第55回全国盲人代表者会議で要求討議 

2018年7月12日

 日本盲人会連合結成70周年記念第71回全国盲人福祉大会2日目の6月12日午後、東京都台東区の浅草ビューホテルにて、第55回全国盲人代表者会議が開かれました。

 全体会議の冒頭、竹下義樹会長は、「我々が今後10年を見据えた運動を進めていく上で大きな運動方針や各地方から挙げられた要求課題について、みなさんとともに論議し、集約していきたい。ぜひ各地方の実情を議論に載せていただき、今後の運動に反映していただきたい」と述べました。
 続いて東京都盲人福祉協会笹川吉彦会長(日盲連名誉会長)の挨拶の後、12本の柱からなる平成30年度運動方針(案)が確認されました。また「読書バリアフリー法(仮称)の制定を求める特別決議」(案)が示され採択されました。
 その後、生活・バリアフリー・職業の3つの分科会に分かれ、各団体提出議案の個別討議が行われました。
 生活分科会では、障害者差別解消法・障害者総合支援法、同行援護・移動支援、65歳以上の介護保険・高齢者問題、日常生活用具給付等事業、意志疎通支援、歩行訓練など、40項目について意見交換されました。
 同行援護・移動支援では、交通の不便な地域において同行援護従業者が車を運転した場合も報酬算定に加えることについて、車両運送法上問題となるので福祉有償運送を利用するなどで対応することを確認し採択されました。
 バリアフリー分科会では、駅の安全対策、鉄道関係、交差点・信号機、道路関係、視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)、情報保障、セルフレジ、家電製品・アプリなど、39項目について意見交換されました。
 駅の安全対策では、エスカレータへの誘導ブロックの敷設、無人駅対策などが議論されました。
 道路関係では、歩車分離式信号機など複雑な信号機が増えていることによる視覚障害者の安全な移動について議論されました。
 職業分科会では、19条関係、受領委任払い、無免許・無資格・柔整、あはきの就労対策、職場介助者(ヒューマンアシスタント)、一般就労・雇用関係、年金・手当など、23項目について意見交換されました。
 19条訴訟については、国が敗訴するようなことになれば視覚障害者の職業の中心となるあはき業が成り立たなくなるため、日盲連が製作したチラシやパンフレットを活用して、一層、国民に訴えていかなければならないこと、無免許・無資格問題では、取り締まりの強化を要望するとともに、得意な分野をアピールできる方法を考える必要があることなどが議論されました。