第136回社会保障審議会障害者部会開かれる

2023年7月21日

 令和5年6月23日、厚生労働省の「第136回社会保障審議会障害者部会」がベルサール飯田橋駅前(1階)においてオンライン参加も交えて開催され、日本視覚障害者団体連合からは竹下義樹会長が構成員として出席しました。

 今回の議題は「障害者総合支援法等を改正する法律の施行に伴う検討事項について」であるが、冒頭において事務局から、マイナンバーと障害者手帳の紐付けに関するトラブルに言及し、是正に取り組む旨の説明がありました。
 
 法改定に伴う政省令の改定に関わる主な内容には、通過型グループホームの設置(グループホームから地域生活への移行を前提にしたもの)、基幹相談支援センターの在り方、精神保健に係る相談体制、就労支援の在り方(一般就労に就く者が福祉施策の就労移行支援等を活用できる道を開く)があります。この中で、精神医療保護入院について本人の意思を十分に尊重すべきことなどの意見が複数ありました。

 竹下会長は次の2点を述べました。

1.通過型のグループホームが体系化されていくと思うが、施設の一部で通過型の利用者を受け入れる場合と、施設全体が通過型利用者を受け入れる場合とでは支援の在り方が違ってくるため、職員の配置や報酬の基準が適正なものとなるよう検討する必要があります。たとえば通過型利用者が中心となった場合、一定期間、移行に向けて多くの職員の配置が必要になると考えられます。その辺への配慮をお願いしたい。

2.入院者の訪問支援事業について、基本的には市町村長同意の入院者を対象に支援員を派遣するものだが、それ以外の入院者であっても都道府県知事が認める場合には支援員を派遣できることとされている。知事が適正に判断できるよう入院者の情報等がきちんと伝わるような仕組みを設けてもらいたい。また、適切な支援の実現のため支援員の質が担保されるようにしてもらいたい。政省令の文言は案のとおりでいいが、施策が適正に行われるようにするためのガイドラインを作成する必要がある。

 そのほか、事務局よりいくつかの項目について説明がありました。
 障害福祉サービス等報酬改定については、検討チームを設け、7月~8月に関係団体ヒアリング(6回程度)を行い、令和6年2月には報酬改定案のとりまとめを行うこと、また、同行援護従業者養成研修カリキュラムの改正については、同行援護従業者の質的向上を図るためカリキュラム内容を充実し、「盲ろう者向け通訳・介助員養成研修事業」による研修の修了者についてカリキュラムの受講の一部を免除することを検討中である旨の説明がありました。
 
 項目の一つである「行動制限最小化に向けた取組」について竹下会長は、国連障害者権利委員会の総括所見を尊重すべきこと、石川県で発生した違法な身体拘束にかかわる裁判例(最高裁が提示した基準)を遵守すべきこと、隔離・身体的拘束を最少化するどころか拡大しかねない規則にしてはならないことを述べ、資料にある処遇基準告示の見直し等をみると、隔離・身体的拘束が拡大しかねないとの懸念があるので十分に検討してもらいたいと発言しました。