改正障害者雇用促進法の施行に向け審議始まる

2019年8月27日

 8月7日、東京都港区で厚生労働省の「第87回労働政策審議会障害者雇用分科会」が開催され、日本盲人会連合から竹下義樹会長が出席しました。

 今回の議題は、1.改正障害者雇用促進法の施行に向けた検討について2.特例給付金の支給要件等について、でした。

 事務局からの説明を受けて、竹下会長からの質問は次のとおりです。
1.公務部門における合理的配慮として就労支援機器の貸し出し制度などを、どのような形でシステム化されるのか。また、制度として公務員のためのジョブコーチを養成していく必要があるが、今後の方向は。
2.通勤支援などの国会の附帯決議事項について、これまでにも、福祉と雇用の連携について検討していくとされてきたが、いつどのような形で検討するのか。
3.公務部門における採用状況を障害の種類別・部位別の状況を省庁毎に分析し、公表して欲しい。また、採用後の定着率についても、各省庁の正職員と非常勤職員の実態を調べ、定着率にばらつきがないようにするために、どのようにしていくのか。

 事務局答弁は次のとおりです。
1.拡大読書器等の設置等については、基本的に各省庁が購入して備えることとしている。また、公務員自身がジョブコーチとしてノウハウを持って対応できるように、既に民間のジョブコーチと同様の5日間の養成研修を開始している。
2.福祉と雇用の連携については、「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」の下、「障害者雇用・福祉連携強化プロジェクトチーム」で論点を整理していくこととしており、年明けに本質的な議論に移った時、必要があれば当事者の意見を聴取するようにしたい。
3.公務部門での障害種別の採用の状況については、統一選考が多いということから、知的障害者の採用は難しく、精神障害者の採用が進んだ。知的障害者には、今後、特別支援学校と連携して職場実習を取り入れながら採用していくモデル事業も考えていきたい。また、非常勤の離職率が高い問題では、雇用携帯を正規化する方法もあるが、期間満了で退職しているケースもあるので、契約更新時に継続できるようなフォローも併せて行っていきたい。

 事務局答弁を受け、更に、竹下会長から、附帯決議の通勤の問題は、この度、重度障害のある国会議員が誕生したことへの参議院の迅速な対応に見られるように、待ったなしの問題であると指摘し、早期に検討するよう要望しました。

 一方、今回の法改正により新設された、週10時間以上20時間未満で働く障害者を雇用した企業に支給する特例給付金の支給要件等については、事務局提案に異論はありませんでした。