映画のバリアフリーに向けガイドラインを検討
2月4日、経済産業省別館会議室において、平成27年度コンテンツ産業強化対策支援事業「映画上映に関するバリアフリー対応に向けた障害者の視聴環境の在り方に関する調査事業有識者会議」が開催されました。
この会議は、昨年の9月~11月にNPO法人メディア・アクセス・サポートセンター(MASC)協力の下、東京と埼玉の映画館3館を会場に行われた、新しい鑑賞システムによるバリアフリー映画上映の実証実験の終了を受けて開催されたものです。新しい鑑賞システムではスマホなどの端末を介し、利用者に音声ガイドや字幕ガイドを提供します。
視覚・聴覚障害者団体、映画製作関係者、さらにオブザーバーとして経済産業省・厚生労働省・文化庁の各担当課長が参加、日本盲人会連合からは工藤正一情報部長が出席し、座長には、東京大学先端科学技術研究センターの大河内直之氏が選任されました。
調査報告の後、運用マニュアル及び障害者のための利用ガイドライン、課題・問題点などについて議論が行われ、「バリアフリー映画上映映画館用マニュアル」と「視覚障害者向けスマホで聴く音声ガイドご利用ガイド」などについても意見交換がされました。
工藤情報部長は席上、「視覚障害者にとってスマホを使いこなしている人はまだ少数であるため、当面は実施映画館をある程度絞って、スマホなども当該映画館で用意しておくことが現実的」と指摘しながらも、「映画を諦めかけていた視覚障害者が多いことを考えると、このシステムが普及すると、視覚障害者が外に出るきっかけにも繋がり社会参加が進むだろう」と期待を伝えました。