第3回点字考案200年記念事業 記念講演会inサイトワールド2023 日時:2023年11月3日(金・祝) 13:30〜15:30 すみだ産業会館会場及びYouTube配信によるハイブリッド方式 会場:すみだ産業会館 9階第1・第2会議室 主催:点字考案200年記念事業推進委員会 後援:毎日新聞社点字毎日    全国盲学校長会    特定非営利活動法人 全国視覚障害者情報提供施設協会    特定非営利活動法人 日本点字技能師協会 【開催趣旨】 ルイ・ブライユが6点点字を考案してから2025年で200年を迎えます。この節目の年に向けて、点字の現代的意義を再確認するとともに、今後の可能性を広げるための研究・開発等を推進することを目的とします。 今回は、アメリカ開催の“Getting In Touch With Literacy”の事前発表並びに、日本における中途失明者、児童・生徒に対する点字指導のあり方の議論を深めます。 【テーマ】 日本における児童・生徒、中途失明者に対する点字指導のあり方 【プログラム】 13:30〜13:40 開会挨拶  竹下義樹(点字考案200年記念事業推進委員会委員長) 13:40〜14:25  第1部 アメリカ開催の“Getting In Touch With Literacy”の事前発表会  渡辺哲也氏(新潟大学教授)  南谷和範氏(大学入試センター教授)  奥野真理氏(全国視覚障害児童・生徒用教科書点訳連絡会事務局長) 14:30〜15:25  第2部 「日本における中途失明者、児童・生徒に対する点字指導のあり方を考える」  牟田口辰己氏(「点字学習指導の手引き」編集委員会主査)  渡邊寛子氏(福島県立視覚支援学校教諭) 15:25〜15:30 閉会挨拶 【主催者挨拶】 竹下義樹  点字考案200年記念事業推進委員会委員長       日本視覚障害者団体連合会長 ルイ・ブライユによって点字が考案されてから200年を迎えようとしています。その間に点字が視覚障害者の教育、文化、職業等にもたらした功績が大きいことは言うまでもありません。それだけに、デジタル化が進みAIが発展しつつある今日における点字の役割、あるいは今後の位置づけが問われています。音声のみによる情報の利用や獲得が十分でないことは幾度となく指摘されてきたことです。触図や立体模型を含む触察による情報の利用や獲得をどのように発展させるのか、そしてそこに点字と音声をどのように組み合わせていくのか等、検証されなければならない課題は山積しています。様々な視点から視覚障害者にとって望ましい情報保障の未来を考えていきたいと思います。 【講演者プロフィール】 第1部 アメリカ開催の“Getting In Touch With Literacy”の事前発表会 渡辺哲也氏 (新潟大学教授) 1993年、北海道大学大学院生体工学専攻修了。1994年から障害者職業総合センター研究員、Windows用スクリーンリーダ「95Reader」を開発。2001年から国立特別支援教育総合研究所研究員、漢字の詳細読み「田町読み」を開発。2009年から新潟大学工学部准教授、2020年から教授。触地図自動作成システム「tmacs」を開発、これを用いた触地図作成・送付サービスの運用により「障害者の生涯学習支援活動」文部科学大臣表彰を受賞。 南谷和範氏 (大学入試センター教授) 独立行政法人大学入試センター研究開発部所属。専門は福祉工学、教育工学。 文部科学省障害のある学生の修学支援に関する検討会第3期委員。 障害のある受験者のための試験環境改善の研究をしている。 近年は、3Dプリンタを活用して視覚障害者の情報・文化アクセスや視覚障害児の教育環境を充実させる取り組みを推進している。 奥野真理氏 (全国視覚障害児童・生徒用教科書点訳連絡会事務局長) 2009年より日本ライトハウス情報文化センター点字製作係勤務。地域の小中学校でインクルーシブ教育を受けている児童・生徒のための点字教科書の製作に携わる。現在、NPO法人全国視覚障害児童・生徒用教科書点訳連絡会事務局長を務める。同会では、全国の教科書・教材点訳に関わるボランティアグループ、施設団体に向けたセミナーの企画、教育委員会や学校からの教科書点訳に関する問い合わせ・相談への対応、教科書製作グループの調整等を行っている。 第2部 「日本における中途失明者、児童・生徒に対する点字指導のあり方を考える」 牟田口辰己氏 (「点字学習指導の手引き」編集委員会主査) 昭和50年4月から国立福岡視力障害センター(3年)、筑波大学附属盲学校小学部(24年)、国立特殊教育総合研究所(2年弱)を経て、平成15年11月から広島大学大学院教育学研究科で視覚特別支援学校の教員養成を担当、平成30年3月定年退職。現在は、私大数校で特別支援教育(視覚障害)の非常勤講師を務める。著書に「盲児に対する点字読み指導法の研究−点字読み熟達者の手の使い方の分析を通して−」(慶應義塾大学出版会,2017)。 渡邊寛子氏 (福島県立視覚支援学校教諭) 千葉県出身、先天性緑内障により生まれつき弱視、統合教育。大学4年間は点訳サークルで大学入試点訳を経験。出産後緑内障が悪化し、角膜移植後白内障を併発して失明。国立塩原視力障害センターで生活訓練を受け、県立高校から福島県立視覚支援学校高等部国語科教諭として転勤復職。点字使用20年目。図書部長。点字導入や切り替え・併用の指導に携わる。日本点字委員会会友、日視連女性協議会副協議会長、全国視覚障害教師の会役員、福島県視覚障がい者福祉協会副会長。 【Getting In Touch With Literacyとは…】 「触れる」を入口に学び、味わい、交流するー点字、触図、支援技術など、視覚障害者のリテラシーをテーマに、1993年から米国で隔年開催されてきた視覚障害当事者、教育者、家族のための約60のワークショップからなるイベント。早期教育から職場における活用ほか、日常生活、公共空間、芸術鑑賞など、あらゆる場面での触知能力の可能性と多様性を考えます。視覚障害者大会のテーマのひとつに過ぎなかったリテラシーに特化したこの大会を、多くの専門家や個人のグループが支えてきました。 コロナ後初の対面大会で、30年の集大成となる本大会は、フロリダ州のセントピートビーチで4日間にわたり開催されます。