日盲連あはき戦略会議が検査院と厚労省陳情
日本盲人会連合のあはき問題戦略会議の8人の委員が、7月31日会計検査院と厚生労働省を訪問し、柔整問題での改善策について陳情をしました。
会計検査院では、過去2回の厚労省に対する「事態改善勧告」が発せられたことに関し、その進捗状況の確認をするよう要請しました。今回の同院に対する日盲連の陳情書は6回目です。今回は特に、柔整師が慢性症を急性症と偽って保険請求するいわゆる「振替請求」の実態に主眼をおいた調査を実施するよう依頼しました。
席上、検査院から前回の実態調査によって、柔整施術を受けた患者からの聞き取り調査によると、約半数が急性症ではないことが示されました。竹下義樹会長はこの点を重視し、柔整師によるあはき師の業権侵害を示す根拠になり得ると指摘し、今後とも事態改善に努めるよう厚労省に勧告する必要性を強調しました。
厚生労働省では、会計検査院から発せられた「柔道整復療養費適正化策」の進捗状況を確認しました。それによると、徐々に適正化策が功を奏しているとして謝意を表しました。その上で、依然として続いている柔整師によるあはき師の業権侵害に対する抜本的な是正策を打ち出すよう求めました。
そもそも、柔整師が医師の同意書不要の「受領委任払い」という優位な保険取り扱いが認められているのは、対象疾患が急性症であり、発症原因が明確なためです。あはき師に医師の同意書が保険適用の絶対条件となっているのは、慢性症が対象となっているために外ならず、柔整師が慢性症施術を行なえばあはき師に対する明らかな業権侵害になります。
今社会では、接骨院が慢性症のあはき施術をするのが当然であるとする認識が定着しており、このような誤った保険療養費施術の実態が早急に改善されるべきです。特にメンバーは、減少傾向にあるとはいえ今でも4千億円前後の療養費が柔整師に給付されている事態に大きな疑問を呈して改善方を強く求めました。