表紙 視覚障害者がもっと暮らしやすくなるために 視覚障害者に対する差別・困りごと事例集 社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合 <イラストの説明> 点字ブロックの上を、白杖を使いながら歩いてくる視覚障害の女性と手を振る人々 目次 はじめに 1ページ 知っていますか?障害者差別解消法 2ページ 事例集  01 交通機関 4ページ  02 店舗 5ページ  03 金融機関 6ページ  04 住宅 7ページ  05 学校 8ページ  06 職場 9ページ  07 医療機関 10ページ  08 地域社会 11ページ  09 宿泊施設 12ページ  10 観光施設 13ページ  11 公共施設 14ページ  12 選挙 15ページ  13 放送 16ページ  14 災害時の対応 17ページ 困ったことがあった時の相談先 18ページ ●本事例集について  本事例集は墨字版のほかにテキスト版、点字版、音声版を発行しています。これらのデータは本連合のホームページに掲載しています。ご活用ください。  URL http://nichimou.org/ 1ページ はじめに  2014年12月、日本視覚障害者団体連合は差別事例集「視覚障害者にとって差別ってどんなこと?」を発行しました。この事例集は、2014年1月に日本政府が障害者権利条約に批准したことを受け、視覚障害者のことを理解してもらい、視覚障害者にとって 暮らしやすい社会が訪れることを願い、作成しました。  しかし、発行から10年が経過したものの、視覚障害者にとって暮らしやすい社会はなかなか訪れません。むしろ、デジタル化などの社会の変化により、視覚障害者に対する差別と困りごとがより複雑になった部分もあります。  そのため、本事例集では、改めて視覚障害者に対する差別や困りごとの事例をテーマ別に整理し、その事例の解説と解決方法を紹介しています。なお、事例は全国の視覚障害者などから日本視覚障害者団体連合・総合相談室に寄せられた相談、意見、要望などを整理して記載しています。また、事例の解説と解決方法は、障害者に関わる法律、視覚障害者の意見などを整理して記載しています。  本事例集をお読みいただき、視覚障害者がもっと暮らしやすくなるためには何をすべきかを一緒に考えてみませんか。一緒に考えることは、視覚障害者が暮らしやすい社会に近づくための近道だと思います。本事例集が多くの人に届くことを切に願います。 <イラストの説明> 相談員に電話で相談をしている視覚障害の男性 2ページ 知っていますか?障害者差別解消法              日本には約1,160万人の障害者が暮らしています。視覚障害者をはじめ、様々な障害者が地域で生活していますが、残念ながら、社会の中にはまだ物理的なバリアや心のバリアが残っています。それを取り除いていくために作られたのが「障害者差別解消法」です。  この法律の大きな特徴の一つは、「障害を理由とする差別」を禁止している点です。行政機関はもちろん、一般の企業やお店も、障害があることを理由にサービスを拒否したり、不利な条件を付けたりしてはならないとされています。  例えば、視覚障害があることを理由にアパートの紹介を断る、車いすを使っていることを理由に入店を拒むといった行為は、法律上「不当な差別的取扱い」と判断され、原則的にこのような対応は許されません。  もう一つの特徴が「合理的配慮」です。これは、障害者が他の人と同じようにサービスや機会を利用できるよう、できる範囲で配慮や調整を行うことを求める仕組みです。民間事業者については、以前は努力義務でしたが、2024年4月からは法的義務になりました。 <イラストの説明> 視覚障害の女性の周りに集まる人々 3ページ  合理的配慮には、視覚障害者に店の商品を説明する、メニューを読み上げる、タッチパネル式の端末の操作を手伝うといった、日常的で比較的簡単なものが多く含まれます。特別な設備投資を伴うケースばかりではなく、ちょっとした工夫で利用しやすさを大きく改善できるのが合理的配慮の特徴です。  また、合理的配慮は「過重な負担にならない範囲で提供される」と示されています。障害者が希望したとしても、事業規模や費用、実現可能性などを総合的に考え、どうしても対応が難しい場合には配慮を行わないこともやむを得ないという考え方です。しかし、そのような場合でも、単に「できません」と終わらせるのではなく、事情を説明し、代わりの方法を一緒に考える「建設的対話」を尽くすことが望まれています。法律が求めているのは、双方が歩み寄りながら解決策を探す姿勢そのものです。  