あはき19条違憲訴訟 仙台高裁判決報告

2020年12月21日

 平成医療学園グループの学校法人福寿会・福島医療専門学校が、健常者のためのあマ指師養成学校の新設を非認定処分とされたことで仙台地裁に提訴したが、結果は棄却されました。原告はそれを不服として仙台高裁に控訴した裁判の判決が、12月14日14時から、101号法廷で言い渡されました。

 裁判傍聴には、東北の各県と東京・北関東から、日本視覚障害者団体連合、日本あん摩マッサージ指圧師会、日本理療科教員連盟、全日本鍼灸マッサージ師会、全日本視覚障害者協議会、盲学校の同窓会会員など35名が参集しました(傍聴席は35席)。

 判決では、小林久起裁判長が主文と判断理由を20分以上朗読をしました。仙台高裁も1審の判断を妥当とし、福寿会側の控訴を棄却しました。判決理由の中で、あはき法19条があることで生じる不利益(健常者対象の養成学校を自由に新設できないという不利益、および養成学校の門戸が狭まるという健常者の受験者の不利益)よりも、守られる利益(視覚障害者の職域を優先することで視覚障害あマ指師の生計維持が図られるという利益)の方が大きく、同法は、職業選択の自由に対する公共の利益による制限として正当であると述べました。

 裁判後、記者クラブでの会見と宮城県視覚障害者情報センターにおいて「按摩マッサージ師の未来、確かな道へもう一歩」の横断幕を掲げて集会を行いました。
 各団体長、業界の会長挨拶のあと、大胡田弁護士から裁判の解説がありました。「仙台高裁は、原告の意見にとても真摯に今回の判決理由や判断の根拠を説明している。これは、最高裁に上告されても意味のある判決であった」と述べました。

 最後に全員で集合写真を撮影し、福島の阿曽幸夫会長の頑張ろうコールで、集会を終えました。