第79回障害者雇用分科会開催

2018年10月29日

 10月22日、厚生労働省において、第79回労働政策審議会障害者雇用分科会(松為信雄分科会長代理)が開かれ、日本盲人会連合から竹下義樹会長が出席しました。

 議題は、「国の行政機関等における平成29年6月1日現在の障害者の任免状況の再点検結果について」です。最初に、同日公表された「国の行政機関における障害者雇用に係る事案に関する検証委員会報告書」について、山田雅彦大臣官房審議官から報告がありました。続いて事務局から、今後の再発防止に向けた取り組みについて、「公務部門における障害者雇用に関する基本方針(案)」が提示されました。

審議の結果、提案通り承認されたが、竹下会長は「検証結果に関しては、いつしか厚労省にその責任を転嫁されているようで、違和感がある。対象障害者について、視力障害は矯正視力で判断すべきなのに、裸眼で0.1以下を算定していた省庁があった。視覚障害に限らず、特定の項目に関して、特徴的な障害の枠組みを作りだすために何らかの意図があったのではないか。また、チェック機能に関しては、安倍晋三総理がおっしゃっている法の支配であったり、多様性を尊重した共生社会の実現ということが平気で守られていなかった。その間に何千人という障害者の働く場が奪われていた。このことを前提に、少なくとも、府省庁の外部の、当事者目線も含まれたチェック機関を法改正で是非お願いしたい。さらに、職員任用制度に関しては、障害者の別枠選考採用制度の創設、非常勤職員などから正職員への道が開かれることは非常に素晴らしい。採用時の試験については、障害の特性に応じた配慮、例えば、視覚障害者の場合、音声パソコンなど、音声媒体による出題は既に司法試験でも実施されており、人事院の試験においても是非お願いしたい。十分な合理的配慮が採用からスタートすることが、その後の就職も含めて、働いている人に安心感を持たせることになる。また、網膜色素変性症などで視力が低下した中途視覚障害者が合理的配慮の話し合いもなく、退職に追い込まれる事態が放置されている例がある。このような中で数合わせされるのは論外である。中途障害者が引き続きその方の経験・スキルを生かした形で就労を続けられる職場作りを是非お願いしたい」と述べました。

 最後に、土屋喜久職業安定局長より、「これから関係閣僚会議に報告し、今後は本日の意見も踏まえてしっかりと着実に取り組んでいきたい」と決意を表明されました。