この法律が目指すのは、障害の有無に関わらず、誰もが安心して暮らし、参加できる社会です。  法律が作られただけでは社会は変わりません。一見遠回りに見えますが、実は、一つ一つの対話が、多様な人が自然に混ざり合い、互いの違いを肯定し合える社会の実現につながっているのです。 <イラストの説明> 点字ブロックの上を白杖を使いながら歩いている視覚障害の女性と、周りで喜んでいる人々 4ページ 01 交通機関 ●鉄道駅で別の鉄道会社に乗り換えるため誘導をお願いしたら、「誘導はできない」と断られました。  → 合理的配慮の不提供と言えます。鉄道事業者やターミナル施設管理者は連続した誘導を実現するための検討を行う必要があります。 ●停留所に来たバスの行き先が分かりません。  → バスの乗降口にスピーカを設置し、ドア開閉時に行き先の案内を流すことで、視覚障害者もバスの行き先を確認することができます。視覚障害者のニーズに見合った環境整備を行う必要があります。 ●タクシーの運転手が料金の精算の時に金額を教えてくれず、さらに障害者割引の申し出を拒否しました。大変不愉快な思いをしました。  → タクシー会社や業界団体は従業員に対する研修を定期的に行い、視覚障害者がタクシーを利用する際の配慮について理解を促す必要があります。 ●クルーズ船に乗りたいと思って予約しました。乗船の当日、盲導犬同伴であることを告げたら、係員から「ペットはお断りする」と言われ、クルーズ船に乗れませんでした。  → 明らかに不当な差別的取扱いと言えます。また、身体障害者補助犬法では、盲導犬を同伴して乗船することは原則として拒んではならないと示しています。 5ページ 02 店舗 ●全盲の視覚障害者です。一人でカフェに入店しようとしたら、店員から「付添者と一緒に来てほしい」と言われ、入店を断られました。  → 入店拒否をすることは不当な差別的取扱いと言えます。店員による席までの誘導、注文への対応、飲み物・食事の受け取りなどのサポートを行う必要があります。 <イラストの説明> メニューの内容を説明する店員と、その説明を聞く視覚障害の女性 ●目的の商品の置き場所やその価格などが分からないので店員にサポートを依頼しましたが、忙しいとの理由で断られました。  → 店舗側は商品の置き場所まで案内し、価格や機能などの表示情報を読み上げるなど、合理的配慮としてサポートを行う必要があります。 ●コンビニでライブのチケットを購入しようと思ったら、注文端末がタッチパネル式でした。そのため、店員にサポートを依頼しましたが断られました。  → お店での注文など、タッチパネル式の端末で入力をすることが増えています。この方式だと視覚障害者にはボタンの位置が分かりません。操作の代行をするなどのサポートを行う必要があります。 6ページ 03 金融機関 ●銀行の口座開設の手続きのために銀行の窓口へ行ったところ、「申請書などの代筆は行員ではできないので、自署が難しい場合は家族と来店してください」という旨の説明を受けました。  → 視覚障害者が銀行で口座開設などの手続きを希望した場合には、合理的配慮として、複数の行員が立ち会い、書類の代筆などを行うことが求められています。金融庁の監督指針ではこのような対応を求めており、問題のある金融機関がある場合には、金融庁「障がいを理由とする差別に関する相談窓口(03−3506−6000)」に相談することが有効です。 <イラストの説明> 銀行で代筆をお願いする視覚障害の男性と快諾する銀行員 ●自宅を購入するために金融機関へ住宅ローンの申し込みをしたら、「借り入れなどの手続きでは、行員は代筆することができない」と言われ、代筆の対応を受けることができませんでした。  → 住宅ローンや借り入れのように、顧客が債務を負担するような取引については、金融機関の行員が書類の代筆をすることは望ましくないとされています。金融庁の監督指針では、このような場合、ローンの連帯保証人や、本人の推定相続人(子供など)の代筆を認めるべきと示しており、金融機関側はこの方法を案内する必要があります。 7ページ 04 住宅 ●アパートの賃借を申し込んだのですが、視覚障害者という理由で部屋を借りることができませんでした。  → 障害を理由に不動産を貸さないことは不当な差別的取扱いになるため、このようなことは許されません。その意味では、家主の契約自由の原則は、障害者差別解消法によって制限されていると言えるでしょう。視覚障害者に不動産を貸すことに不安があるのであれば、不安に感じる点を本人に質問し、対話を通じて不安を解消することが必要です。 ●盲導犬と生活していますが、「視覚障害者を断るわけではないが、盲導犬のような動物がいる場合はアパートを貸さない」と家主に言われ、入居を断られました。  → 身体障害者補助犬法では、不動産の所有者は盲導犬を含む補助犬の受け入れを原則として拒んではならないと示しています。なお、公共住宅では法的義務、民間住宅では努力義務になります。 ●不動産の売買契約の際、「書類に自署できないのであれば契約ができない」と言われました。  → 不当な差別的取扱い及び合理的配慮の不提供と言えます。売買契約書への署名について、親族や信頼のおける支援者による代筆を認めることが必要です。なお、視覚障害者が契約書類などをテキストデータや拡大文字で求めた場合は、その媒体で提供することが必要です。 8ページ 05 学校 ●これから大学に入学する視覚障害者です。慣れるまでの間、キャンパス内の移動などを支援してほしいと大学側に相談したところ、「大学側はサポートできない。自費で支援者を確保してほしい」と言われました。  → 合理的配慮の不提供と言えます。大学側としては、職員によるサポートだけでなく、学生アルバイトを手配するなど、本人との対話を通じて、必要な配慮を提供できるよう努める必要があります。 <イラストの説明> 学校への道を職員に案内してもらっている盲導犬を利用する視覚障害の男性 ●弱視(ロービジョン)なので、テストの文字が見づらく、答案を書くのに時間がかかります。そのため、テストの拡大文字版の提供と試験時間の延長を学校にお願いしました。学校は、テストは同じ条件で成績を測るものとして、対応してくれませんでした。  → 合理的配慮の不提供と言えます。大学共通試験や各種国家試験などでも視力に応じたテスト問題の拡大や時間延長が行われています。形式的平等は実質的にはかえって不平等になる場面があります。そのため、その人に合った受験条件を整え、実力を発揮することができるようにして成績評価を行う必要があります。 9ページ 06 職場 ●視覚障害が進行したので、通勤のための歩行訓練や事務処理のためのパソコン操作の訓練が必要になりました。そのため、上司に相談したところ、「その訓練の受講は有給休暇を使うように」と指示されました。  → 業務遂行上必要な研修の受講は勤務の一環として認められます。障害ゆえに必要となる訓練も同様です。勤務時間内の受講を認めないのは合理的配慮の不提供と言えます。 ●職場のパソコンに視覚障害者用の画面読み上げソフトや拡大表示ソフトの導入をお願いしたら、認められませんでした。  → パソコン関係に限らず、障害者が働ける環境を整備することは合理的配慮の重要な要素です。また、環境整備のための助成金など、色々な公的支援策が用意されているので、これらを活用するのも良いでしょう。 ●私は視覚障害のある女性です。職場で男性から性被害を受けました。そのため、管理職に男性と会わずに済むようなシフトに変更することをお願いしましたが、聞き入れてもらえませんでした。その後、私は出勤することができなくなり、退職しました。  → 職場の責任者は、性被害による精神的ダメージを重く受け止め、相手が近づいてくることを認識しづらい視覚障害の特性などにも配慮しつつ、親身に対応すべきです。また、職場内で解決できない場合は、被害者の意向を尊重しながら労働局などの公的機関に協力を仰ぐことも必要です。 10ページ 07 医療機関 ●病院の受付にあるタッチパネル式の端末を操作できないため、係員にサポートを依頼したところ、「ここでは無理なので、他の病院に行くのはどうか」と言われました。  → 病院で診察を受けられないことは大きな問題です。合理的配慮として手続きをサポートする必要があります。 <イラストの説明> 病院のスタッフにタッチパネルを操作してもらっている視覚障害の男性 ●手術に必要な同意書の署名の代筆を看護師にお願いしたところ、「代筆はできない」と言われました。  → 視覚障害者の中には自署が困難な人もいます。手術を受けられないという重大な事態にならないよう代筆を認める必要があります。 ●親が入院し、視覚障害のある私が付添者になりました。ただ、病院内の移動、関係書類の読み書きなど、私には困難なことが多く大変でした。  → 視覚障害者に対して病院のスタッフによる支援、難しい場合は支援ボランティアを手配するなどの対応を行う必要があります。また、症状や治療について口頭で分かりやすく説明する必要があります。 11ページ 08 地域社会 ●クレジットカード決済をする際、暗証番号の入力を求められることがあります。しかし、入力端末がタッチパネル式になっていることが多く、自分で暗証番号を入力することができなくて困っています。  → タッチパネル式の端末を操作することができない人のことを考慮し、押しボタン式の入力端末を備え置く必要があります。 ●普段通っている道路で急に工事が行われていて、とても不安を感じました。  → 交通誘導員を配置する、工事現場付近に視覚障害者誘導用ブロックを敷設するなど、視覚障害者も安全安心に通行できる配慮を行う必要があります。 ●ゴミの仕分けを間違っていたことを大家に指摘され、それ以降、仕分けが違っているゴミがあると疑われるようになり、近所に住む人たちの態度が変わってしまいました。指摘された後は気をつけており、そのことは大家に伝えましたが、近所の人たちの態度は変わらず、精神的に追い詰められています。  → 十分に気をつけていること、また、ヘルパーも仕分けを手伝って確認していることを大家以外の人にも伝える必要があります。そのため、民生委員、町内会会長、役所の障害福祉課などの相談窓口へ段階を踏んで相談を進めていき、第三者的な立場の人に仲介してもらうことも必要です。 12ページ 09 宿泊施設 ●盲導犬と一緒に旅行をしたいのですが、あるホテルを予約しようとしたら予約を拒否されました。  → 盲導犬を同伴していることを理由とする宿泊の拒否は不当な差別的取扱いと言えます。また、身体障害者補助犬法では、ホテルや旅館などは受け入れを原則として拒んではならないと示しています。 ●視覚障害者の団体で宿泊研修を行うことになり、近県のホテルに宿泊できないかを相談しました。しかし、大勢の視覚障害者が宿泊するためなのか、そのホテルから「宿泊は難しい」と言われました。  → 不当な差別的取扱いと言えます。あまり視覚障害者に慣れていないホテルでは、多数の視覚障害者が来訪することに不安を覚えるようです。そのような場合、視覚障害者の団体と対話することで、対応可能な方法を見出すことができます。 ●ホテルにチェックインする際、フロントに設置されたタッチパネル式のタブレットが使えませんでした。そこでスタッフにサポートをお願いしたら、「ご自身で操作してください。操作ができないのなら、介助者と一緒に来てください。」と言われました。  → タッチパネル式のタブレットが使えない視覚障害者には、合理的配慮としてスタッフがサポートすることを通常の業務に組み込む必要があります。 13ページ 10 観光施設 ●あるテーマパークで、視覚障害者だけで乗り物へ乗車しようとしたら、係員は理由もなく乗車を断りました。楽しい思い出が台無しになりました。  → 理由もなく断ることは不当な差別的取扱いと言えます。安全上の考慮を重んじることは大切ですが、視覚障害者への接遇を学ぶことで視覚障害者に対する懸念を払しょくすることができます。 <イラストの説明> 遊園地で遊ぶ視覚障害の女性を撮影した数枚の写真 ●市の博物館で予定されているイベントにおいて、「犬が嫌いな人・怖がる人がいるから」という理由で、盲導犬が博物館に入ることを市が認めてくれませんでした。身体障害者補助犬法に反することを伝えても対度を変えなくて困っています。  → 入館を拒否することは不当な差別的取扱いと言えます。盲導犬や視覚障害者の団体、人権擁護団体に相談する必要があります。また、身体障害者補助犬法や障害者差別解消法を根拠にどのように対応できるかを専門家に相談することも必要です。 14ページ 11 公共施設 ●私は視覚障害のある男性です。先日、女性のガイドヘルパーと一緒にスポーツジムに行ったところ、係員から「更衣室ではなくトイレで着替えてほしい」と言われました。更衣室内は一人でも大丈夫と伝えたのですが、受け入れてもらえませんでした。  → 思い込みで判断せず、本人の意向を踏まえて対応する必要があります。 ●一人で銭湯に行ったところ、「転んで怪我をすると困る」と言われ、入店を断られました。  → 公衆浴場は保健所の許可の下で営業を認められる公共施設です。公衆浴場は、バリアフリー化や衛生管理に留意しつつ、障害者を含む様々な地域住民を受け入れる必要があります。 ●コンサートに行き、主催者に座席までの誘導をお願いしたら、なぜか車いすに乗せられ、チケットとは異なる座席に案内されました。車いすは必要ないこと、本来の座席に座りたいことを主催者に伝えましたが、聞き入れてもらえませんでした。  → 本人の意向を無視して思い込みで判断するのは不当な差別的取扱いと言えます。本人の意向を踏まえて対応する必要があります。 <イラストの説明> コンサートホールでコンサートを楽しんでいる視覚障害の男性 15ページ 12 選挙 ●郵送で届く選挙の投票券に点字が付記されていないので困っています。