き公費負担医療におけるオンライン資格確認の導入で、そのほか、障害者総合支援法対象疾病の見直しおよび自立支援医療等における利用者負担区分の見直しについても質疑が行われました。
公費負担医療におけるオンライン資格確認の導入については、オンライン手続きが難しい患者がいるとの懸念の声がある一方で、煩雑な手続きを簡素化できると歓迎する意見がありました。

質疑を通して明らかになった事柄の概要は次のとおりです。

公費負担医療については、地方単独医療費助成(こども医療費助成など)を含めて様々な制度があるが、各自治体のシステム標準化の取組状況等を踏まえつつ全国展開の体制を構築し、自治体や医療機関・薬局におけるシステム対応を推進した上で、令和9年4月からオンライン資格確認をスタートさせる予定であるとの説明があった(オンライン資格確認に絞るわけではなく、紙の受給者証の利用も可能とする)。

また、自立支援医療の自己負担上限額管理は、現在、受給者証と合わせて交付される「自己負担上限額管理票」を患者が医療機関の窓口で提示することにより管理されているが、そのオンライン確認もデジタル庁と協議しながら検討するとの説明があった(スタート時期は未定)。

なお、令和5・6年度に183自治体(22都道府県、161市町村)が先行実施事業に参加しているが、その中で、自立支援医療の自己負担上限額管理のオンライン化を求める声が上がっているとのことでした。
施設入所者の場合は、入所契約や預かり証等の合意に基づいて施設側で入所者のマイナンバーカードを管理することも可能としており、資格確認書も同様に施設等で管理できること、また、それらの監理体制としては、紛失防止のため鍵付きのロッカー等に保管すること、出し入れした日時など管理の記録をつけること、職員のうちマイナンバーカードの管理を行う者の範囲を定めておくことなどの工夫が必要であるとの説明がありました。

障害者総合支援法対象疾病の見直しについては、客観的な診断基準が定まっていること、長期の療養を必要とすること、治療方法が未確立であることなどの指定難病の要件に基づき、厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会が検討した結果等を踏まえて、指定難病にいくつかの疾病を加える見込みであるほか、疾病名の変更が予定されているものもあることが説明されました。

これに関連して大胡田委員は、これまで指定難病の対象とされていた疾病が見直しによって対象外とされることがないようにしてもらいたいとの意見を述べました。
自立支援医療等における利用者負担は、所得に応じて1か月当たりの利用者負担の上限額を設定する仕組みだが、市町村民税非課税世帯においては年収80万円以下を区分(低所得1)として、自己負担額を低く設定している。この年収80万円は障害基礎年金2級の年額を下回らない値としているところ、年金額の見直しで該当の年額が80万9千円となったため、それに合わせて80万円の基準を引き上げることが今回の見直しの趣旨であることが説明されました。