解説放送の充実を求めて IPTVに期待

2015年12月24日

 12月4日、東京都港区にて「第1回メディア・アクセシビリティとIPTVシンポジウム」が開催されました。主催は、IPTVアクセシビリティコンソーシアムで、認定NPO法人CS障害者放送統一機構が共催しました。

 同コンソーシアムは、IPTVにおいて、障害者・高齢者を含む幅広い人々を対象としたアクセシビリティの推進を保障する字幕・手話・音声解説を付与するために必要な規格化に向けた技術的課題を検討・検証するため設立されました。この度、コンソーシアムの一課題として検討してきたIPTVアクセシビリティプロファイルが国際電気通信連合電気通信標準化部門(ITU-T)の国際標準化規格として承認されたことを記念して開催されたものです。「あたらしいメディアでいま広がるアクセシビリティの可能性」「一人ひとりが大切にされるユニバーサル社会をめざして」をテーマに話し合われました。

 招待講演として、「アクセシビリティ向上に向けた総務省の取り組み」藤田和重氏(総務省情報通信戦略局通信規格課課長)、特別講演として、「障害者権利条約と障害者の情報アクセシビリティの向上」松井逸朗氏(日本身体障害者団体連合会会長)が行われ、関係者から同国際規格の紹介と共に、デモンストレーションが行われました。また、全日本ろうあ連盟、日本盲人会連合、全国手をつなぐ育成会連合会のそれぞれの障害者団体から、IPTVによるアクセシビリティ向上への期待と意見が述べられた後、今後の展開についてパネルディスカッション、Q&Aセッションが行われました。

 日盲連からは工藤正一情報部長が出席し、「テレビは視覚障害者の第一の情報源」と題して意見を述べ、11月に行った視覚障害者のテレビ視聴に関するアンケート調査結果(中間集計)などを元に、解説放送の充実を求めました。