多くの郵便物に選挙の投票券が紛れてしまい、私には判別することができません。  → 障害福祉関係に比べて選挙の投票券に点字が付記されていることはまだまだ少ない状況です。重要な権利である選挙権を、視覚障害者が円滑に行使できることは大切です。そのため、投票券の入った封筒には点字を付ける必要があります。 ●投票所に点字器が用意されておらず、係員から「用意するのに30分待ってほしい」と言われました。  → 円滑に投票できるよう、投票所では事前に点字器などを用意する必要があります。 <イラストの説明> 点字投票をする視覚障害の女性 ●私は盲ろう者です。通訳介助者を連れ添って投票所に行ったところ、原則だからという理由で私から通訳介助者を切り離し、支援のノウハウを知らない担当者が私に付き添おうとしました。  → 盲ろう者が安心して投票するためには通訳介助者の支援が必須です。投票所の運営マニュアルに盲ろう者の支援は同行する通訳介助者が支援する旨を盛り込む必要があります。 16ページ 13 放送 ●テレビのニュースは、外国語の音声に字幕を付けて放送していますが、視覚障害の私には何を言っているのか全く理解できません。  → 視覚障害者や字幕を見ることが難しい人たちにも理解できるよう、日本語吹き替えを付ける必要があります。 <イラストの説明> 外国語の吹替が行われたニュース番組を視聴している視覚障害の男性 ●番組放送中にニュース速報が入ったとき、チャイム音のみで、表示された字幕を読み上げないのは困ります。  → 視覚障害者や字幕を見ることが難しい人にも内容が理解できるよう、表示された字幕の内容を音声で読み上げる必要があります。 ●テレビ放送の解説付与番組が少ないので困っています。もっと解説付与番組を増やしてほしいです。  → 総務省の「放送分野における情報アクセシビリティ指針」では、解説付与番組の目標値を設定しています。すでにNHKや民放キー局は目標値を達成していますが、県域局や衛星放送は低水準です。放送事業者の技術提供などの連携により、更なる解説付与番組への取り組みを進める必要があります。 17ページ 14 災害時の対応 ●地震災害による液状化の影響を受けて、罹災証明書を発行してもらう必要があり、役所で手続きを行いました。ただ、署名の代筆は認めてもらえたものの、代筆に係る委任状に拇印を押すように求められました。  → 視覚障害を理由に過剰な要求をすることは不当な差別的取扱いと言えます。本人の意思を確かめるためにも、建設的な対話をするなどして、適切な対応を考える必要があります。 ●弱視(ロービジョン)なので障害者向けの配慮を受けていたところ、他の被災者から「見えているのに不公平ではないか」と非難されました。  → 避難所設置者が本人の希望を踏まえて、周囲の理解を得られるように説明を行うなど、視覚障害に関する理解を促す必要があります。 ●避難所のレイアウトに慣れていないため、一人でトイレに行くことができず、大変困りました。  → 避難所のスタッフがいない時間帯に視覚障害者が一人でトイレに行けるよう、トイレまでの動線が分かりやすい場所を割り当てる必要があります。なお、避難所での視覚障害者の困りごとは、視覚障害者と避難所設置者が対話することで解決できることが多いです。 <イラストの説明> 災害現場で家族と再会し、安堵の涙をこぼす視覚障害の女性とその家族 18ページ(裏表紙) 困ったことがあった時の相談先  内閣府 障害者差別に関する相談窓口「つなぐ窓口」   電話 0120−262−701   メール info@mail.sabekai-tsunagu.go.jp   URL https://sabekai-tsunagu.go.jp/  障害者差別解消法に関する質問に対する回答、障害を理由とする差別に関する相談事案を、適切な自治体・各府省庁などの相談窓口に円滑につなげるための調整・取次を行っています。  日本視覚障害者団体連合 総合相談室   電話 03−3200−0011(内線5番)   メール soudan@jfb.jp   URL http://nichimou.org/consultation/  視覚障害の当事者団体が運営する相談先です。視覚障害の相談員を中心に、様々な分野の相談に対応しています。 発行情報 社会福祉法人日本視覚障害者団体連合 住所 〒169−8664     東京都新宿区西早稲田2−18−2 TEL 03−3200−0011 メール jim@jfb.jp  URL http://nichimou.org/ 発行日 2026年2月 この冊子は、公益財団法人ヤマト福祉財団の2025年度障がい者福祉助成金を受けて発行しました。