愛盲時報 令和6年10月25日(金)第284号 目次  1.視覚障害のある児童・生徒に対するプログラミング教育およびブラインドスポーツ体験の提供に関する要望書 盛山正仁文部科学大臣に提出  2.第78回全国視覚障害者福祉大会(千葉大会) 千葉県知事、千葉市長への表敬訪問  3.関係府省庁に陳情  4.第70回記念全国視覚障害女性研修大会が香川で開催される  5.第46回全国視覚障害者将棋大会“将棋駒のまち”山形・天童での開催中止に  6.視覚障害者のための健康づくりリーフレット 日視連ホームページで公開中  7.ご寄付のお願いについて  8.奥付  *見出しの頭には「--(半角で2つ)」の記号が挿入されているので、検索機能を使って頭出しをする際にご利用下さい。  また検索の際、目次でご紹介した数字を続けて半角で入力すると、その項目に直接移動することができます。  (例)1をご希望のときは、「--1(すべて半角)」と入力。 (以下、本文) --1.視覚障害のある児童・生徒に対するプログラミング教育およびブラインドスポーツ体験の提供に関する要望書 盛山正仁文部科学大臣に提出 【写真】盛山文部科学大臣を中央に要望書を持つ竹下会長(左)と三宅常務理事(右) 視覚障害のある子ども達に体験の機会を  8月14日、日本視覚障害者団体連合(以下、日視連)の竹下義樹【たけしたよしき】会長と三宅隆【みやけたかし】常務理事は、盛山正仁【もりやままさひと】文部科学大臣に面会し、要望書を提出しました。 要望書は「視覚障害のある児童・生徒に対するプログラミング教育」「普通学級に通う視覚障害のある児童・生徒に対するブラインドスポーツ体験の提供」を全国で促進するため、本連合及び加盟団体の取り組みに対して支援を求める内容になっています。  要望書の提出では、竹下会長が概要を説明し、三宅常務理事が要望書の詳細を説明しました。説明の中では、盛山文部科学大臣に「視覚障害の児童・生徒向けのプログラミング講座※」において使用しているプログラミング教材に触れていただき、本連合の取り組みにご理解をいただきました。 ※視覚障害の児童・生徒向けのプログラミング講座  東北学院大学の菅原すがわら研けん教授及び松本まつもと章代あきよ教授にプログラミング教育アドバイザーとして協力を仰ぎ、令和4年9月より日視連の自主事業として、プログラミング教室を開催。本年度も実施予定。 【写真】プログラミング教材に触れる盛山文部科学大臣  そして、面会の最後には、盛山文部科学大臣より要望書に対する回答があり、「改正障害者差別解消法や障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の施行、パリ2024パラリンピックの開催等を踏まえ、要望書の内容をしっかりと受け止め、文部科学省及びスポーツ庁として前向きに検討させていただく」との回答を頂きました。 【写真】盛山文部科学大臣に説明する三宅常務理事 要望書全文はホームページで公開中  要望書全文は、日視連ホームページ(http://nichimou.org/all/news/secretariat-news/240820-jimu/)からみることができます。 --2.第78回全国視覚障害者福祉大会(千葉大会) 千葉県知事、千葉市長への表敬訪問  7月8日、日視連は令和7年度に開催する第78回全国視覚障害者福祉大会(千葉大会)への協力をお願いするため、千葉県知事と千葉市長に対して表敬訪問を行いました。  当日は、日視連の竹下義樹会長、後藤英信【ごとうひでのぶ】常務理事、三宅隆常務理事、第78回全国視覚障害者福祉大会(千葉大会)の主催団体である千葉県視覚障害者福祉協会の今野正隆【こんのまさたか】会長、川崎弘【かわさきひろし】常務理事、さらに千葉市視覚障害者協会の梨憲司【たかなしけんじ】理事長が参加しました。  熊谷俊人【くまがいとしひと】千葉県知事への表敬訪問では、熊谷知事が前職の千葉市長に就任されていた頃、平成24年に開催した第65回全国盲人福祉大会(千葉大会)の大会式典に千葉市長としてご臨席いただいたことが話題となり、竹下会長と今野会長より第78回全国視覚障害者福祉大会(千葉大会)の大会式典へのご臨席をお願いしました。  また、神谷俊一【かみやしゅんいち】千葉市長への表敬訪問でも、第78回全国視覚障害者福祉大会(千葉大会)の大会式典へのご臨席をお願いしました。 