70周年記念第64回全国盲女性研修大会
日本盲人会連合・同女性協議会・島根県視覚障害者福祉協会主催による「日盲連結成70周年記念第64回全国盲女性研修大会(中国・四国ブロック島根県大会)」が、8月31日~9月2日に開催され、島根県民会館並びにホテル一畑を会場に、視覚障害女性と関係者400余名が参集しました。
1日目は常任委員会・全国委員会が行われました。
2日目午前の全国代表者会議では、平成29年度の事業報告・決算・監査報告、平成30年度の運動方針・事業計画・予算はじめ、10議題について話し合い、一部次回までの検討を含め承認されました。
午後の研修会第1部では、落語家(元医師)の春雨や落雷師匠による講演会「健康講話」の演目「目黒の秋刀魚」で大いに笑った後、「笑うことにより免疫力が高まり健康を保てる」と、笑い方を学びました。
第2部では、日盲連結成70周年記念事業として、女性協が実施している「組織活動に関するアンケート調査」の中間報告がありました。内容の概要は次の通りです。
1.前回調査より女性会員数が減少している
2.同会からの定額の補助がないところがある
3.家庭生活訓練事業を中心とする活動団体が多い
4.加盟団体に占める女性役員数(部長以外)について、0という団体が1割以上ある
5.女性部役員数が少ないところでは、行事を行う時や電話を利用して会議を開いている、など。
また、第3部では、レポート発表・意見交換会が行われ、助言者として竹下義樹日盲連会長、島根県健康福祉部次長、松江市福祉部障害福祉課長の3氏を招き、「日頃差別を受けたことがありますか?感じたことがありますか?」をテーマに9ブロック9人から次のような発表がなされました。
(1)行政窓口での代筆にまつわること
(2)タクシー料金の多額請求
(3)母親から受けた行動や言動
(4)就職先での言葉で結局は解雇された、など。
会場からも次々と手が上がり、同じ思いを持つ仲間からの発言も多く、涙を誘う場面もありましたが、一方で「結婚に対して不安があったが、縁を結べそうかもしれない」という喜ばしい話もありました。
重いテーマでしたが、日々の生活の中で、殊に家族から受ける事々など、仲間の集まりだからこそ話せたのではないか、次の展開は運動に力を注ぐことではないかと感じました。
その後開かれた、交流会の席上で、あはき19条裁判カンパ活動が行われ、15万3005円が寄せられました。
3日目は式典と大会議事が開かれた。採択された決議事項は次の通りです。
1.視覚障害女性の2重の差別解消、障害者権利条約理念の周知徹底を
2. 三療業に従事する女性の収入減、一人暮らし高齢女性の増加、視覚障害女性の生活が成り立つよう、障害基礎年金の増額を
3.視覚障害者が入院した際ホームヘルパー制度の利用を
4.同行援護事業は、利用者のニーズに即した利用計画を、当事者の必要とする支給量の提供を 5.健常者の同居、年齢にかかわらず代筆代読サービスが受けられるよう、居宅介護サービスの見直しを
6.食品の賞味期限等記載文字を大きく、商品バーコード位置の統一を
7.宅配のコンビニ受け取りやコインロッカーは視覚障害者が使用できる仕組みを、セルフレジは拡大画面の導入・音声のみで操作できるようなシステムに、有人レジの確保を
8.家電製品等新機器の製造には、拡大画面の導入と音声のみでも操作できること、音声版やテキストデータによる説明書作成の義務付けを
9.緊急時字幕放送は、拡大文字で時間延長、ニュースの中の外国語は日本語吹き替えを
10.避難所には視覚障害者にとって必要な物品の備蓄を
11.トイレ内水洗ボタン位置、規格の一定化を
12.鉄道ホームには転落防止策を、ボタンによる開閉式ドアで視覚障害者がホームにいるときは乗務員が開閉すること、障害者用ICカードの発行を
13.視覚障害者が同乗するすべての車は、身体障害者手帳提示で高速道路通行料金を半額に。