令和6年度第2回全国団体長会議開かれる
令和6年度第2回全国団体長会議は、10月28日に日本視覚障害者センター研修室をホスト会場とし、オンライン併用のハイブリッド方式により全国の加盟団体の代表者等が参加して開催されました。
三宅隆日本視覚障害者団体連合(日視連)常務理事並びに後藤英信日視連常務理事の司会、土屋昭男日視連理事・堺市視覚障害者福祉協会会長及び、鈴木祐花日視連青年協議会会長の議事進行の下、議事として、
(1)日常生活用具について(拡大読書器、その他の日常生活用具)
(2)雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業について
それぞれアンケート結果の報告や事例報告が行われました。
日常生活用具の拡大読書器の給付基準額見直しに関する要望活動に関するアンケート結果(日視連が令和6年9月~10月に実施)の速報版として、43団体から回答があり、そのうち要望活動を実施したのが35団体だったことが説明されました。
要望の相手方として地元の自治体のほか県内の多くの自治体を対象とした例や都道府県に要望した例もあったこと、及び要望の内容として基準額引き上げに加えて耐用年数等も含めた例もあったことなどが説明され、自治体の中には他の自治体がどのような対応をしているのかを参考にしているところが多く、今回の調査結果が今後の要望活動の手がかりになることが述べられました。
関連して島根県、神奈川県川崎市、静岡県、新潟県の4団体から報告がなされました。その中に、県内の各自治体や拡大読書機のメーカー・販売店から要望があり、それを受けて県が基準額引き上げをガイドラインで示し、市町村がそれに従った事例があり注目を集めました。
拡大読書機以外の品目については、プレクストークを必要とするのは必ずしも1級・2級の重度視覚障害者に限らないが、現状では3級・4級などが対象になっていない、あるいは自己負担額が多くなってしまうとの指摘があったほか、活字文書読取装置に「QRコードなどの読取機能があること」との条件が付されているため選択の幅が狭くなること、活字文書読取装置にセンスプレイヤーが入ったものの、プレクストークなどの購入に補助を受けて耐用年数が残っていると給付を受けられないという制限があることが報告されました。
次いで、重度障害者等就労支援特別事業については、令和5年9月~10月に日視連が実施した自治体対象のアンケートによると、129の自治体のうち66の自治体が視覚障害者向けに当該事業を実施または準備中と回答したことが紹介され、事業を利用する視覚障害当事者の立場から大阪府堺市(あはき業)及び山形県西川町(NPO活動)の事例報告があったほか、岐阜県高山市でも利用実績があるとの紹介がありました。
あはき施術業としてマイナ保険証によるオンライン資格確認をする場合については、カードを差し込んだ時にプリントアウトしておき、それを支援者がきたときに確認してもらう方法を採っているとの報告がありました。
そのほか、自動車の利用について質問があり、以前より車の利用要件が緩和されたものの、運転中の時間は福祉サービスの報酬の対象外となることなどの課題があること、介護タクシーの形で同行援護に取り組む事例を紹介した記事があることなどが紹介されました。
なお、竹下会長から、日視連として当該事業の拡大につなげるためその事例を収集して広報する予定だが、事例収集に協力をお願いする旨の発言がありました。
報告事項としては、オンライン資格確認に関する報告がありました。令和6年12月2日より、健康保険証の新規発行が終了することにともない、受領委任払いを行うあはき師の施術所等においては、令和6年12月2日以降、オンライン資格確認の導入が原則義務化されるが、施術者に視覚障害があるなどの「やむを得ない事由」がある施術所については義務化の対象外とすることとなった旨が報告されました。
そのほか、視覚障害ガイドヘルパーの日に関連して、チラシの配布や同行援護功労者表彰を行うこととした報告があり、それぞれ協力をお願いする旨が述べられました。
最後に、石川県の震災及び9月の豪雨災害について報告が行われ、並びに支援への感謝が述べられて会議が閉会されました。