障害者放送協議会総会が開催
7月18日、東京・新宿区の戸山サンライズにおいて、障害者放送協議会(竹下義樹代表)の平成30年度第1回総会が開かれました。
冒頭、竹下代表から、「先日マラケシュ条約の批准案件が承認されて、著作権法の改正も行われ、それに関連し、国内の動きとして、仮称ではあるが読書バリアフリー法が必要であるということで、院内集会が行われた。また、今どきの災害は、ほぼ毎年のように確実にやってくるという状況になっており、災害における必要な情報の伝達について、どのような形の情報保障の仕組みが今必要か、まさに焦眉の課題となっている。また、第4次障害者基本計画がこの4月から動いているが、今後の5年間の計画で、放送分野におけるバリアフリー化がどれだけ進むかについても、今、国にどのような取り組みを求めるか検討の時期である」と述べました。
続いて、議案は提案通り承認され、障害者放送協議会三委員会の委員長から次のような補足発言がありました。著作権委員会河村宏委員長からは、特にマラケシュ条約に関して、今後、我が国として人員体制の整備などの予算措置が今後の課題であるが、新たなサービス拡充には期待できること、ただ、著作物の円滑な利用といいながら、動画を除外していることは問題であると述べました。
放送・通信バリアフリー委員会寺島彰委員長からは、視聴覚障害者等向け放送に関する研究会の報告書の中にかなりの意見を反映させることができ、その結果、放送分野における情報アクセシビリティに関する指針(2018年2月7日策定)にその成果を確認できたこと、また、今回、障害別に直接事業者と話し合う場が持てたことは、今後のためにも大きな意義があったと述べました。
災害時情報保障委員会矢澤健司委員長からは、これまでも、災害の度ごとに以前の災害の経験が生かされていないという話があり、特に避難所については、本当に地域の街作りや地域防災計画に生かされているのだろうかと疑問を投げかけるとともに、今後、障害者権利条約「11条」のパラレルレポートの検証作業をしていくことになると述べました。
最後に、今後の活動について活発な意見交換が行われました。日本盲人会連合からは、工藤正一総合相談室長(著作権委員)、佐々木宗雅組織部長が出席しました。