厚労省で第4回視覚障害認定基準検討会
7月28日、東京都港区のAP新橋虎ノ門会議室において、第4回視覚障害の認定基準に関する検討会(座長・中村耕三東京大学名誉教授)が開催され、日本盲人会連合の竹下義樹会長が構成員として参加しました。
今回は、これまで合意ができていなかった視力障害の部分を中心に議論が行われました。第1回の検討会に提示された合同委員会報告書に基づく視力に関する基準案のうち、現行の視力障害は、両眼の視力の和で認定されますが、良い方の眼の視力をベースに判定することについて、異論はありませんでした。
しかし、それ以外の視力障害の部分で、現行の2級から3級に、3級から4級に下がる区分があることについて、意見は一致せず、引き続き検討することになっていました。
今回の検討会において、日盲連はこれまで意見の一致が見られなかった視力障害の基準について、改めて意見書を提出しました。
その結果、良い方の視力が0.04かつ他方の視力が0の場合と、良い方の視力が0.08かつ他方の視力が0の場合については、日常生活の困難度という観点から等級を下げるべき強い根拠が現時点ではないことを踏まえて、経過的取り扱いとして、新規認定分も含め現行の等級を維持することとなった。
つまり、良い方の視力が0.04かつ他方の視力が0の場合に2級とされ、また良い方の視力が0.08かつ他方の視力が0の場合に3級とされ、これにより改定後に障害等級が下がることはなくなりました。
また、今後、視力と視野を統合してスコア化し、諸外国においてQOL(生活の質)との関連が示されているFVS(Functional Vision Score)の導入も選択肢とすることに一定の合意がありました。
一方、片目失明者友の会から出された意見に関しては、竹下会長の質問を通し、片目失明者の生活困難について、手帳制度を含め検討することとなりました。これらの合意を受け、今後基礎データの蓄積などが必要となるため、次回には一定の方向性が示される予定です。