第95回雇用分科会開かれる
2月14日、東京都港区において、「第95回労働政策審議会障害者雇用分科会」が開催され、日本視覚障害者団体連合から竹下義樹会長が委員として出席しました。
当日の議題は、(1)2019年度の年度目標に係る中間評価について、(2)2020年度障害者雇用対策の年度目標について、(3)今後の障害者雇用対策の検討の進め方について、(4)労働政策審議会労働政策基本部会報告書(令和元年9月11日労働政策審議会了承)について、(5)その他、でした。
竹下会長は次のような意見を述べました。
議題(1)(2)の年度目標関連では、全体の就職件数が伸びることは良いことだが、視覚障害者などここ数年減っている障害者もあり、特に就職困難な障害者が取り残されないためにも、有効求職者に対する就職率や、障害の部位別データなども明らかにし、障害者の特性に応じた施策が実施できるよう、その要因を分析する必要があると意見を述べました。
また、企業の雇用率達成状況は依然50パーセント以下で推移している中、企業努力だけでなく、社会的コンセンサスを作るためにも、単に前年度比を繰り返すだけでいいのか、目標設定に当たっての問題点や課題を指摘しました。これに対して、事務局からは、障害の部位別状況については、次回以降に整理して示したい旨、回答がありました。
議題(3)に関して、特に、「通勤支援、職場における支援の検討」については、雇用福祉連携PTにも関係し、合理的配慮の面からも、今後の大きな目玉となるので、「JEED調査」(高齢・障害・求職者雇用支援機構の行う調査のこと)と一体で検討して欲しいこと、また、「公務部門における障害者雇用の促進」に関しては、公務部門は雇用納付金制度の対象外となっていることから、公務部門における合理的配慮の仕組み作りに関する議論が必要だと意見を述べました。
議題(4)では、いわゆるAI(人工知能)の動きを踏まえてまとめられた報告書の説明が行われました。これを受けて、AI等の活用が進む中での労働者への支援に関して、AIが今後の労働者の過重労働の軽減に結び付くとするならば、障害を持った労働者がより生産性を上げ、あるいは労働しやすい環境に結び付くAIであるべきだと思うので、今後、そういう方向での検討をお願したいと述べました。
議題(5)その他のところでは、雇用福祉連携PTにおいて検討されてきた、雇用サイドにおける納付金助成金制度の拡充について報告があり、竹下会長は、特に、新たに雇用と福祉の両面から支援が行われる通勤支援の内容について、現時点での疑義について質問しました。
当日の資料は、厚労省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=k20gaRG70wDk3gABY)にて公開されています。