厚労省作業部会でジョブコーチに関する意見表明
令和5年1月17日、厚生労働省の「第5回職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会」が中央合同庁舎第5号館 専用第15会議室(12階)をホスト会場としてオンラインで開催され、障害者職場適応援助者(ジョブコーチ)に関する関係団体からヒアリングが行われました。参加した6団体は次の通りです(発言順)。
一般社団法人日本難病・疾病団体協議会、一般財団法人全日本ろうあ連盟、一般社団法人日本発達障害ネットワーク、一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会、公益社団法人全国精神保健福祉会連合会、社会福祉法人日本視覚障害者団体連合。
日本視覚障害者団体連合からは意見書を提出するとともに、当日は、竹下義樹会長、工藤正一総合相談室長、視覚障害者就労生涯学習支援センター代表・井上英子氏が発言しました。
冒頭竹下会長は、「視覚障害者に対しての職場での支援としてのジョブコーチが広がらないことは残念でならない。それは、ジョブコーチの養成ができていないことに尽きる。そのごく僅かなジョブコーチも、東京を中心とした中心部にしかいないために、各地域で支援を受けられない実情がある。視覚障害者が事務系の一般就労をする場合、ジョブコーチによる専門的な援助を受けられる環境にあるかどうかは、その業務遂行をする上で、就労の質が根本的に変わってくる、そのことを皆さんに是非お伝えしたい」と訴えました。
続いて、井上氏は、スライドを用いて、実際のジョブコーチの実施例を紹介しました。ジョブコーチは単に視覚障害者の特性だけでなく、その職場のICT環境、業務システムの構成、処理の流れを踏まえての技術的な支援など、他の障害者のジョブコーチとの違いを強く印象づけました。
最後に、工藤室長は、意見書に基づき、視覚障害者や聴覚障害者のジョブコーチの養成と確保の必要性が、過去の研究会でも度々指摘されてきたが未だに実現していない事実を踏まえると、従来の支援対策では不十分と言わざるを得ないので、特に視覚障害者に関して次の6項目を強く要望しました。
1.一人のジョブコーチが広域をカバーできるような支援体制にする。
2.視覚障害者に対する支援は、視覚障害に精通した専門家とコンビネーションを組んで支援できるようにする。そのために、雇用管理サポーターを積極的に活用する。
3.視覚障害の当事者が、ジョブコーチ等の専門家になることを推進する。
4.助成金の活用として、専門家に対する報酬単価を見直し、適正な報酬とする。
5.地域障害者職業センターにおいて、雇い入れ時以降(例えば3年目や4年目等)に、その対象者のニーズ調査を定期的に行う等のプッシュ型の支援を推進する。
なお、ジョブコーチヒアリングの、6団体の意見書は、次のURLで確認できます。
「第5回職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会(資料)」( URLは、こちら )