第43回全視情協大会(大阪大会)を開催
特定非営利活動法人全国視覚障害者情報提供施設協会の第43回全国視覚障害者情報施設大会(大阪大会)が、10月19日~20日、全国81施設・団体から230名を超える関係者が参加して、「『情報共有社会』の実現を目指して」をテーマに、ホテル・メルパルク大阪を会場に開催されました。
大会は、例年のように全体会と分科会で構成され、「障害者差別解消法」施行後の視覚障害者等に対する情報保障の進め方をはじめ、相談支援のあり方やサピエに関わる課題等について熱心な討議が行われました。また、目前に迫った点字表記法の改定を念頭に、その進捗状況についても報告されました。
今回特に注目されたのは、2日目のブロック別会議で取り上げられた「災害に備えた連携の構築と、事前準備」についてです。
各ブロックにおいて今後予想される災害に備え、災害時の情報共有手段(MLや緊急連絡網の作成)、情報集約や対応検討のための支援拠点の設定、利用者名簿の整理と活用についての確認等、情報提供施設に課せられた、視覚障害者に対する支援策が話し合われました。
なお、日本盲人会連合からは、竹下義樹会長の代理として伊藤和男副会長が来賓として出席しました。式典の終わりに決議された事項は次の通りです。
(1)わが国の視覚障害者等の情報保障を支える視覚障害者情報総合ネットワークシステム「サピエ」が安定的に維持・運営されるように、国による継続的な助成を
(2)点訳・音訳等のボランティア活動を推進し、その社会的位置づけを高めるため、障害者総合支援法において都道府県・市町村の「任意事業」に留められている「点訳・朗読奉仕員養成研修」事業を「必須事業」とすること
(3)マラケシュ条約の批准に伴い、著作権法を改正し、著作権法第37条第3項の対象者を、マラケシュ条約第3条に規定する「受益者」にまで広げること。また、第4種「特定録音物等郵便物」の郵送料無料扱いを「盲人用の録音物」から「読書に困難がある人のためのアクセシブルな図書」に広げること
(4)電子メディアとインターネットによる読書が拡大する中、出版業界にアクセシブルなEPUB方式、もしくは「デイジー3.0以降」による電子書籍の普及を。