第116回労働政策審議会障害者雇用分科会
令和4年4月12日、厚生労働省の「第116回労働政策審議会障害者雇用分科会」が同省の職業安定局第1会議室をホスト会場としてオンラインで開催され、日本視覚障害者団体連合の竹下義樹会長が構成員として出席しました。
今回は障害者雇用率制度における障害者の範囲に関連して、1.週所定労働時間20時間未満の短時間労働者、2.難病患者・発達障害者(障害者手帳を持たない者)、3.就労継続支援A型の利用者の各々について、その取扱いにかかわる現状・課題が事務局により報告され、それを踏まえて議論が行われました。
短時間労働者の取扱いについて竹下会長は、障害者の働くことへのニーズを考慮することは必要だが、1.短時間労働が固定化してしまわないよう、障害者本人が希望する場合は、より長い労働時間に移行できるよう支援すべきであること、2.より長い労働時間に移行可能かどうかを評価する場合、障害者の能力のみに着目するのではなく合理的配慮や環境整備を前提としてアセスメントを行うべきであることを述べました。
障害者手帳を持たない難病患者・発達障害者の雇用率制度上の取扱いについては、手帳所持を前提にすべきとの意見が多かったが、手帳を持たない人の就労困難性をどのように評価するか早期に研究して、その成果を制度に反映させるべきとの意見もありました。
就労継続支援A型の利用者の扱いについては、A型が福祉施策において各種の財政的支援を受けていることから、一般雇用で取り組んでいる企業と同じ土俵で取り扱うことには疑問があるとの意見が多くありました。
その一方で、A型は原則として労働基準に従って働く場を提供していること、雇用率制度の対象から外された場合に事業所が減少して障害者の働く場が失われる可能性があることを指摘する声もありました。賛否いろいろな意見があった3つの論点について、今後、更に検討を深めることとして会議は終了しました。