第74回障害者政策委員会開かれる

2022年12月16日

 令和4年12月1日、内閣府の「第74回障害者政策委員会」が中央合同庁舎8号館6階623会議室をホスト会場としてオンラインにより開催され、日本視覚障害者団体連合からは竹下義樹会長が構成員として出席しました。
 今回は、障害者基本計画(第5次)について最終的な取りまとめに向けて議論が行われました。

 まず、これまでの議論を踏まえて修正した箇所を内閣府の事務局が説明し、それを受けて委員から質問や修文案が出されました。焦点の一つは、国連障害者権利委員会の総括所見(勧告)との整合性で、第5次の計画では十分な整合性を図るまでに至っていないことを踏まえて、更に検討を進めるべく計画に記述すべきであるとの意見が複数の委員から出されたのに対し、内閣府の事務局から「勧告については先ず各関係省庁が検討して施策に反映させるものであり、基本計画に記述することは必ずしも適当でない」という旨の回答がありました。
 これに関連して竹下会長は、虐待防止法に関連するところで、「適正な運用を通じて」としか書かれておらず不十分であるため、「必要な見直しも含めて」を挿入するよう求めたが残念ながら受け入れられなかったことを述べ、であれば「おわりに」のところで今後の5年間に必要な見直しを行うことを盛り込むべきであるとした上で、この障害者政策委員会で勧告との整合性を図るための検討(見直しの検討)を行わないのはおかしいと指摘しました。
 総論のところでは権利条約との整合性について言及しているにもかかわらず、勧告が内閣府の所管でないので基本計画に盛り込まないというのは矛盾しており、勧告との整合性の検討を必ず盛り込んでもらいたいと主張しました。
 また、竹下会長は、駅や商業施設の無人化の問題を指摘したが修正されていないとして、駅の無人化は地方だけでなく都市部でも進んでおり、視覚障害者は苦慮し不安を感じていることを述べ、次の2箇所に「無人化」の文言を是非入れてもらいたいと求めました。

 1.交通事業者等における障害者に対する適切な対応の確保に向け、《無人化された駅をも含め》旅客施設や車両等を使用した役務の提供に関する基準の遵守等を目的として…
 
 2.障害者が安心して商品の購入やサービスを利用できるよう、事業者が《無人化された店舗を含め》電話や電子メール等多様な障害特性に配慮したサポートを… 
 
 これに対して国土交通省からは、無人駅の表現を書き加えることについて検討したが、『旅客施設』の中に無人駅も含めており、しっかり対応していくものであるので理解してほしいとの回答でした。そのほか、意思疎通支援に関連して『点訳、代筆、代読、音声訳等』の記述のところを「…代読、音声訳、拡大、使いやすいメディア、平易な表現等」のように追加してもらいたいとの意見がありました。