全国の皆さん、こんにちは。あっという間に1年が終わりそうであります。そういう中にあって、今年は点字考案200周年と言うことで1年を通じて点字を話題にしてきたわけであります。  ルイ・ブライユが1825年に6点点字を考案してから200年。我々日本においても、点字によって視覚障害者が十分な教育を受け、職業に就くことが出来、更にはそれぞれの文化やそういう広い意味での点字が、我々の点字の生活を支えているということに感謝をするとともに、この点字が視覚障害者の文字として、あるいは我々の生活を支える大きな武器として今後も安定した点字の保障というものを確立するためには、日本点字法というものが必要ではないかという議論も今後続けていくことになります。  何と申しましても、点字の市民権というものを確立することが、声を出しているわりには前へ進んでいませんので、何とか安定した点字保障が我々にもたらされるように引き続き運動を続けていくことになります。従って点字考案200周年はこれで記念事業としては終わり、ということではなくて、それを出発点にして更なる取り組みを続けるということで、皆さんとともに頑張っていきたいと思っております。  ところで、朗報でもあるし、私自身の後輩が増えてくることで喜ばしいことがあります。それは、今年の司法試験の合格発表が先日あったのですが、また視覚障害の若者が合格しました。この新しい視覚障害者の若者が弁護士として活動を始めることになれば、日本でもちゃんと正確な数字ではありませんが、10人以上の全盲または強度の弱視の弁護士が活動していることになり、その裾野の広がりというものは非常に価値があると思っております。そうした視覚障害を持った弁護士が社会的に評価されるだけでなくて、視覚障害者の権利の獲得であったり、視覚障害者の社会進出においていわば弁護士として活動を通じた役割といいますか、そういうことをも期待して良いのではないかなと思っております。こういう新しく活動してくれる若者が増えてきたことは非常に僕としても次の時代に移りつつあるなと、印象を持っていることも事実です。 僕が合格してからも既に44年が経っているわけでありますから、私自身も74歳になりましたので、そういう意味でも世代交代というものがそこに見えてきたかなと、やはり新しい戦力が、我々の隊列に加わってくれたことを是非みんなと共に喜んで、今後の彼の活動に期待したいと思っております。  そういうふうに様々な分野に新しい人たちが自分の夢を掲げて、そして目標に向かって歩いている姿を私たちみんなで歓迎し、更なる広がりを期待していくことを、最後に申し上げたいと思っております。