日弁連のヒアリングに日盲連も参加

2014年6月9日

 日本弁護士連合会主催の「第57回人権擁護大会シンポジウム・第2分科会の報告に係るヒアリング」が、6月6日に東京都新宿区の戸山サンライズで開かれ、1.障害者が置かれている現況について、2.「障害者の権利に関する条約」の完全実施に関わる議論状況及び今後の課題について各障害者団体が意見陳述を行いました。
 日本障害フォーラム(JDF)の参加団体の一員として、日盲連から大橋由昌情報部長・点字図書館長がJDFの「意見メモ」に沿って、視覚障害者の現状と課題を述べました。時間的な制約もあり、「メモ」を補足する形で発表しました。
 主な主張は、次の通りです。
 (1)「障害に基づく差別、合理的配慮関連(第2条、第5条等)」では、大学や公務員試験において点字・拡大文字・時間延長などの保障が不十分で、受験要綱に「活字印刷物に対応できる者」という、差別事項も多く見かけられるため、「入学試験、就職試験、各種国家試験等における合理的配慮の統一基準の作成」を、
 (2)「雇用・労働分野(第27条関連)」では、民間の視覚障害労働者には、助成金による各種情報機器や、職場介助者制度も保障されていますが、公務員は対象外であるため、「視覚障害労働者への平等な職場環境の保証」を、
 (3)「情報、コミュニケーション(第2条、第9条、第21条)」では、著作権法に関するマラケシュ条約において、「読書障害者」として対象者が広がっている現状から、視覚障害者のアクセシビリティの最低基準の確保のため、文字の読み書きを保障する総合的な施策推進の法制度、「情報バリアフリー法の制定」を求めました。
 その他、日常生活用具の補助対象年齢の引き下げや、障害基礎年金の支給開始年齢の引き下げ、または障害学生支援のための奨学金の創設などの必要性を訴えました。