第81回雇用分科会で障害者雇用対策を審議

2019年1月7日

 平成30年12月25日、東京都港区の労働委員会会館において、第81回労働政策審議会障害者雇用分科会が開催され、日本盲人会連合から竹下義樹会長が出席し、今後の障害者雇用対策の在り方について審議しました。多くの論点があるため、議論は2回に分けて行われ、今回は民間部門に関する部分を中心に議論されました。
今回提示された論点を受けて、竹下会長は次のような意見を述べました。
1.法定雇用率の激変緩和措置については、反対するものではないが、法律等で恒久化することには疑問がある。 
2.除外率制度はノーマライゼーションの観点から一度廃止を決めていながら、その方針を変えようとするのは、朝令暮改のそしりを免れない。検討すべきは、除外率を下げると何か支障があるのかを議論し、問題が生じるならば、それに対する手立てを検討すべきである。除外率制度を廃止する方向性を変えてはならない。
3.調整金に上限を設けることについて、反対とまで強くは思っていないが、このことにより就労継続支援A型事業所が潰れ障害者の解雇が増え、障害者の就労場所が失われていく懸念があるので、慎重に検討すべきである。 
4.長期間雇用された障害者のカウントを高くすることについては、政策論としてもおかしいと思う。常勤雇用で雇われた障害者が長期に就労するのは当たり前であり、それを障害者に限り、長期就労者のカウントを、例えば1.5にすることは、長期就労者が増えれば、障害者の就労の場が減ることにもなりかねず、理念的にも疑問である。

 さらに、次回に議論される公務部門に関する論点に関して、次のような意見を述べました。
(1)公務員の任用面等での対応に関して、今回の措置が雇用率を達成する一時的な策であってはならない。今回の問題を契機に、障害者雇用を積極的に進めるという観点から、いわば恒久的な制度とすべきである。
(2)合理的配慮のところで、通勤に対する支援が明確に示されていないが、国会答弁でもあったように、次回論点には明記して欲しい。

なお、今回の会議資料は厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03031.html)で閲覧できます。