議員連盟で読書バリアフリー法条文案を検討

2019年3月1日

 2月20日、東京・永田町の参議院議員会館にて「障害児者の情報コミュニケーション推進に関する議員連盟」の第6回総会が開催されました。

 同連盟は、「障害者権利条約」における全ての障害者のための情報アクセシビリティの保障やICTの利活用などの確保、また「障害者差別解消法」の合理的配慮として重要な理念である情報アクセシビリティの保障を具体化するための「読書バリアフリー法」を実現するために設立されたものです。

【写真の説明】
会場正面に議員連盟役員の方々。左から順に、滝波宏文 事務局長、山本ひろし 幹事長、衛藤晟一 会長、神本みえ子 顧問、伊藤孝恵 筆頭事務局次長。その中で起立し挨拶をしている議員連盟 衛藤晟一 会長。

【写真の説明】挨拶をする日盲連 竹下義樹 会長

 今回の総会では、超党派の衆参両議員、日本盲人会連合、日本点字図書館、
全国視覚障害者情報提供施設協会、出版・図書館関係団体、関係省庁が参集し、
参議院法制局より提示された「視覚障害者等の読書の環境の整備の推進に関する法律(仮称)」いわゆる「読書バリアフリー法」の条文案について検討されました。
 日盲連からは竹下義樹会長が出席し、「我々の要望を随所に盛り込まれたすばらしい法律案にまとめていただいたことにまずは感謝する。これまでマラケシュ条約の批准、そして著作権法37条3項改正によって、視覚障害者をはじめとする読書困難者に対する読書環境を作るための前提ができたと思われる。この法律が実現することによって、積極的に環境を整備していくという段階に入ると思われる。とりわけ、これまでになかった協議の場として、利用者、出版社、情報提供施設などが一堂に会した場が持たれるということは、今後の社会づくりに非常に大きな意味を持ってくる。1日も早い法律の実現を期待している。」と述べました。
 今回は、読書困難な当事者として、DPI日本会議、認定NPO法人エッジからも上肢障害、発達障害の立場で意見を述べ、法律の早期実現を求めると述べました。

【写真の説明】議員連盟 滝波宏文 事務局長と山本ひろし 幹事長

 続いて、各団体と参加議員からの意見発表の後、文教科学委員会筆頭理事で同連盟顧問に就任した立憲民主党・神本みえ子参議院議員より意見が述べられました。神本顧問は「マラケシュ条約批准を受けた形での読書環境整備は必要であると強く感じており、法律実現のため努めていきたい」と述べました。
 同連盟会長の自民党・衛藤晟一参議院議員からは「ようやく条文案までたどり着けることができた。この場で条文案が諒承された後は、各党の手続きに入り、参議院文教科学委員会委員長提案にすべく全力で取り組んでいく。」と述べました。
 最後に、同連盟事務局長の自民党・滝波宏文参議院議員より条文案について確認が求められ、満場一致で採択されました。