【写真】熊谷俊人千葉県知事を囲んだ記念撮影 【写真】神谷俊一千葉市長を囲んだ記念撮影  なお、第78回全国視覚障害者福祉大会(千葉大会)は、令和7年5月25日(日)、26日(月)に千葉県千葉市のTKP東京ベイ幕張ホールで開催するべく、準備を進めています。 --3.関係府省庁に陳情  6月2日から6月3日に熊本県熊本市で開催した第77回全国視覚障害者福祉大会(熊本大会)において、集約された視覚障害者福祉施策に関する要望事項をまとめ関係府省庁及び民間企業等へ陳情しました。 主な陳情先は、次のとおり。 ■陳情先(順不同) 厚生労働省(福祉関係、職業関係)・人事院・文部科学省・こども家庭庁・国土交通省・警察庁・経済産業省・農林水産省・消費者庁・デジタル庁・金融庁・国税庁・総務省・内閣府・日本年金機構・日本郵政株式会社・全国銀行協会・日本放送協会・日本民間放送連盟・旅客鉄道株式会社(北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州)・日本民営鉄道協会・日本バス協会・日本小売業協会・日本フランチャイズチェーン協会・日本フードサービス協会・日本ホテル協会・全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会 【写真】陳情の様子 【写真】陳情書を手渡す竹下会長 陳情書はホームページで公開中  陳情書全文は、日視連ホームページ(http://nichimou.org/all/news/secretariat-news/240917-jimu/)からみることができます。 --4.第70回記念全国視覚障害女性研修大会が香川で開催される  第70回記念全国視覚障害女性研修大会(中国・四国ブロック 香川大会)が、9月4日、5日の両日、レクザムホールを主会場に、女性協議会会員および関係者 約300名が出席し、開催されました。  1日目の午前中には、全国代表者会議が開かれました。会議では、来年3月に行われる役員改選に伴い、選挙管理委員として小池恭子【こいけきょうこ】さん(名古屋市)、梅津幸子【うめつさちこ】さん(福岡市)、小田垣妙子【おだがきたえこ】さん(青森県)が承認されるとともに、ほか7つの議事がすべて採択されました。 【写真】全国代表者会議の様子  1日目午後には、研修会が2部構成で行われました。研修会第1部では、「わたしの日常生活の一工夫!〜地域の人との関わり、女性部の活動を通して、ICT、健康〜」をテーマにレポート発表が行われ、各ブロックから6名の発表がありました。  助言者として登壇した日視連の竹下義樹会長は、今年4月より障害者差別解消法が改正され、民間事業者にも合理的配慮が義務化されたことに触れ、困ったことや工夫して欲しいことがあれば声を出すこと、そしてそこから事業者と対話を重ねていくことの大切さを語りました。  また、助言者として登壇した香川県視覚障害者福祉協会の浅見裕一郎【あさみゆういちろう】会長は、自分自身をよく知ること、自尊感情を高めることの大切さを発表者の体験に絡め、ユーモアを交えて具体的に助言しました。  最後に竹下会長は、長年にわたり女性研修会で行われているレポート発表について触れ、レポート発表の中で発表される数々の実体験や思いは貴重な資料であり、財産であるとし、これからも続けていって欲しいと述べました。 【写真】レポート発表でコメントをする香川県視覚障害者福祉協会の浅見会長  研修会の第2部は、香川県観音寺市を拠点に居宅訪問サービスと日中活動サービスを提供している社会福祉法人ラーフの毛利公一【もうりこういち】理事長を講師に迎え、「夢をかなえる挑壁【ちょうへき】思考」というテーマで講演が行われました。  毛利理事長は、23歳の時に不慮の事故により頚髄を損傷しており、自由に動くのは首から上のみで車椅子生活をしています。そんな毛利理事長は、障害を壁ととらえ、自分は壁に挑む挑壁者として生きていると、講演の冒頭に語りました。そして、これまでの経験を振り返り、目標があった場合には口に出して、とりあえずやってみること、どうやったらできるかを試していくこと、一人で頑張らずに仲間を巻き込むことの3つが目標を達成するために大切であると語りました。  また、毛利理事長は2021年の東京オリンピックの聖火リレーに自分の足で聖火を運ぶ挑戦をしたことに触れ、何度も聖火リレー担当者とぶつかり合いながらも、最終的には聖火リレー担当者も良き仲間として、一緒に考えてくれて、成功を収めることができたとエピソードを語りました。  