UD2020関係府省等連絡会議へ参加
6月7日、内閣官房主導による「ユニバーサルデザイン2020関係府省等連絡会議(第2回)」が開催されました。この会議は、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックのレガシー(遺産)の一環として、日本のバリアフリー・ユニバーサル社会の実現を掲げ、全府省を挙げて検討するために設置されました。会議には関係府省の担当者と関係機関が参加し、府省の垣根を越えて障害者に係わる課題を「心のバリアフリー」と「街づくり」の2つの論点に絞り、議論を進めています。
今回は、遠藤利明東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事が座長を務め、関係府省の担当者に加え、日本盲人会連合を含む障害者団体の代表者が参加し要望と意見を表明しました。日盲連からは藤井貢組織部長が出席し、学校教育と障害者が暮らしやすい街づくりに関する内容を中心に意見を述べました。学校教育においては、障害者理解の促進のため、子供の発達段階に応じた教育カリキュラムを学習指導要領に盛り込むことを要望し、特に中途視覚障害者とロービジョン(弱視者)への理解促進を求めました。
また、障害者が暮らしやすい街づくりについては、商店街などでは点字ブロックの敷設が進まないなどバリアフリーの地域づくりに課題があることを指摘し、面的整備を規定に、設備では充足出来ない課題を心のバリアフリーの課題として具体的に取り上げ、住民と障害者が共に参加して進める地域づくりを住民の力で支える体制を要望しました。
会議のまとめとして、遠藤座長からは、昨年発刊された「目の見えない人は世界をどう見ているのか」(伊藤亜沙著、光文社新書)を例にとり、健常者は障害者の悩みや問題は知らない事が多く、障害当事者から意見を上げてもらうことが大切とした上で、今後も障害当事者からの意見を聞き、真の共生社会の実現を目指して国が一丸となって対応していく旨表明がありました。