サイトワールド2016・レポート「弱視者の読み書きの支援の在り方に関するシンポジウム」
東京都墨田区のすみだ産業会館で開催されたサイトワールド2016第2日目の11月2日、日本盲人会連合主催による「弱視者の読み書きの支援の在り方に関するシンポジウム」が同会館会議室で開催され、約100名が詰めかけました。
このシンポジウムでは「読み書きが困難な弱視(ロービジョン)者の支援の在り方に関する調査研究事業」(埼玉県民共済生活協同組合・大阪府民共済生活協同組合助成)において実施されたアンケート調査の結果から、弱視(ロービジョン)者が抱える読み書きの困難さを明らかにするとともに、必要とする支援及び合理的配慮について討議されました。
日盲連・竹下義樹会長による開会の挨拶の後、慶應義塾大学・中野泰志教授による基調報告が行われ、1.学齢期より大人になってからの方が読み書きに困難を感じることが多い 2.相談できる場所が当事者団体・福祉団体・行政の障害福祉課と限られており重要な眼科医に頼っているケースが少ない 3.福祉制度に出会うまでに時間がかかり過ぎていると3つの問題が提起されました。
続いて、中野教授を助言者とし、弱視者問題研究会・並木正代表、日本網膜色素変性症協会・金井國利理事長、アーチャレジー・安藤将大代表取締役社長、視覚障がい者ライフサポート機構viwa・奈良里紗理事長をパネリストに迎え、日盲連・藤井貢組織部長のコーディネーターによるパネルディスカッションが行われました。
会場からは、(1)パスポートの申請など記入枠からはみ出すことが許されない書類への記入に1時間もかかったのでサインガイドのようなものを置いてほしい(2)電子化された申請書類に記入して窓口に行くと追加で書くことを求められて困った(3)弱視者のサポート機器として有効なスマートフォンが一定期間体験できるようなところが必要などという意見が挙げられました。