全国の皆さん、こんにちは。  皆さんも当然テレビ等でお聞きになっているように、日本で最初の女性の総理大臣が誕生しました。高市早苗総理大臣が、総理大臣になったことによって、私たちの国が、今後どのような方向で進んでいくのか、みんなで関心を持ちながら、私たちの意見もちゃんと伝わるようにしていきたいと思います。  高市内閣が、社会保障に対して、非常に厳しい意見をもっているのではないか、というふうに感じております。例えば医療の抑制ということが既に言われていますし、そうなると、社会保障全体に対するいわば、締め付けと言っても良いと思うのですが、そういうことが大きな課題になったりするのではないかということも懸念しております。  その点も意識しながら私たちの声が、そしてこれまで積み上げてきた社会保障における、あるいは障害者福祉の前進が、この内閣の誕生によって、別の方向、あるいは極端にいえば後退することのないように私たちは運動していくことが必要なのだろうと思っております。その点で、国の政治にも皆さんとともに注目しながら、1年間の活動を組み立てていきたいと思っております。  ところで、猛暑が過ぎて、一番楽しみにしていた食欲の秋、読書の秋がきたわけでありますが、急に寒くなったので皆さん体調を壊すことの無いように気を付けてもらいたいわけでありますが、読書の秋、といえば私たちにとって最も重要なのは、私たちの点訳、あるいは録音図書を作ってくれるボランティアの方々の存在であります。  この巻頭言でも何度か、ふれましたように今年はルイ・ブライユが点字を考案してから200年という記念すべき年であります。その点で、点字に対する関心も強めていきたいわけでありますけれども、併せて日本では、録音図書というものが、非常に大きな広がりをみせているわけであります。  この点で、9月に鉄道弘済会と日本盲人福祉委員会の共催で、全国の朗読奉仕者に感謝をするという企画であります、朗読録音奉仕者感謝の集いというものが開かれました。  この集いでは長年にわたり、朗読あるいは図書づくりに努力していただいたボランティアの方々に感謝状をお渡しするという集いであります。実は、この感謝の集いに出ていると私なんかは、1年中、録音図書を楽しんでいるわけでありますが、そういう中で、上手に録音してくださっている方にいつも声でお会いしている、に過ぎないわけでありますが、この集いでは、直接お会いする機会があったりするわけであります。何人かそういう方に出会いました。  例えば、私はいま、山本周五郎にちょっと凝っておりまして、山本周五郎の本を読破しようとして、どんどん読んでいるわけでありますが、この集いで、四国の香川県の図書館で録音活動されている、ボランティアの方がちょうど山本周五郎の録音をしていただいている方でして、この人の声をきくだけでなくて、直接本人さんと出会うという、幸運に恵まれました。ところが、気を付けなければならないのは、非常に高齢化が進んでおり、数も減っているのだそうです。そういう意味では私たちの、読書環境を守るためにも、こうした録音活動に専念してくださるボランティアの広がりをもう一度みんなと考えていく時期に来ているということを実感しました。