全国視覚障害女性研修大会が鹿児島で開催

2021年10月4日

 「第67回全国視覚障害女性研修大会 九州ブロック(鹿児島県大会)第53回九州盲女性研修大会」が、9月1日にハートピア鹿児島をホスト会場に女性協議会会員、関係者約200名がZoomとYouTubeによるオンラインで繋がり開催されました。
 午前に開会式と全国代表者会議、午後に研修会として、レポート発表・意見交換会、大会議事・閉会式を行いました。

 開会式では塩田康一鹿児島県知事、女性協顧問である高階恵美子参議院議員、石田昌宏参議院議員よりご挨拶をいただきました。全国代表者会議では新常任委員として、原田八千代さん(北九州市)・成田優子さん(岩手県)・宇都木泰代さん(神奈川県)が承認され、ほか5つの議事すべてを採択しました。

 続いて午後の初めに下鶴隆央鹿児島市長からビデオメッセージをいただき、レポート発表・意見交換会では、テーマ「わが家『わたし』の危機管理、どうしていますか?(災害、急病、犯罪など)」で6ブロックより6名の発表が行われました。
 Zoomを通して発表者への感想や質問、意見や情報交換も含め、体験談や視覚障害者として自治体や行政へどのように声を上げていけばよいのか等、沢山の声がありました。

 助言者の鹿児島県身体障害者福祉協会藤田満氏、日視連竹下義樹会長からは、国の政策方針である自助・公助・共助に触れた上で研修会の成果を、「まさに備えあれば患いなし」と備蓄・持ち出し用品の準備等、自分でもできることから始めること。災害対策として各地域で行われる避難訓練・研修に参加すること。個別避難計画について、各障害者団体と連携しながら行政と取り組んでいくこと。そして最後に、災害は忘れる前にくるものであるとして、今、私たち自身に関わることだと危機感をもち、行政に働きかけることが大切だと取りまとめました。

 大会議事では、宣言、12項目の決議が採択されました。
 採択された決議項目は次の通りです。

1.同行援護事業において、地域間格差の是正・マンパワーの確保・従事者養成の推進と資質向上の充実を要望する。

2.緊急の手術や検査の際、複数の職員立会いのもとでの、必要な書類の代筆代読を要望する。

3.ホームヘルプサービスの院内利用を認めるよう要望する。

4.デジタル化社会に対応するため、視覚障害者がICTに関する訓練や支援を、全国で格差なく受けられることを要望する。

5.視覚障害者が、介護保険によるホームヘルパーによっても代筆代読が、地域間格差なく、自宅でも受けられるよう要望する。

6.食品の賞味期限・消費期限の記載は、視覚障害者にも分かりやすいように文字を大きくするよう要望する。

7.視覚に障害が有っても使えるセルフレジの開発を要望する。

8.コンビニやスーパー等で、セルフレジの導入が進んでも、有人レジを必ず1台以上残すよう要望する。

9.タッチパネル式機器には必ず、弱視にも見やすい文字表示と、音声案内の装備を開発製造者に義務付けるよう要望する。

10.新幹線を含めた特急券の割引を要望する。

11.テレビに於ける、緊急時の字幕放送は、拡大文字による表示時間を延長するとともに、必ずその音声化も進めること。また、ニュースの中の外国語は、日本語での吹き替えを要望する。

12.視覚障害者世帯に対する子育てを支援するための福祉制度の早期創設を要望する。

 閉会式では次期大会開催地である福島県視覚障害者福祉協会女性部長渡邊寛子氏から挨拶が行われました。次年度の第68回大会は令和4年8月31日(水)~9月1日(木)に福島県で開催されます。

 第67回全国視覚障害女性研修大会の模様は、以下の動画から視聴することができます。

◎「第67回全国視覚障害女性研修大会九州ブロック(鹿児島県大会)開会式」

URL:https://youtu.be/LS3Hl54mXdg

◎「第67回全国視覚障害女性研修大会九州ブロック(鹿児島県大会)午後の部」

URL:https://youtu.be/TxaNYo6_z08