最後に毛利理事長は、これからの人生も目の前に出てくる壁に挑戦し乗り越えて、乗り越えた後にチャンスを掴んで、社会に貢献できる言葉を発していけるよう頑張っていきたいと話を結びました。 【写真】講演をするラーフの毛利理事長  2日目の午前に行われた式典では、日視連竹下義樹会長、日視連女性協議会阿部央美【あべてるみ】会長の主催者挨拶に続き、香川県視覚障害者福祉協会浅見裕一郎会長、同協会の谷本邦恵【たにもとくにえ】女性部長による歓迎の挨拶がありました。また、式典では、日視連女性協議会顧問である石田昌宏【いしだまさひろ】参議院議員、池田豊人【いけだとよひと】香川県知事、大西秀人【おおにしひでと】高松市長からご祝辞をいただくとともに、武見敬三【たけみけいぞう】厚生労働大臣、日視連女性協議会顧問の階恵美子【たかがいえみこ】衆議院議員の祝辞の代読がありました。 【写真】主催者挨拶をする女性協議会の阿部会長  続く第2部の議事では、初日の全国代表者会議および研修会の報告、宣言・決議の採択を行いました。今年は、日々の買い物をはじめとする生活に関する項目、子育て支援や災害・犯罪に対する視覚障害者のための具体的な方策など12項目が採択されました。  また、大会議事に続き行われた閉会式では、来年度の開催団体である新潟県視覚障害者福祉協会の木村弘美【きむらひろみ】理事長をはじめ、女性部の方々より挨拶があり、次期大会の第71回全国視覚障害女性研修大会(東海・北信越ブロック 新潟大会)は、令和7年9月3日(水)と4日(木)に、新潟県新潟市の新潟市ユニゾンプラザで開かれるとの報告がありました。 --5.第46回全国視覚障害者将棋大会“将棋駒のまち”山形・天童での開催中止に  9月21日から22日まで山形県天童市で初めての開催を予定していた第46回全国視覚障害者将棋大会 in天童は、前日から東北地方で続く大雨の影響により、中止となりました。  開催地である山形県天童市は、日本の将棋駒の95%が作られており“将棋駒のまち”として、全国の将棋愛好家にとって、一度は訪れてみたい場所であり、以前より天童市での大会開催は熱望されていました。そこで、日本視覚障害者団体連合は、日本将棋連盟創立100周年の年に合わせ、今回、天童市で初めての開催をすることになりました。  今大会は、竜王戦などの数々のタイトル戦が繰り広げられている「ほほえみの宿 滝の湯」を会場に、通常の大会と並行して、天童市民をはじめ、山形県内外の将棋愛好家など多くの人に視覚障害者の将棋の世界を知ってもらうためのたくさんのイベントを計画し、開催1年前より日本将棋連盟や天童市、日本将棋連盟天童支部などの多くの団体・企業の皆様にお力添えをいただき、準備をしてきました。 【写真】第46回全国視覚障害者将棋大会のポスター  しかしながら、大会は前日より降り続いた雨の影響により、天童市内で当日朝から警戒レベル4相当にあたる土砂災害警戒情報が発令されていたため、大会の開催中止という苦渋の決断をせざるを得ませんでした。 大会は中止も親睦を深める  大会は、中止となったものの、前日より現地入りをしていた大会参加者や当日会場に辿り着くことができた大会参加者、合わせて11名のほか、ボランティアや付添者、中止を知らずに会場にいらした方を含めて会場には約25名が集まっていました。  そこで、前日より現地入りをしていただいていた本田小百合【ほんださゆり】女流三段(本大会副審判長)や当日会場に到着されたばかりの日本将棋連盟学校教育アドバイザーを務める安次嶺隆幸【あじみねたかゆき】東京福祉大学教育学部特任准教授(以下、安次嶺特任准教授)にご協力いただき、急遽、交流の場を設けることになりました。  交流会の前には、簡単なセレモニーが開かれ、開会式で披露する予定であった日本将棋連盟の羽生善治【はぶよしはる】会長による応援ビデオメッセージの放映や開催団体である日視連の後藤英信【ごとうひでのぶ】常務理事と山形県視覚障害者福祉協会の鈴木勝利【すずきかつとし】会長による挨拶、本田女流三段、安次嶺特任准教授による挨拶がありました。 【写真】歓迎の挨拶をする山形県視覚障害者福祉協会の鈴木勝利会長  交流会では、安次嶺特任准教授による「将棋の教育的意義から考える現代の子ども達の課題」と題した講演、本田女流三段による指導対局、将棋教室などのほか、山形県将棋駒協同組合による将棋駒の展示および販売が行われました。 