コミュニケーション障害4団体が内閣府と懇談

2014年4月17日

要望を述べる竹下義樹会長(右)の写真

 全日本ろうあ連盟、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会、全国盲ろう者協会と日本盲人会連合のコミュニケーション障害4団体の代表が、15日、内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付障害者施策担当参事官の加藤誠実氏と面談し、安倍晋三内閣総理大臣あての「要望書」を提出しました。面談では、竹下義樹日盲連会長が、今後のコミュニケーション障害者の共通する課題を、各省庁の「扇の要」である内閣府で取りまとめてほしい、などの要望を伝えた後、参加者との意見交換も成されました。
 「要望書」と理由の概要は以下の通りです。

 

2014年4月15日

内閣総理大臣 安倍 晋三様

社会福祉法人日本盲人会連合
会長 竹下 義樹

一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
理事長 高岡 正

社会福祉法人全国盲ろう者協会
理事長 阪田 雅裕

要望書

 以下のことについて、要望しますので、よろしくお取り計らい下さい。

1 省庁に横断的に関わる事項につき統括する立場にある内閣府において、視覚、聴覚、言語の機能障害その他の障害のため「情報アクセス・コミュニケーション保障」の法制化を検討する検討会を立ち上げてください。

2 この検討会には、私たち障害当事者4団体からそれぞれ最低1名以上を委員として加えてください。

理由
1.私たちの自己選択や自己決定には、その前提となる情報が十分に保障される必要がありますが、視覚、聴覚、言語の機能障害がある者にとっては、常に情報から疎外されており、支援を受けなければその場での外界の状況すらも十分に把握できない状況におかれています。

日本国憲法の第3章 国民の権利及び義務において、基本的人権(第11条)、平等権(第14条)、参政権(第15条)、表現の自由(知る権利を含む、21条)、教育を受ける権利(第26条)、裁判を受ける権利(第32条)等が規定されています。しかし、視覚、聴覚、言語の機能障害を持つ私たちはこれらの権利を行使しようとするときに必要な「情報アクセス」や「コミュニケーション」が保障されておりません。

わが国は、2014年1月に「障害者の権利に関する条約」(障害者権利条約)の批准手続きを終え、2月19日をもって同条約の締約国となりました。この障害者権利条約では「アクセシビリティ」は重要な権利として位置づけられています。わが国においても、この理念を具体化することが急務です。あらゆる障害者を対象とした「情報・コミュニケーション法(仮称)」の制定が必要です。

2.本要望を行う私たち団体は、わが国における感覚障害を有する障害者を代表する当事者団体です。視覚、聴覚、言語の機能障害については、その程度や発症時期、あるいはその重複の度合いによって障害特性は同一でなく多様であります。また、その多様な特性によって、情報アクセスの方法やコミュニケーション手段も、多様です。

したがって、情報アクセス・コミュニケーション保障に関する検討の際には、私たち団体からそれぞれの代表が検討会に加わることが必要不可欠です。

以上