令和5年度第1回全国団体長会議開かれる

2023年5月26日

 令和5年度第1回全国団体長会議は、第76回全国視覚障害者福祉大会(奈良大会)の初日(5月21日)、DAIWA ROYAL HOTEL THE KASHIHARA(奈良県橿原市)を会場として、オンライン参加も交えて全国の加盟団体の代表者が参加して開催されました。
 
 及川清隆日本視覚障害者団体連合副会長の司会、辰已壽啓奈良県視覚障害者福祉協会会長と村上芳継熊本県視覚障がい者福祉協会・団体会長の議事進行の下、令和5年度の運動方針(案)及び団体提出議案について議論が行われました。
 
 運動方針(案)について竹下義樹会長は、障害者差別解消法の改正や国連障害者権利委員会の総括所見に実効性を持たせ、あるいは学校教育において障害者に関する啓発・人権教育を促すことについて、視覚障害当事者団体が果たす役割が大きいこと、移動の安全確保は命に関わる急務であり、情報保障は視覚障害者の永遠の課題であり改善を求めていくこと、あはきを就きたいと思う職業とするための方策を検討するとともに就労移行支援事業にも取り組むこと、雇用と福祉の連携による重度障害者等就労支援特別事業の拡充等により一般就労を含めて進展させること、GIGAスクール構想で視覚障害児が取り残されないよう支援策を検討し求めていくこと、英国のECLOを参考にしつつ医療と福祉の連携を図ること、地域により差がある災害対策(ハザードマップ作成等)の促進を求めていくこと、ブラインドスポーツなどの進行を図ることなどを説明しました。
 
 参加者からは、中途視覚障害者の加盟団体への入会を増やす取り組みが必要であること、買い物難民が生まれないようサポーターが必要であること、乗降客数が多い駅を重点に環境整備するだけでは不十分なこと、政治活動に同行援護事業を利用することについて日視連としての方針を示す必要があること、その他、ハザードマップ作成の現状等について発言があった。それらに対し竹下会長は、医療と福祉の連携を図る中で中途視覚障害者の支援等に取り組むこと、買い物を含む日常生活にかかわる福祉サービスの充実を求めていくこと、視覚障害者の利用が多い駅や危険性の高い駅の整備を求めていくこと、同行援護の利用については厚生労働省とも協議しながら先送りすることなく検討することなどを述べました。
 
 続く団体提出議案に関しては、4月に行われた生活、バリアフリー、職業の3つの分科会について各分科会の座長より説明が行われ、その後の質疑では、いわゆる盲学校でブラインドスポーツに取り組んでいないかのような誤解を招く表現は避けるべきこと、盲学校では生徒数減に伴い予算と専門性の維持が難しくなりつつあるが、インクルーシブ教育を含め教育の質を維持・向上させるよう求めるべきこと、それが引いては就労促進の基板になることなどの発言がありました。
 
 最後に、協議事項として、ガイドヘルパーの必要性を知ってもらいヘルパーの担い手確保につなげるため、改正障害者自立支援法が成立した12月3日を「視覚障害者ガイドヘルパーの日」とし、12月3日から公布された10日までをその記念週間として働きかけていくことを進めていきたい旨説明されました。