第128回社会保障審議会障害者部会開かれる 

2022年5月17日

 令和4年4月25日、厚生労働省の「第128回社会保障審議会障害者部会」がベルサール飯田橋駅前(1階)においてオンライン参加も交えて開催され、日本視覚障害者団体連合からは竹下義樹会長が構成員として出席しました。
 今回の議題は議題1.制度の持続可能性の確保等、地域生活支援事業、意思疎通支援、療育手帳の在り方について、並びに議題2.地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会の議論の状況についての2つだったが、それぞれ事務局から説明があり、それを踏まえて議論が行われました。

 議題1.に関連して竹下会長は次の3点を述べました。
1.サービス提供事業所の指定の在り方について、地域による偏在を防ぐことに反対するものではないが、指定の過程で総量規制が発生するのではないかと懸念している。そのようにならない仕組みを合わせて検討してもらいたい。

2.ICTを活用した意思疎通支援において視覚障害者にも配慮してもらいたい。カメラで撮影したものを遠隔の人に読んでもらうなど様々な支援形態が考えられる。また、ITサポートセンターでの視覚障害者支援がまだまだ不十分な現状にあり、その点も改善してもらいたい。

3.代筆・代読支援については今後の研究を踏まえて検討することとなっているが、その結果を待つだけでなく、現行制度において代筆・代読支援の拡大策を進め、視覚障害者のニーズが満たされるようにしてもらいたい。

 議題2.については人権の観点から次の4点を述べました。
1.医療保護入院に際して意思決定支援を早急に実現すべきである。患者に十分な情報提供がなされ、的確な意思決定ができるようでなければ人権問題そのものである。入院患者に対して意思決定支援を行う専門的人材を派遣する制度を設けてもらいたい。

2.保護入院の必要性をどう考えるかを踏まえて医療保護入院の廃止に向けて検討すべきである。家族の同意の下で保護入院が常態化することがあってはならないわけだが、その同意の扱い方を含め、保護入院の在り方を抜本的に見直す必要がある。

3.身体拘束は原則廃止とすべきである。その必要性を説く意見の下で身体拘束が常態化している実態がいろいろと報告されているが、それは許されざることである。原則廃止に向けて議論すべきである。

4.虐待防止に関連して、通報義務及び通報者保護の仕組みの制度化は当然のことであって、医療機関や学校がその適用対象外となるなど特別扱いされているのは、障害者権理条約を含む国際的な水準からみて大きな遅れだといっていい。