衆参両院等が対応要領への意見を求める
2月5日、東京・千代田の衆議院第一議員会館において、衆議院・参議院事務局ならびに国立国会図書館が、障害者差別解消法の趣旨を踏まえた職員対応要領案について、障害者団体からヒアリングを行いました。このヒアリングは、昨年11月11日に日本障害フォーラム(JDF)が提出した「立法府における障害者差別解消法の施行に向けた『対応要領』策定に関する要望」を受け開催されたものです。
当日は14の障害者団体が参加し、日本盲人会連合からは工藤正一情報部長が参加しました。冒頭、衆参両院事務局庶務部文書課長、国立国会図書館総務部副部長から挨拶があり、障害者団体を代表してJDFの松井逸朗代表が発言、続いて各団体から意見陳述が行われました。その後、意見交換が行われ、最後に主催者側から「今回のヒアリングから、想定を超える意見を伺うことができた。今後、障害当事者を外部講師に招き、その知見を借りながら、より良い職員研修に取り組んでいく」と決意が表明されました。
なお、日本盲人会連合から提出した意見書の概要は次のとおりです。
1.研修・啓発(第7条)については、職員などに対する障害特性理解のための障害別の研修会を当事者の参画を得て実施すること、さらに使用するマニュアルは障害者団体や当事者の監修のもと制作することを要望。
2.情報アクセシビリティ向上等の環境整備については、ウェブサイトによる情報提供は、視覚障害者が利用しやすいよう日本工業規格(JIS)に準拠することを要望。
3.合理的配慮の事例の公表及び対応要領の3年後の見直しについては、当事者からの要望や苦情の申し出に対してどのように対応したのかを公表し、さらに対応要領の施行3年後には必ず当事者を交えた議論を行い問題点の改善をすることなどを要望。
4.文章中の表現については、「望ましい」という曖昧な表現は避け、「必要」など断定的に表記することを要望。また、参議院事務局には、5.合理的配慮の具体例の追加を付し、衆議院事務局の対応要領に係る留意事項に明記されている内容を、参議院事務局における対応要領にも追加するよう要望しました。