第127回社会保障審議会障害者部会開かれる
令和4年4月18日、厚生労働省の「第127回社会保障審議会障害者部会」がベルサール飯田橋駅前(1階)においてオンライン参加も交えて開催され、日本視覚障害者団体連合からは竹下義樹会長が構成員として出席しました。
今回の議題は議題1 障害者の相談支援、障害者虐待防止に係る取組の更なる推進、議題2 障害福祉サービス等の質の確保・向上等、高齢の障害者に対する支援で、それぞれ事務局による説明を踏まえて議論が行われました。
議題1の障害者の相談支援事業について竹下会長は次の趣旨を述べました。
1.支援相談員やピアサポーターの位置づけ・業務内容について「引き続き検討することが必要である」と書かれているが、重要な事業であるにもかかわらず、これだと実質的な先送りの印象が免れない。相談員やピアサポーターの業務内容を明確にし、その役割を十分に発揮できるような仕組みづくりを打ち出してもらいたい。
2.「相談支援専門員のサービス提供事業者からの独立性・客観性の確保の在り方についても検討を進める必要がある」と書かれているが、独立性等を保つためには相談事業の仕組みを考えるべきなのか、あるいは報酬を含めた費用的な問題を考えるべきなのか、そうした具体的な方向性をより明確にした上で検討してもらいたい。
3.重層的支援体制について書かれているが、大切なのは障害者一人一人に対し寄り添った継続的支援を行うことであり、重層的支援体制がその実現とどのようにかかわってくるのか明確でない。複雑化・多重化する相談体制を、人材や資金の問題を含めて、より分かりやすく・効率的にして実効性を高めてもらいたい。
また、議題2の高齢の障害者に対する支援については次の趣旨を述べました。
1.取組の好事例を示す場合、ともすれば事例に上げられなかったケースを認めないという硬直化の弊害が出やすい。障害者福祉ではなく機械的に介護保険を適用するといったことがないよう、事例に上げられていないケースについても弾力的な判断がなされるような工夫が必要である。
2.病院にいく際、障害者福祉における同行援護の利用が可能であるにもかかわらず、介護保険の認定を受けた人についてはその通院介助の利用を強制される事例が全国で数多くみられる。そうした弊害が起きないようにしてもらうと同時に、起きてしまった場合の問合せ機関や是正の仕組みを設けてもらいたい。