第5回こども家庭審議会障害児支援部会
令和6年3月28日、こども家庭庁の第5回こども家庭審議会障害児支援部会がベルサール御成門タワーにおいてオンライン参加も交えて開催され、日本視覚障害者団体連合からは大胡田誠日本視覚障害者団体連合将来ビジョン推進委員会委員長が構成員として出席しました。
今回の議題は、1.令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(児童発達支援ガイドラインの改訂を含む)について 2.障害福祉サービスデータベースにおける第三者提供についての2つで、それぞれ事務局から説明があった後に質疑が行われました。
障害福祉サービス等報酬改定に関連して大胡田委員は次の趣旨を発言しました。
「視覚・聴覚・言語機能に重度の障害のある児に対して、意思疎通に関して専門性を有する人材を配置して支援を行った場合を評価」とあるが、専門性を有する人材の範囲を柔軟にとらえてほしい。たとえば、放課後等デイサービスにおいて何年間か障害児に対応した経験を有する人、視覚障害者の同行援護に従事した経験のある人、あるいは視覚障害当事者も専門人材に加えて報酬加算の対象としてほしい。
これに対し事務局からは、コミュニケーション支援ができる人材を広く対象にしたいと考えているが、一定の基準を設ける必要があり、ご意見を踏まえて検討したいとの回答がありました。次いで「児童発達支援ガイドライン(改訂)」の概要については、令和4年の児童福祉法改正等により児童発達支援センターが地域の障害児支援の中核的役割を担うことが明確化されたこと、令和5年度のこども家庭庁創設により、こども施策全体の中で障害児支援を進めることを踏まえ、支援の質の確保及びその向上をより一層図るため、児童発達支援の内容を示し、一定の質を担保するための全国共通の枠組みとして示しているガイドラインの改訂を行うものであることが説明されました。
これに関連して大胡田委員は、ガイドラインの案が示されたのが直近であり十分な検討の時間的余裕がないこと、今後の検討スケジュールを示してもらえばそれに合わせて検討したいことを述べました。
これに対し事務局からは、部会終了後もご意見をいただき、それらを反映させた形でガイドラインを取りまとめ、4月中には現場に届けたいと考えている旨の説明がありました。また、補足として、総合的な支援の推進の部分については4月から施行することとされているが、それを個別支援計画に反映させるには時間を要することから、半年の施行の猶予が設けられているとの説明もありました。
障害福祉サービスデータベースにおける第三者提供については、令和5年4月から作成がスタートした障害福祉サービスデータベース(匿名化されたもの)を研究目的で使用する第三者に対し提供するに当たり、「匿名障害福祉及び障害児福祉情報等の提供に関する専門委員会」(以下、専門委員会)が、提供の有無の判断基準(ガイドライン)に照らして判断することに加えて、個々の提供申請を認めるか否かを協議することが事務局より説明されました。
ガイドライン(案)は専門委員会が作成し、それが社会保障審議会障害者部会及びこども家庭審議会の承認を得て正式なものとなる。医療保険のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)及び介護保険総合データベース(介護DB)の両者は、より早い時期から作成されており、その第三者提供は同様の方法で行われている。
これに関連して大胡田委員は、専門委員会の設置に異議はないと述べた上で、障害当事者団体としてデータベースを有効に活用できればと考えているとして、データベースの提供を受ける第三者はどのような機関や団体が想定されるかを質問しました。これに対し事務局からは、大学その他の研究機関や民間事業者その他の省令で定めるものであって、研究を目的とするところを想定していることが説明されました。