【写真】本田小百合女流三段による指導対局 【左写真】安次嶺隆幸特任准教授による講演の様子 【右写真】参加者との交流を楽しむ山形県将棋駒協同組合の皆さん  交流会は21日のみでしたが、会場に集まった参加者は思い思いに会を楽しんでいる様子でした。大会は中止となりましたが、助成をいただいたスポーツ安全協会をはじめ、日本将棋連盟の方々、天童市や日本将棋連盟天童支部の方々など、多くの方々の多大なるご協力のお蔭で、天童での楽しいひと時を過ごすことができました。ご協力いただいたすべての皆様に、あらためて感謝申し上げます。 --6.視覚障害者のための健康づくりリーフレット 日視連ホームページで公開中  日視連では、日視連青年協議会、日視連スポーツ協議会とともに、日本大学スポーツ科学部の辰田和佳子【たつたわかこ】准教授らの視覚障害者の身体活動促進に関する研究(JSPS科研費20K02248「視覚障がい者の身体活動促進がもたらす社会参加の向上とQOLへの効果」)に協力してきました。  同研究では、日視連加盟団体の会員を対象に身体活動量の調査を実施するとともに、視覚障害者が身体活動を行う際の課題及び必要となる支援や配慮等を調査してきました。 【写真】7月に開催された第32回日本健康学会学術大会において、研究の成果が発表されました  そして、調査の成果を生かす形で、視覚障害者の健康づくりに役立てるための3種類のリーフレットが作成されました。リーフレットは、日視連ホームページ(http://nichimou.org/all/news/other/240130-jouhou-2/)よりダウンロードできます。 (1)身体活動編  身体を動かすことの大切さや、視覚障害者が身体を動かすことの工夫について、当事者の声を交えて紹介しています。また、視覚障害者でも簡単にエクササイズできるように音声解説付の動画QRコードを掲載しています。PDF版 点字版があります。 (2)スポーツ施設手引き編  スポーツ施設の手引きとして、視覚障害者がスポーツ施設を安心・安全に利用するためのポイントについて実践例を示しています。また、支援者の声や視覚障害当事者と一緒に確認できる項目を設けています。PDF版のみです。 (3)食生活編  健康づくりのための食生活の指針や食塩摂取量や栄養バランスについて考えた食事の実例を交えて紹介しています。PDF版 点字版があります。 --7.ご寄付のお願いについて  日本視覚障害者団体連合は視覚障害者自身の手で、<自立と社会参加>を実現しようと組織された視覚障害者の全国組織です。  1948年(昭和23年)に全国の視覚障害者団体(現在は、都道府県・政令指定都市59団体が加盟)で結成され、国や地方自治体の視覚障害者政策の立案・決定に際し、当事者のニーズを反映させるため、陳情や要求運動を行っています。  活動内容は多岐にわたりますが、そのために必要な経費の確保は、厳しい財政の中困難を極めています。  視覚障害者福祉の向上を目指し、組織的な活動を維持していくため、皆様からの特段のご厚志を賜りますよう、何とぞ宜しくお願い申し上げます。 ■ゆうちょ銀行 記号番号 00160−5−536104 加入者名 社会福祉法人日本視覚障害者団体連合 ■みずほ銀行 店名 高田馬場支店 預金種目 普通  口座番号 2868101 カナ氏名(受取人名)フク)ニホンシカクショウガイシャダンタイレンゴウ ※領収証が必要な方、本連合が振り込み手数料を負担する専用の振込用紙をご希望の方は、日本視覚障害者団体連合までご連絡ください。(電話:03−3200−0011) --8.奥付 愛盲時報 令和6年10月25日(金)第284号 ※この愛盲時報は鉄道弘済会の不動産賃貸事業などの益金等、日本盲人福祉委員会の愛盲シール維持会費の中から贈られた寄付金などで作られたものです。 発行所:社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合  〒169-8664東京都新宿区西早稲田2-18-2 発行人:竹下 義樹 / 編集人:吉泉 豊晴 電話:03-3200-0011/FAX:03-3200-7755 URL:http://nichimou.org/ Eメール:jouhou@jfb.jp(情報部) 以上で、愛盲時報 令和6年10月25日(金)第284号を終わります。