第1回こども家庭審議会障害児支援部会開かれる
令和5年6月28日、こども家庭庁の第1回こども家庭審議会障害児支援部会がベルサール飯田橋駅前(1階)においてオンライン参加も交えて開催され、日本視覚障害者団体連合からは大胡田誠日本視覚障害者団体連合将来ビジョン推進委員会委員が構成員として出席しました。
冒頭の挨拶で大胡田委員は、障害のあるこどもへの支援に加えて子育てをする障害者への支援も大事であること、日視連青年協議会が2018年に実施した「視覚障害児の教育状況アンケート」の結果によると、視覚障害のあるこどもは大人との関係が中心でこども同士のかかわりが弱いことが分かったとして、近所でこども同士が一緒に遊べる社会をめざしたいとの思いであることを述べました。
今回は、まず部会長・部会長代理の選任が行われました。有村大士日本社会事業大学社会福祉学部教授が互選により部会長に選任され、小野善郎元・和歌山県精神保健福祉センター所長が部会長により部会長代理に指名されました。
議題は最近の障害児支援行政の動向についてであり、児童福祉法及び障害者総合支援法の改正を受けて、令和6年4月から新たな体制で障害児施策が施行されるが、その主な内容としては、児童発達支援センターが地域における障害児支援の中核的役割を担うことの明確化、障害児入所施設の入所児童等が地域生活等へ移行する際の調整の責任主体の明確化(都道府県及び政令市が責任を担う)、放課後等デイサービスの利用者の範囲の拡張(専修学校・各種学校に通学する障害児も市町村長が認める場合に利用可能となる)などが事務局より説明されました。
また、令和6年~8年の障害児福祉計画は都道府県と市町村が策定することとされているが、策定する際の指針(基本指針)は、国が作成し令和5年5月に告示した旨の説明がありました。
そのほか、令和6年度障害福祉サービス等報酬改定については、報酬改定検討チームを開催し、7月~8月に関係団体ヒアリングを行い、12月に基本的方向性の整理と取りまとめて、令和6年2月には改定案のとりまとめを行う予定であるとの説明がありました。
大胡田委員は次の2点を述べました。
1.児童発達支援センターが障害児支援の中核的役割を果たす場合、視覚障害児の支援については高い専門性が求められる。これまで専門的支援を盲学校が担ってきた経緯があるので、児童発達支援センターと盲学校・特別支援学校とが連携するよう図ってもらいたい。
2.障害児のサービス提供体制の計画的な構築として聴覚障害児への早期支援の推進の拡充が盛り込まれているが、視覚障害児についても障害の早期発見ができれば、その後の支援を充実させることができる旨の意見が眼科医から寄せられている。是非、視覚障害児についても早期発見・早期支援の取り組みを行ってもらいたい。
最後に、小倉將信内閣府特命担当大臣(こども政策・少子化対策・若者活躍・男女共同参画)より、こども未来戦略方針の中で障害児支援についても力を入れていくとともに、インクルージョンの推進にも取り組んでいきたいとの挨拶がありました。